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2022年映画ベスト10

遅ればせながら、2022年映画ベスト10をnoteいたします。
ほぼFilmarksの引用ではありますが。
2022年も国内興行収入の1位から5位中4つをアニメが占める(ONE PIECE / コナン / SLUM DANK / すずめの戸締り)という、変わらないアニメ大国っぷりを発揮しつつ、トップガンが135億をマークし2位に躍り出るというボヘミアン・ラプソディ以来とも思える洋画実写の盛り上がりが印象的でした。

第10位:TITANE

期待値天元突破してた「RAW」監督の新作にしてパルムドール受賞作です。
ちなみに「RAW」は公開年の個人的ベスト映画でした。

一つの映画内で犯すタブー数で競い合ってでもいるのかってくらい期待値通りの悪趣味描写が次々炸裂。期待値通りに序盤数分で理解も倫理観も置いてけぼり。主人公含めまともな奴などおらず、濃厚接触のオンパレード。終盤の頭悪すぎる謎なモッシュ描写をはじめ、ちょいちょい飛び出すシュールすぎる描写ににやりとしたり。

美しい人体が徐々に壊れてく描写は素晴らしくゾクゾクしたものの、全体的には正直RAWのが上でした。結構中盤だれてたし。と思ったのですが、ラストシーンはやはりまた強烈に脳裏に焼き付いて、それだけでもやっぱ観て良かったなあ感。RAWといい、印象的なラストの作り方が病的にうまいです。

第9位:ザ ・メニュー

期待値ガン上げで行ったアニャ・テイラー=ジョイ主演新作スリラー。

「孤島にある予約の取れないレストランに行ったらそこで恐ろしい事が起きる」という日本の某寓話を想起させるワクワクなプロットにアニャ嬢がはまり役でした。

目まぐるしく舞台が移り変わるラスト・ナイト・イン・ソーホーとは異なりこちらは基本舞台はレストラン内のみ。次は何が起きるのか?という嫌な意味でのワクワク感と繰り出されまくる皮肉たっぷりなブラックジョークが小気味良かったです。

レイフ・ファインズ演じるシェフも良かったのですが個人的にはホン・チャウ演じるエルサのが怖かった印象。ちょっと期待しすぎたのか、もう一捻りあっても良かった気がしますが、いい映画でした。
(そんなアニャ嬢がロバート・エガース監督と再びタッグを組むTHE NORTHMANがもうすぐ公開です‥ワクワク)

第8位:女っ気なし

作り出す世界観が大好きなギョーム・ブラック監督。この時は短編・遭難者とともに鑑賞。よくもここまで冴えない演技ができるものだ、ということ人を見つけてきた冴えない男のひと夏のロマンス。奔放なシングルマザーと内気な一人娘と出会う、ボーイ・ミーツ・ガールならぬオッサン・ミーツ・トゥー・レディーズ。

オッサンの理想を詰め込んだみたいなストーリー展開。クソ冴えないし悪手踏みまくるけど底抜けに優しくてお節介。にしても終始とにかく髪が気になる。髪が。あとポロシャツは妙な似合い方してた気がする。

にしてもこの親子、こんな奔放に僻地でヴァカンスしてたら普通に危険だろ、、て思ってしまうのですが(事実危ない人たちわらわらよってきてるし)フランスの郊外って案外大丈夫なのかしら。この人の映画見るといつも旅行に行きたくなるから困る。

第7位:トップガン マーヴェリック

36年の時を経て空前絶後の社会現象を巻き起こしたトム・クルーズ最新作。近年、過去の名作のリブート(再始動)が多いですが、その中で断トツの成功を収めたのではないでしょうか。実は『トップガン』を観たことなかったので(これに限らずアクションは有名どころでも観てないの多い)配信で予習してから鑑賞しました。

トム・クルーズがもう全シーンイケメンすぎの名言多すぎのでここまでカッコ良すぎるともう素直にカッコいいしかいえないですね。そんなトムさんがIQ10くらいになるナンパシーンがオリジナル版で一番好きなシーンだったんですが今回も相変わらず突然アホになるシーンがあって良かったです。

ということで文句のつけようなどないのですが、完全に個人的に後半がちょっとやりすぎな感を感じてしまったのも事実。

第6位:ハケンアニメ!

2022年邦画ダークホース枠。最終興行収入がちょっとわかりませんが10億円は突破したようで、独立系の配給としては異例なのではないでしょうか。そもそも公開当初、公開館数少なすぎでしたし。「カメラを止めるな!」しかり、このような事例はうれしいですね。

細かいところのツッコミどころを挙げたらそらキリないし、この手のが真新しいかと言われたらバクマン!はじめいくらでもあるっちゃあるのだろうけど、少なからずもの・サービスをクリエイトする立場でずっと働いてる身からすると、少なくともここ最近の邦画ではダントツにブッ刺さりました。あとド失礼ながら吉岡里帆を完全になめてた。

登場人物がここまで揃って魅力的な映画も珍しい。むしろ序盤は主人公にイライラしてた(皆そうなのかしら?)多少リアリティがなくったっていいじゃないか、映画の中でくらい。少なくとも自分にはこの映画は「刺さった。」

第5位:きさらぎ駅

2022年邦画ダークホース枠セカンド(すいません、嘘です)

最近やにわに流行りのネット発読み人知らずなオカルト話を(好き勝手に)改変して映画にするシリーズ。元ネタの「きさらぎ駅」がこの手のオカルト話の中で個人的に一番好きなので地雷覚悟で鑑賞。

したらもう完全にいい意味で予想を裏切られました。予算少ねえしもうやりたい放題やるわとでも言わんばかりの知恵と悪ふざけの嵐。さながら「カメラを止めるな」を想起させるかのような想定の斜め上の展開が連発。クッソ笑ったしクッソ爽快感あった。とにかくヒロインの女子大生が最高でした。いやあ、、いいものみました。

この手の読み人知らずシリーズで一番成功(?)している「村」シリーズについてはまだ見ていません。興味はあるのですけど‥。

第4位:RRR

筋肉とダンスの過剰供給がすぎるインド映画『RRR』を鑑賞。バーフバリしかり、血湧き肉躍るという言葉は彼らのためにありますね。何やら続編も決定したような様子でおめでとうございます。

徹頭徹尾歌って踊ってブン殴る爽快度MAXな出来。戦闘力異常なインド人とインド人が友情を育みつつお互いの立場で宿命の対決をしつつ、最終的には全部筋肉でなんとかしてくれる3時間。中盤の謎のダンスバトルは久々に映画館で涙出るほど笑いました。

大英帝国の圧政と抵抗という重いテーマなはずなのに↑な感じなので悲壮感を感じる隙もなく終始ハイテンションに進むわけですが、ビームが絞り出した「白人の女も子供を産むんだよな?(子供を失う)痛みがわかるはずだろう?」というセリフは、やはり刺さるところがあった。本国の方々はどういう印象でこの映画を見ているんだろうこれ…。

ただやっぱ3時間は長え。途中のInterrrval!! て出たので休めると思ったら1秒も休まないで後半突入してのはアホなのかなと思いました。

第3位:スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

正直映画として面白いかとかプロットがきちんとしているかというとそこまででもないのだけど(言ってしまえばDr.ストレンジのやらかしをみんなで一所懸命何とかするだけの話だし)ここまで観たいものを魅せてくれるシリーズは中々ないし、ありえないと勝手にリミットを視聴者側で定めるところを平然と飛び越えてくるからなんだかんだMCUシリーズから離れられないんだよな、という感覚でした。親愛なる隣人万歳。

余談ですがMCUシリーズで一番好きなのは「アベンジャーズ:シビル・ウォー」です。次は「アイアンマン(第1作目)」。

第2位:マッドゴッド

スター・ウォーズシリーズを代表として数多くの作品の特殊効果を担当してきたフィル・ティペット氏が総製作期間30年(!)をかけて作り上げた狂気のストップ・モーション・アニメーション。

狂気とか天才とか、そういう感想が寒く聞こえる徹頭徹尾続く常軌を逸したビジュアルの波。地獄巡り?のようなストーリーですが、ストーリーは覚悟していた通り不条理の極みで常にDon't think, feelでのぞむしかない世界観。見るドラッグのなかに、たしかによーく見るとスター・ウォーズのモンスター・チェスと同質なクリエイティブが点在している気もする。うーん、、すごい!

映画館で落ち着いて観れてよかったです。しかし驚いたけども、この『マッド・ゴッド』プロジェクト、クラファンから始まってるんですね。

第1位:女神の継承

タイ発悪霊対決ホラー。
公開情報が出てから日本公開を待望し、日本公開決定してから公開を待望し、公開してから早く観に行きてえと待望し、やっと観れた。

いやこれはすごい!!期待していた「哭悲/The Sadness」が正直ちょっとヌルかったので、一切の容赦のない展開・描写に本当にしびれました。といいますか今までの悪霊対決ホラーモノの中でもかなり上位。「哭声」や「来る」みたいなもんを想像してたらそれどころの話ではなく、俺の好きなあれやこれやのホラー作品を全部ごった煮にしたようなアベンジャーズ的快作です。

徐々に不穏が忍び寄ってくる前半からそこまでやる!?と言う後半。それらの魅力を爆発させる撮影手法とアイデア。前半がちょっとテンポのろすぎるかなと言うところ以外は100恒河沙点です。こう言うのほんと大好きです。「エクソシスト」しかり「来る」しかりやはり悪霊は激強でインモラルであればあるほどワクワクしますね。毎年そういうのどこかの国が作ってほしいです。

まとめ

ということで2021年の「ライトハウス」に続いてまたもホラーが個人的1位となった2022年でした。世界の流れか、A24とアジアがすごいのか、とにかく最近ホラーがすごい。日本も続いてほしい。

国内の動きでいったらONE PIECE FILM REDの大ヒット(本日時点で190億こえ!)に本当に度肝を抜かされました。いわずと知れた長寿漫画ONE PIECEですが、今まで映画は50~60億規模だった気がしており、それがここにきて呪術廻戦やすずめの戸締まりを超えてNo.1ヒットするなんていったい誰が予想できたであろうか。Ado効果ももちろんあると思うのですが、何よりここまでジャンプNo.1の地位を30年近く守ってきた結果の一つと素直に称賛したいと思います。いや本当にすごい。

一方で不安なのが、今年の国内興行収入Top10 のうち9個が「長寿シリーズの続編」「ヒット作の続編」であり、まっとうにオリジナルといえるのは「すずめの戸締まり」だけなんですよね。「すずめの戸締まり」も言っては何ですが、「君の名は」による新海誠のネームバリューが興行収入の初回ブーストをけん引したのは間違いなく、そう考えると「完全新作」といえるのがなかなか生まれづらい環境になってきつつあるな・・と思っています。

・ONE PIECE
・コナン
・すずめの戸締まり
・SLUM DANK
・トップガン
・ジュラシックワールド
・キングダム2
・ファンタスティックビースト
・ミニオンズ
・シン・ウルトラマン

原作あり、ヒット作のリブート・続編、のほうがリスクが低いのは間違いないのですが、来年は「君の名は」のようなオリジナル大ヒット作品が出るといいな・・とこっそり期待しています。

↓Filmarksやってます。


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