ミック@アート好きのノート

人生を彩って豊かにする芸術に夢中になって、日々書き連ねています。アラフォーの男性です。…

ミック@アート好きのノート

人生を彩って豊かにする芸術に夢中になって、日々書き連ねています。アラフォーの男性です。 文学・音楽・絵画・映画を主に、ファッションや建築も。 芸術に関するエッセイや批評、創作の短編小説を定期的に更新中です。

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初めのご挨拶、簡易サイトマップと更新スケジュール

はじめに 皆さん、こんにちは。ミックと申します。これからこちらで、芸術についてのエッセイや批評、創作を定期的に発信していきたいと思います。 内容は、文学・音…

幸福の幻が揺れる -フラゴナールの絵画『ぶらんこ』の美しさ

【月曜日は絵画の日】 優れた絵画の中は、人類にとって、ある種のアイコンになったものがあります。 勿論その筆頭には、ダ・ヴィンチの『モナリザ』、『最後の晩…

幽玄な静謐さ -ブルース・コバーンの音楽の魅惑

【金曜日の音楽の日の代替です】 ギターを弾くシンガー・ソングライターの中には、ギター1本と歌声で、時にはオーケストラ以上の、深遠な音楽を紡ぎ出してしまう人…

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2024年5月のお礼と振り返り

【いつもの金曜日の音楽についての投稿は、今週は日曜日に代替します】 こんばんは、そして、こんにちは。ミックです。 今月もありがとうございました。初夏の割…

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【創作】駅の待合室で【スナップショット】

久々の外の空気は素晴らしいな ようやく戻って来れたんだね ああ ここでは空気が動いている 風で人が動いていることを感じるんだ 自分が生きていることを 実感する…

鏡の中の迷宮へ -ベラスケス『侍女たち』の謎

【月曜日は絵画の日】 絵画史に残る名作の中でも、謎めいていて、特別な作品がいくつか存在します。スペインの画家ベラスケスの17世紀の作品『侍女たち』は、その中…

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文学作品と絵画、両方のジャンルを高いレベルでこなせた芸術家はそう多くありません。ウィリアム・ブレイクは、そんな数少ない、詩人・画家です。 そして、彼の中で…

【創作】水霊の碁 第4話 星の船出

※前回はこちら 第4話 星の船出 4-1 大名人本因坊道策が三月に死去し、道知が本因坊家の跡を継いだ。五代目当主本因坊道知である。 だが、策侑は…

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【金曜日は音楽の日】 以前、私が面白く読んだ漫画に、新川直司の『四月は君の嘘』があります。 クラシック音楽を題材にして、アニメ化もしたこの作品。トラウマ…

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ポップな静寂 ―ジュリアン・オピーの風景画の魅力

【月曜日は絵画の日】 絵画には現実を装飾的に飾り立てていくタイプと、現実から何かを引いていくタイプがあると思っています。前者は枚挙に暇がないけど、後者は実…

初めのご挨拶、簡易サイトマップと更新スケジュール

初めのご挨拶、簡易サイトマップと更新スケジュール



はじめに

皆さん、こんにちは。ミックと申します。これからこちらで、芸術についてのエッセイや批評、創作を定期的に発信していきたいと思います。

内容は、文学・音楽・絵画・映画の四本柱を中心に、もしかしたらファッションや建築もたまに入るかもしれません。

どちらかといえば、古典と呼ばれる作品が好きな傾向があります。19世紀の小説やクラシック音楽、印象派の絵画や古典絵画・映画が主な守備範囲ですが

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幸福の幻が揺れる -フラゴナールの絵画『ぶらんこ』の美しさ

幸福の幻が揺れる -フラゴナールの絵画『ぶらんこ』の美しさ



【月曜日は絵画の日】


優れた絵画の中は、人類にとって、ある種のアイコンになったものがあります。

勿論その筆頭には、ダ・ヴィンチの『モナリザ』、『最後の晩餐』がありますし、ムンクの『叫び』も、何度もパロディが作られ、広く人口に膾炙している作品でしょう。

フランス・ロココの画家フラゴナールの『ぶらんこ』も、そんな作品の一つであり、しかも華やかさと儚さが同居した名作です。

(以

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幽玄な静謐さ -ブルース・コバーンの音楽の魅惑

幽玄な静謐さ -ブルース・コバーンの音楽の魅惑



【金曜日の音楽の日の代替です】


ギターを弾くシンガー・ソングライターの中には、ギター1本と歌声で、時にはオーケストラ以上の、深遠な音楽を紡ぎ出してしまう人がいます。

カナダのシンガー・ソングライター、ブルース・コバーンはそんな簡素で深甚な音楽を産み出せた、素晴らしいミュージシャンです。

ブルース・コバーンは、1954年、カナダのオタワ生まれ。小さい頃は聖歌隊に参加しつつ、ジャズも

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【創作】水霊の碁 第5話 決断の朝

【創作】水霊の碁 第5話 決断の朝

※前回はこちら


第5話 決断の朝


5-1



「大変でございます! 浪士たちが討入りをしたそうです!」

内弟子の一人の大声で、策侑は起こされた。雪の寒い朝だった。道知の寝所に向かうと、道知は既に起きていた。不安そうな顔で、大丈夫だろうかと尋ねる。

策侑は、既に各所に正確な状況を調べるよう言ってあった。ここに被害が及ぶことはないと思うと伝えて、道知の小さな手を握った。

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2024年5月のお礼と振り返り

2024年5月のお礼と振り返り



【いつもの金曜日の音楽についての投稿は、今週は日曜日に代替します】


こんばんは、そして、こんにちは。ミックです。

今月もありがとうございました。初夏の割と過ごしやすい空気の中で、毎日更新することが出来ました。

皆さんが読んでくださって、モチベーション高く書くことが出来ています。

記事への反応も多くなってきて、とても嬉しいです。いつも、本当にありがとうございます。

月末

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疾走する若さ -傑作映画『出発』の美しさ

疾走する若さ -傑作映画『出発』の美しさ



【木曜日は映画の日】


青春映画の美しさの一つは、「期限」があることだと思っています。

終わりは決められている。終わりを分かっているからこそ、そこまでの時間が大切で、甘美に感じる。

ポーランドの映画監督、イエジー・スコリモフスキが、ベルギーで撮影した1967年の映画『出発』は、そんな時間の甘美さと終わりの痛切さを鮮烈に描いた作品の一つです。

ブリュッセルの美容師見習いの青年

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こぼれた愛を繋ぎ合わせる -名作小説『ペドロ・パラモ』の魅力

こぼれた愛を繋ぎ合わせる -名作小説『ペドロ・パラモ』の魅力



【水曜日は文学の日】


ディズニー/ピクサー映画の『リメンバー・ミー』を観た時、メキシコの、死者と生者が同居している描写に、どこか懐かしさを覚えました。


それは、同じメキシコの小説家、ファン・ルルフォの小説『ペドロ・パラモ』に、長年親しんでいたからでした。

その小説の、死と生、お祭り騒ぎと突発的な暴力が常に隣にあるような世界は『リメンバー・ミー』の奥底にあるように感じます。

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【創作】駅の待合室で【スナップショット】

【創作】駅の待合室で【スナップショット】



久々の外の空気は素晴らしいな

ようやく戻って来れたんだね

ああ
ここでは空気が動いている
風で人が動いていることを感じるんだ
自分が生きていることを
実感するよ

言おうかどうか迷っていたけど
あの人はやっぱり無罪になりそう

そうだろうね
もう判決があって
僕が収監されたのだから
覆ることはもうないだろう

でも、何かの可能性が

いや、もういいんだ
僕はこれからの自分の

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鏡の中の迷宮へ -ベラスケス『侍女たち』の謎

鏡の中の迷宮へ -ベラスケス『侍女たち』の謎


【月曜日は絵画の日】


絵画史に残る名作の中でも、謎めいていて、特別な作品がいくつか存在します。スペインの画家ベラスケスの17世紀の作品『侍女たち』は、その中でも特別な一つでしょう。

見れば見るほど不思議な魅力が出てくる。まさに、人類の至宝の一つです。

ディエゴ・ベラスケスは1599年、スペインのセビージャ生まれ。10代の頃から、絵画の才能を発揮し、20代でスペイン国王フェリペ4世

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言葉の炎がゆらめく -ウィリアム・ブレイクの詩と絵画の魅惑

言葉の炎がゆらめく -ウィリアム・ブレイクの詩と絵画の魅惑



文学作品と絵画、両方のジャンルを高いレベルでこなせた芸術家はそう多くありません。ウィリアム・ブレイクは、そんな数少ない、詩人・画家です。

そして、彼の中で、この二つは緊密に結びついています。どちらかが余技ではない。ある意味、どのジャンルにも属さない、稀な芸術となっています。

ウィリアム・ブレイクは、1757年、イギリスのロンドン生まれ。幼い頃から絵画の才能を発揮し、版画家の元で学んで

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【創作】水霊の碁 第4話 星の船出

【創作】水霊の碁 第4話 星の船出



※前回はこちら





第4話 星の船出


4-1



大名人本因坊道策が三月に死去し、道知が本因坊家の跡を継いだ。五代目当主本因坊道知である。

だが、策侑は、三か月前の道策の遺言の衝撃から覚めることができないでいた。


因碩に迫ったあの道策の目。証文を書いている時の、因碩の震えている背中。

衆人環視の状況下であれば、軽々しくその言葉も証文も破ることはできない。因

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デュオの魅力 -音楽で対話することの良さ

デュオの魅力 -音楽で対話することの良さ



【金曜日は音楽の日】


以前、私が面白く読んだ漫画に、新川直司の『四月は君の嘘』があります。

クラシック音楽を題材にして、アニメ化もしたこの作品。トラウマを抱えて弾けなくなった、元天才ピアニストの少年と、天真爛漫な凄腕ヴァイオリニストの少女の物語です。


興味深いのは、この作品がオーケストラでなく、ソリストでもなく、デュオを題材にしていることです。

オーケストラであれば、集

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水の迷宮でつかまえて -映画で観るヴェネツィア

水の迷宮でつかまえて -映画で観るヴェネツィア


【木曜日は映画の日】


私が熱望してもまだ行ったことのない都市に、ヴェネツィアがあります。なぜそこが私を惹きつけるかと言えば、水に接している都市だからです。

家々の並びのすぐそばに川と橋が張り巡らされ、ゴンドラで行き来し、都市全体が海を臨む。それは、通常の都市とは違う、魅惑的なイメージがあります。

都市全体が文字通り水に浸かった、水の迷宮のようなイメージです。

以前、ヴェネツィア

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幻想を報告せよ -公務員カフカの冒険

幻想を報告せよ -公務員カフカの冒険


【水曜日は文学の日】


ある朝、普通のサラリーマンが毒虫になってしまう小説『変身』で名高い小説家フランツ・カフカは、本当に不思議な「ありよう」の作家です。

個人的に興味深い作品は何個かあれど、なぜここまで研究者から読者まで、惹きつけてやまないのか、ちょっと驚くようなところがあります。

私が今興味があるのは、彼の「生き方」と「書き方」です。

それは、一見新奇なようでいて、実は、

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【創作】女王の庭園にて【スナップショット】

【創作】女王の庭園にて【スナップショット】


ああ、何と良く晴れた
気持ちいい日でしょう

お体は大丈夫でしょうか

ええ
退位前にどうしても
あなたに会っておきたくて

わたくしが次の女王などと
数日前までは思ってもいませんでした

物事とはそのようなものです
ある一日、ある瞬間が重要になって
人生は変わることもある
あなたがこれから身を置く世界は特にそう
偶然の組み合わせで
全てが変わる
それを神の思し召しと考えてもよいけど

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ポップな静寂 ―ジュリアン・オピーの風景画の魅力

ポップな静寂 ―ジュリアン・オピーの風景画の魅力


【月曜日は絵画の日】


絵画には現実を装飾的に飾り立てていくタイプと、現実から何かを引いていくタイプがあると思っています。前者は枚挙に暇がないけど、後者は実は結構珍しい。

イギリスの現代アーティスト、ジュリアン・オピーは、そんな「マイナス計算」による優れたアートを作る一人です。ポップな人物画で知られますが、彼の風景画には、現実の要素を引いて言った美しい静寂があります。



ジュリ

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