記事一覧
幽玄な静謐さ -ブルース・コバーンの音楽の魅惑
【金曜日の音楽の日の代替です】
ギターを弾くシンガー・ソングライターの中には、ギター1本と歌声で、時にはオーケストラ以上の、深遠な音楽を紡ぎ出してしまう人がいます。
カナダのシンガー・ソングライター、ブルース・コバーンはそんな簡素で深甚な音楽を産み出せた、素晴らしいミュージシャンです。
ブルース・コバーンは、1954年、カナダのオタワ生まれ。小さい頃は聖歌隊に参加しつつ、ジャズも
2024年5月のお礼と振り返り
【いつもの金曜日の音楽についての投稿は、今週は日曜日に代替します】
こんばんは、そして、こんにちは。ミックです。
今月もありがとうございました。初夏の割と過ごしやすい空気の中で、毎日更新することが出来ました。
皆さんが読んでくださって、モチベーション高く書くことが出来ています。
記事への反応も多くなってきて、とても嬉しいです。いつも、本当にありがとうございます。
月末
疾走する若さ -傑作映画『出発』の美しさ
【木曜日は映画の日】
青春映画の美しさの一つは、「期限」があることだと思っています。
終わりは決められている。終わりを分かっているからこそ、そこまでの時間が大切で、甘美に感じる。
ポーランドの映画監督、イエジー・スコリモフスキが、ベルギーで撮影した1967年の映画『出発』は、そんな時間の甘美さと終わりの痛切さを鮮烈に描いた作品の一つです。
ブリュッセルの美容師見習いの青年
こぼれた愛を繋ぎ合わせる -名作小説『ペドロ・パラモ』の魅力
【水曜日は文学の日】
ディズニー/ピクサー映画の『リメンバー・ミー』を観た時、メキシコの、死者と生者が同居している描写に、どこか懐かしさを覚えました。
それは、同じメキシコの小説家、ファン・ルルフォの小説『ペドロ・パラモ』に、長年親しんでいたからでした。
その小説の、死と生、お祭り騒ぎと突発的な暴力が常に隣にあるような世界は『リメンバー・ミー』の奥底にあるように感じます。
【創作】駅の待合室で【スナップショット】
久々の外の空気は素晴らしいな
ようやく戻って来れたんだね
ああ
ここでは空気が動いている
風で人が動いていることを感じるんだ
自分が生きていることを
実感するよ
言おうかどうか迷っていたけど
あの人はやっぱり無罪になりそう
そうだろうね
もう判決があって
僕が収監されたのだから
覆ることはもうないだろう
でも、何かの可能性が
いや、もういいんだ
僕はこれからの自分の
【創作】女王の庭園にて【スナップショット】
ああ、何と良く晴れた
気持ちいい日でしょう
お体は大丈夫でしょうか
ええ
退位前にどうしても
あなたに会っておきたくて
わたくしが次の女王などと
数日前までは思ってもいませんでした
物事とはそのようなものです
ある一日、ある瞬間が重要になって
人生は変わることもある
あなたがこれから身を置く世界は特にそう
偶然の組み合わせで
全てが変わる
それを神の思し召しと考えてもよいけど