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スピッツ 17th album『ひみつスタジオ』を聴いて感じたこと

挨拶 

 スピッツの最新アルバムが名盤過ぎて感想を吐き出さずにはいられなかったので、雑多的にべらべらべらべら……🗣️
 よろしくお願いします。


曲目

 全曲書くぞ、全曲。
 近年サブスクが主流になったり、YouTubeがあったりなどでCDを買ってアルバムの曲順に聴くっていうことが少なくなっていると思うんですけど、やっぱり作り手はアルバムに意味を持たせていると思うから個人的には慣れるまで曲順通りに聴きたい派です。
 一曲目が定義づけで、最後の曲が結論みたいなアルバムも多いですしね。
 ひみつスタジオの曲目はこうなってます↓

 1.i-O(修理のうた)
 2.跳べ
 3.大好物
 4.美しい鰭
 5.さびしくなかった
 6.オバケのロックバンド
 7.手鞠
 8.未来未来
 9.紫の夜を越えて
 10.Sandie
 11.ときめきpart1
 12.讃歌
 13.めぐりめぐって

 13曲、濃密で聴きごたえバッチリ、書きごたえどっぷり。的な内容でした。


1.i-O(修理のうた)

 古い記憶が蘇るような、どこか懐かしいイントロにそっと入る草野マサムネの優しい声が、まるで朝一番に飲む白湯のような穏やかな気分にさせてくれます。
 スピッツのアルバム一曲目はどれも秀逸で最高なものばかりで、今回もそれに相応しい曲だなと思いました。
 i-Oはジャケ写になってる黄色いロボットくんのお名前なんですけど、それを理解してから歌詞を見るとなんとも寂しくて温かい歌なんですよね。
 この歌詞だけで映画一本作れるでしょってくらい、3分ちょっとの中にストーリーがぎゅっと詰まっててすごく好きです。


2.跳べ

 はいライブ楽しい曲~~~~一秒目から楽しい曲~~~~
 "ここは地獄ではないんだよ"とか"優しい人になりたいよね”っていうある種救いのような言葉をこんなテンポの良い音に乗せてサラッと歌ってしまう草野マサムネの神髄を見た気がします。
 "暗示で刷り込まれてた谷の向こう"っていうのは、谷の向こうには何もないと言われてたけど実際は何かがあるっていう現状に不満がある人や今の自分が嫌な人に向けての応援歌になっている気がして、すごい刺さりました。
 なんというか、時代柄というか、様々なことが起きて日常が変わるかもしれない状態でもスピッツはずっと個人に向けての激励を送ってくれている気がして、グッときます。
 イビツなままを愛したいとかも、こんなの恋人に言われたら羽生えてそのまま飛んでく自信しかない。空も飛べます。


3.大好物

 個人的にアルバムに一曲は入ってるTHEスピッツという曲というイメージです。面白い音使って、爽やかなメロディーで、ちょっとかわいらしくて、ほっこりする感じ。
 映画主題歌でしたけど、映画の内容にもかなり合ってたし、この曲単体として歌詞を見てもめちゃくちゃ良いんですよね。
 個人的に大好きな歌詞は”日によって違う味にも未来があった”の部分です。でっかく書いて額に飾りたいくらい名言だと思います。だってその部分以外料理の描写なんてないのに、この一文で全てが想像できるのすごくないですか?物語の、きっとカップルや家族であろう二人が一緒に成長してる感じもすごく良いです。
 あと、君の大好きな物なら、僕も多分明日には好きって思えるような優しくて愛情深い人間に僕もなりたいです。なかなか言えることじゃないですもんね。


4.美しい鰭

 シングルも買ったけど、アルバムで聴くとまた良さがありますね~。
 MVもかなりの再生数いってるし、スピッツもコナンもすごいなって思いました。
 あと普通に曲がめちゃくちゃ良いですしね……今回の映画見た人は分かると思うんですけど、歌詞が圧倒的に灰原なんですよね。こんなに親和性高い?ってくらい解像度髙くて、大してコナンに詳しくない僕ですらびっくりしました。
 そして灰原の歌詞じゃんこれ!ってなってもちゃんとスピッツの歌詞でもあるのが草野マサムネのすごいところ。一曲通してダブルミーニングなの?ってくらい、灰原っぽさもあればスピッツっぽさも持ってる、両方持ち合わせてる楽曲なんです。
 優しくなった世界を描いていきたいとか、自分でいられるようにとか、強いメッセージが入ってるのも聴いてて勇気付けられます。
 あとギターの音が海っぽいというか、水中っぽい?感じがして面白くて好きです。


5.さびしくなかった

 恋、だね。これは恋です。しかも、大人の恋だ。
 一人で食事してたり、明かり消してたり、なんとなくあ~この人は一人暮らしの社会人なのかな?って感じがしますよね。そして恋をして、生まれ変わって、今までの生活なのに何故かちょっとさびしくなって……いや、ストーリーが見え過ぎる。
 今まで恋をしたことない30代社会人が、運命的な出会いを経て初々しさマックスで少しずつ恋愛を経験していく映画を作る予定どこかにありませんか?この曲、どうですか?
 演奏自体もすごい盛り上がり所があるわけでもなく、ただ穏やかに時が流れている感じがして良い。
 "和みの季節よ 長く保てよと"なんて、全人類が想って生きた方が良い。


6.オバケのロックバンド

 はい問題作!事前に雑誌インタビューとかでどんな曲かは知ってて、楽しみではあったんですけど、いざ聴いたら楽しみとか通り越して情緒が破壊されました。
 もうこれスピッツの自己紹介曲って立ち位置で良いですよね?メンバー4人がそれぞれ自分について歌って、サビはスピッツというバンドを定義付けるような歌詞。
 エモーショナルな気持ちってこういうことなのかなって思うくらい、胸の奥がギュンとなりました。あと、明るい曲なのに聴き終わったらちょっと泣きそうになる。
 毒も癒しも真心込めてとか、トゲばったハードロック 本当はラブソングとか、やっぱりそうですよね。ってリスナーが思うようなことを歌詞にポンッと入れてくれてて、スピッツとはなんぞやっていうのが分かりやすく説明されている曲な気がします。
 醒めないとか、1987→と同じ系譜の、リスナーがちょっとにやっとするファンサービス的な曲な気もして、嬉しい。


7.手鞠

 これ嫌いな人いる~~~???みたいな曲。
 これと次の曲でスピッツの二面性を表している気がして、通して聴いたとき興奮しました。
 手鞠はサウンドも歌詞も瑞々しくて、聴いてるだけで喉が潤い肌つやが良くなります。寝る前に聴いたら保湿になるかも。
 スピッツの神髄、爽やかなメロディーと潤いのある音をこれでもかと詰め込んだ曲な気がします。
 あと、個人的なイメージなんですけど、シャンプーとか化粧品とかのCMソングにありそう。
 最後の歌詞が急に"思ってたんと違う"って標準語じゃなくなるのも草野マサムネェ!!って感じがして個人的に好きでした。


8.未来未来

 アルバムに一曲は入ってる実験的且つエッジの効いたかっこいい曲。
 前作みっけだとまがった僕のしっぽとか、醒めないだとハチの針とか、そういう新鮮さも感じつつかなりかっこいい曲の仲間だと思いました。
 民族的なコーラスもスピッツとしてかなり新鮮で、かっこいい。個人的には平沢進も好きなので民族的な声に対する抵抗みたいなものは全くなく、最初からかっこよく聴けました。
 ライブでどうなるか気になる曲です。
 あと、こういう曲を作れるのってすごい若々しいというか、スピッツがかっこいい理由として変わってなさそうでどんどん新しいものを取り込んでいってるところだと思います。
 人間絶対そういう方が日常が楽しいだろうし、僕も何事も新鮮に楽しみたいです。


9.紫の夜を越えて

 コロナ禍に対するスピッツのアンサーソングだと思ってます。実際MIKKEツアーが中止になり、NEW MIKKEになるタイミングでのリリースでしたし、ライブ本編の最後に持ってきているあたりかなり重要な立ち位置の曲。
 そしてそれはひみつスタジオの中でも同じで、5〜8曲目までのアルバム曲ゾーンを綺麗にまとめてくれる役割をしていると思ってます。
 アルペジオも綺麗で、ベースの音も強く、サビで解放されたように鳴るドラム、全てが力強く前に進む覚悟を感じるような曲。夜明けの美しさを音で教えてくれる曲。
 ライブで聴いた時もめちゃめちゃ感動しました。


10.Sandie

 かわいい曲。リズムも音も歌詞もかわいい。ワードがちょいちょい面白いのもスピッツぅ!って感じがして最高です。
 矢印の向いている方向が、好きな人とも捉えられるし、好きなこととしても捉えられる曲だと思ってます。
 好きになった時の新鮮な気持ちがそのまま続いているような曲。
 ”虎の威を借るトイソルジャー"とか”新宿によく似た魔境"とか、お、おもしれ~!!みたいな歌詞を見つけた時の感動がすごい。
 草野マサムネ節といいますか、ただのかわいい曲では終わらずにスパイスが塗してあるのがスピッツの好きなところです。カレーとかもスパイスあった方がおいしいしね!


11.ときめきpart1

 個人的大本命曲!!
 映画の予告で公開された部分ですでに心を鷲掴みにされて、何回も繰り返して聴くくらい好きでした。音源が出てより好きになりました。アルバムの曲の中ではトップで好きです。ぶっちぎり。
 第一線で活躍してる、30年以上続いているバンドが歌う初恋がこんな瑞々しいこと、ありますか?聴いてるだけで水分補給できるくらい瑞々しいです。
 初めてときめいたことをpart1ってつけるセンスもすごく素敵だし、聴いてるだけで「あ、俺の初恋ってこれからくるのかな……」って錯覚してしまうくらい言葉がスッと入ってくるのが良いです。
 それに歌詞で"はじめて"の後に"?"が入ってるから、初恋じゃなくても通用するのが良いですよね。前にもあったかな?でもはじめてって言えるくらい、怖いくらいときめいてますっていう……恋愛の素敵さが穏やかな川の流れ様に入ってくる曲だと思いました。
 MVもめちゃめちゃ素敵で、最高でしたね!


12.讃歌

 これも発売前に雑誌とかで少し触れられていたので気になっていた曲でした。神聖なコーラスが後ろで鳴ってて、そこにバンドサウンドと力強い歌詞が合わさったゴージャスな曲という印象です。
 "白い暗闇""黒いシャンデリラ"とか面白いワードもあるんですけど、それよりも"今は言える 永遠だと"というサビ終わりにくるワードが頭に残りました。人生というと大袈裟かもしれないけど、恋愛の先にある人生観的なものを草野マサムネ流に調理した曲なのかなと思ったり……サビの多幸感がすごい。
 壮大で聴き心地が良くて、ずっと聴いていられるような曲。


13.めぐりめぐって

 カウントから始まるアップテンポな曲。元々アルバムの一曲目にしようと思っていたというのを何かのインタビューで見たけど、最後の曲で良かったと思いました。ここまでの12曲分の感情が一気に解き放たれるような、アルバム通して、最終的にやっぱりスピッツに会いてえ!!ってなる曲ですよね。
 そして最後の曲がリスナーに向けての曲というのもにくい。こんなんみんな好きになるじゃん、みたいな。醒めないのこんにちはとかでも思いましたけど、ライブで聴きたい曲を最後に配置してくるのずるいよ。
 アルバムタイトルの"ひみつスタジオ"が歌詞に入ってたり、幸せを"デコポンの甘さ"と表現したり、素敵すぎて聴いたらふふっとなってしまう曲でした。
 ラスサビ前に一回テンポが変わったりするのも楽しくて、ライブで聴いたら盛り上がると同時に泣けちゃうんだろうなって思いました。
 アルバムを通して聴く意味が、この最後の曲のカタルシスの為にあると言っても過言ではないくらい気持ちよかった。



まとめ

 13曲まるっと書きました!まだ発売から数日だし聴き込めてはいないですが、初期衝動的な感想も残しておきたいと思い書いた次第です。
 書いている最中もずっと流していましたが、本当に良い曲ばかりで50分があっという間に終わってしまいます。
 全体的にきもかわいいアルバムになったとスピッツ自身は総評していましたが、キモい要素ってどこ?ってくらいかわいらしくて優しいアルバムだと思いました。

 スピッツの曲は日常に根差すことが多いというか、今日はスピッツ聴こう!とかではなく朝起きたら流すとか、何もない時間にすっと聴ける感じがすごく好きなんですけど(聴くのに体力が要らない的な)今回のアルバムも例に漏れず、朝一で聴いても日常に溶け込んできて一日頑張ろうって気持ちにさせてくれます。
 ありがとうスピッツ、一生元気で健康に良い曲をたくさん届けてくれると嬉しいです。あと、ライブのキャパ増やしてくれると嬉しいです。今回全然当たらなくないですか?ファンクラブ3回落ちて通常先行の一次も落ちて、今二次の結果待ちです。やばすんぎ。

 アルバム聴いちゃったから、行きたすぎるよ。

 では、とりとめのない文だったとは思いますが、ここまでご拝読ありがとうございました。
 また別のアーティスト含め、書きたいことがある都度書いていこうと思うのでよろしくお願いします。
 ほんじゃまた!

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