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人の車と虚栄心

クルマほど、その人の稼ぎをアピールしやすいものはない。ブランドも車種も多くの人が認識しているので、皆がそのクルマの相場を想像できる。見る人に対し、乗るだけでマウンティングできる。

見た目も厳ついものを選べばもうそれは実際厳ついので周りには威圧感を与えることもできる。道を譲ってくれない人も譲ってくれるかもしれない。

実際、でっかいランクルに乗っている友達に、狭い道でクルマとすれ違うの(九州地方ではこれを「離合」という)大変じゃない?と聞いことがあるが、「あっちが止まってくれるからねw」と笑われた。

多くの保護者が一同に会する小学校のイベントともなれば、ランクル、アルファード、レクサスのなんかかっこいいやつ、メルセデスなどなどが堂々と並ぶ。

でっかいのう、でっかいのう。

アルファードなんて向かい合ってたらもう睨み合ってる2頭のライオンのようだ。おおこわ。その隙間に停められた私の愛車は、肩をすくめて申し訳なさそうである。

参観日、短パンTシャツにサンダルでも、頭がプリンみたいに染まってても、そんな高級車に乗って帰っていくのを見て脱力してしまう。一方、キチンとした身なりの方が型落ちのファミリーカーから降りてくると、勝手に親近感を覚える。

うーん、クルマに何百万も使うんだったら教育や旅行、リフォームなんかに使いたいけどな。どっちかというと小さいクルマの方が好きだし、日本の道路事情には軽自動車が最適だと常に思っている。実際九州内は軽で移動したいくらいで、日々の移動はほぼ軽で行っている。

しかし私のことだから「車に興味がない」とか言いながら、金持ってたら乗りそうでもある。オフロードなんて走らないくせにゲレンデとか買いそう。どないやねん。

結局のところ価値観の問題なのは最初から分かっているんだけど、この歳にもなって卑屈な虚栄心フィルタを心に持つ私の見えない敵との戦いは、これからも続くのである。

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