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愛すべきセレンディピティは何処へ~緊急事態宣言の中で~

もやもやした夜は・・・

その昔、夜間徘徊をするのが癖だった。どうしても寝られなかったり、もやもやが究極に高まった時に、京都や大阪の街を歩き回った。

京都でいえば、よく行ったのは、安井金比羅宮。縁切り神社で知られており、中に入るとお札に覆われた禍々しさを放つ謎の石碑があって、潜ると悪縁が切れると言われている。

金毘羅宮にある絵馬には、色々な人が日々感じる不満・不平・誰かを呪う言葉で溢れている。上司や会社の悪口なら可愛い方で、不倫相手の離婚を願うものや、家族への憎悪なども書かれている。趣味が悪いかもしれないが、色々な人のネガティブな感情を見ているうちに、自分のもやもやが相対的に小さくなっていった。

大阪では深夜、石を思い切り蹴ったら、橋に靴(4万)が吸い込まれた。

代わりにドンキで買った革靴は今でもたまに使っている

立ち飲み屋での刹那的な出会い

一番効果的だったのは、夜の木屋町の立ち飲み屋でたまたま出会った人たちとの刹那的な出会い。自分のもやもやを話せば、職業謎のおじさんからは家族の悩みが、妖美なお姉さんからは彼氏の悩みが、帰ってきた。みんな何かを悩んでいて、そんな中でも生きている。人が苦手と思っていた自分に、知らない人と話すことの楽しさを教えてくれた。自分の頭の中の世界以外は広がっていて、自分がまだ見ぬ出会い・感情があることを教えてくれた。

緊急事態宣言の中で

昨日(2021年1月7日)、首都圏では緊急事態宣言が出され、まもなく関西でも出さそう。これ自体への是非は置いておいて、もやもやの解消をどこに求めたらいいんだろう。知り合いとの電話、オンラインイベント、マッチングアプリ、機会は色々あるけど、そこには偶然性が欠けている。僕が愛する偶然性は、誰もが意図していなかった、でも今出会うべくして会ったなって感じられる出会いだ。

こんな出会いを表現する言葉に、"セレンディピティ"がある。

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オンラインは良くも悪くも目的を明確にしないといけないし、なんとなく同じような人が集まるし、隣にいる知らない人と話すとかもない。唯一ありそうなのは、オンラインゲームかなという気がしているのだけど、もやもやを話すには結構な時間がかかりそうだなと思ってしまったり。

どうすればオンラインの世界に、セレンディピティを作れるんだろうか。もっとセレンディピティを分解してみて、それを生み出す要因を分析して、セレディピティが生まれるサービスを作ることが、自分の宿題というか、自分を救ってくれる気がする。

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