amazarashi『アンチノミー』を聴いて感じたこと



挨拶

 二回目の投稿です。今回はamazarashiの最新曲であり、アニメ「NieR:Automata Ver1.1a」のエンディングでもある『アンチノミー』を聴いて感じたことを書こうと思います。
 前回初めて感想というものを書き、反省点や改善点はあったと思うので今回はそれを踏まえて書ければと思います。



amazarashi

 今回書きたいアーティストはamazarashiです。もうかなり前から聴いていて、ライブもある度に必ずいってます。ねぇママのツアーが初めてだったので、もうかれこれ10年目になります。音源だけだと千年幸福論の頃からなので、12年。一度行くとあの他にはない絶対唯一の魅力に囚われ、抜け出せなくなりますよね。
 amazarashiの名前には「日常に降りかかる悲しみや苦しみを雨に例え、僕らは雨曝しだが"それでも"という部分を歌いたい」という理由が込められています☔️
 基本メンバーはギターボーカルの秋田ひろむと、キーボードの豊川真奈美。ライブではそれに+で3人のサポートメンバーが入ります。
 一聴、暗いと言われたりネガティブだと言われがちですが、どちらかといえばヤケクソな曲や、最終的には己で立ち上がるという曲が多く聴く人の日常的な勇気になり得る曲が多いと思っています。
 アニソンタイアップをそれなりにやっているので一度聴いたことがある人はそこそこいるかもしれません。
 アルバムを順番に聴くことに意味があるアーティストだと思うので、興味がある方は是非曲順で聴いていただきたい🙋🏻‍♂️


『アンチノミー』

 本題。まず「NieR:Automata Ver1.1a」の製作が発表された時点で、頭の片隅にOPかEDのどちらかはamazarashiに担当させてもらえるだろうなという自信がありました。
 というのも、amazarashiは2017年に「NieR:Automata」がゲームとして発売した時にコラボソングとして『命にふさわしい』というシングルと出しているからです。
 元々秋田ひろむがNieRシリーズのファンであったことがきっかけで、ディレクターのヨコオタロウをライブに招待しそこが切っ掛けとなり『命にふさわしい』が出来ました。
 その『命にふさわしい』もかなりNieRシリーズに寄せた歌詞で、初めて聴いたときにこれはタイアップやコラボなどではなく秋田ひろむが書き下ろしたNieRの一つの答えなのかもしれないと思ったんですよね。
 だからぶっちゃけ今回新曲で来ると思ってなくて、もしamazarashiが起用されたら『命にふさわしい』が採用されるのではないかと思ってました。それくらいあの曲には説得力があるし、NieR:Automataの世界観にも合っていると思っていたから。
 しかし蓋を開けるとまさかの新曲提供!最新アルバム『七号線ロストボーイズ』がとんでもない名盤だったので、期待値は鰻登りどころかもう天を越して宇宙まで登っちゃってました🐟(七号線ロストボーイズに関しては別の機会にガッツリ書きたい)

 そして迎えた「NieR:Automata Ver.1.1a」初回放送日。

 …………いや、流れないんかい!面白かったけど、流れないんかい!映像綺麗だったけど、流れないんかい!🤪
 最近はEDを2話で公開するアニメが少なくないとかなんとか……こんなに待ち遠しい2話は久々でした。

 そして無事に2話が公開になり、それと同タイミングで配信でフル公開。待ってただけあって速攻聴きました。
 結論。これはNieR:Automataの為の曲であり、ここ数年のamazarashiと地続きでもある曲だ。
 まず初めて聴いたときは、歌詞がNieRに寄せすぎか……?と少し思いました。コーラスで「壊れたヨルハ」とか言っちゃってるし🤖
 ※ヨルハはNieR:Automataに出てくる新型アンドロイド兵士の総称
 でも、聴けば聴くほどこの曲は『命にふさわしい』のその先、そしてより内面に入った歌詞だということが感じ取れた。『命にふさわしい』で「心さえなかったなら」と歌われたことが、『アンチノミー』では「だけど遺体となく心を 僕は疑えやしないよ」や「機械仕掛けの涙 それに震える心は誰のもの」と、心というものに対してより人間的で温かいものということになっていた。

 あまり歌詞のことに踏み込み過ぎると、NieR:AutomataのネタバレになってしまうのでNieRよりのことは書けませんが、NieRをプレイしたことがある人ならこの歌詞の重みや言ってることの重大さがかなり伝わりやすいと思います。
 しかし、NieRに寄せてるだけで終わらない。しっかりと自分たちとの共通項を曲に反映させるのがamazarashiのタイアップだと僕は思ってます。シングル『リビングデッド』やアルバム『ボイコット』での流れを汲んでの今作だと個人的に考えていて、というのも今作も近年秋田ひろむが歌っている「自分自身」というもの如実に表現している曲だから。

 奪われた言葉や飲み込んだ言葉、言いたかった言葉、言えなかった言葉、それら全てが自分自身を形成し、それの積み重ねが今の自分を形作ると訴えた『独白』

 どうあろうと私は私なのに、他人の関与により別の私が決定づけられる。それでも変えられないもの。他人に許可されて生きていない、他人に受諾されて生きているわけではない、私が出来るのは圧力や冷笑に屈せず私でいることだと声高に叫んだ『抒情死』

 常に自分を自分で保つことや己を知ること、自分で選択し、自分を生きてこそという訴えに通ずるものが『アンチノミー』にもあったと思います。
 「だけど痛いとなく心を 僕は疑えやしないよ」「僕だけの迷いこそが 人の証左となるなら」「意味を捨て 意思を取れ」など、たしかにNieR:Automataの世界を反映した歌詞ではありますが、確実にリスナーの我々にも届く歌詞になっているのが素敵だし最高にかっこいい部分だと思っています☝🏿

 サウンド的には最近の出羽さん(編曲担当者)っぽいというか、鴉と白鳥とかと同じく最後にカタルシスを感じさせる作りで、聴き終わると不思議と肩の力が抜けたり自分の中に希望が見えたりする気がします。勿論、歌詞やメロディーの力も込みで。
 荒廃的なギターに、綺麗なコーラスが合わさり何とも神秘的な空気を纏った一曲、アンチノミー。早くも次のアルバムの発売時に収録されるのが、流れも含めて楽しみです。

 そしてこれを読んでくださっている方の中に「NieR:Automata」をまだ未プレイの方がいましたら、ぜひ時間をみつけてやってみてほしいですね。歌詞の解像度がより上がると思います。アニメもまだ最後がどうなるかは分からないのでなんとも言えませんが、きっと歌詞の意味がわかる作りにはなってるんだろうなと思ってます。


あとがき

 と、3000文字弱書かせていただきました。本当は2000文字くらいで終わる予定だったのですが、ついつい書いてしまいますね。
 amazarashiの曲は、たまに一曲聴くとドッと疲れる曲があるのですが(個人差あり)アンチノミーはテンポ感や曲調も合わさり、歌詞やサウンドの重みの割にスルスル聴ける曲な気がします。最近だとアダプテッドは聴き心地良すぎて、なんかやばいです。
 amarazarashiはたくさん語りたいことがあります。曲についても、ライブについても。それはまた時間見つけて書いていきたいです。
 とりあえず、MVとシングルのカップリングが楽しみですね☔️

 それでは今回もご拝読ありがとうございました!


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