中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの…

中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの調理師であり介護食士です。介護職員初任者研修終了しています。近隣のカルチャーセンターなどで介護食(ユニバーサルレシピ)を教える講座を開いています。 https://tabegoro.club

マガジン

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.2

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。特典として各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.1

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

記事一覧

固定された記事

特別ではない介護食

介護施設で調理師として仕事をしていますと、本当に様々なタイプのオーダーが入ります。基本的には「刻み食」「ミキサー食」「普通食」の三種類なのですが、刻み食の中にも…

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介護食レシピ「鶏胸肉のフリッター オーロラソース」

鶏胸肉のフリッターをご紹介します。今回は肉には味つけせずに別で作るソースを付けていただくレシピです。肉を包丁でしっかり叩いてから揚げますので、歯の悪いお年寄りに…

中嶋洋二郎
16時間前
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死ぬこと生きること食べること

一般のニュースではあまり流れないのですが、老人向けの施設で食べ物を喉に詰めて亡くなる事故は全国でそれなりに発生していると思います。 そうした事故で亡くなった方の…

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介護食レシピ「タラのフレッシュトマト煮」

タラや鯛などの白身の魚は加熱しても身が硬くならないので歯の悪いお年寄りにも食べやすい魚です。今回はタラをフレッシュのトマトと一緒に軽い煮込みにします。そのまま食…

20

冷蔵庫での食材の保存について

これから季節はどんどん高温多湿に向かっていくわけですが、食材を冷蔵庫で保存する際に知っておくと良い知識を少しまとめてみました。 野菜室やチルド室が付いた家族向け…

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介護食レシピ「豆腐とツナの卵丼」

甘辛い味つけと良く合うツナを豆腐と一緒に卵でとじた丼です。ツナだけ、豆腐だけでも美味しく出来ますし、ツナの代わりにシラスや豆腐の代わりに薄揚げなどでもいいかと思…

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お年寄りの味覚

人間は加齢と共に、舌で感じる味の感度も鈍くなることをご存知でしょうか。 特に塩味については20代の若者と75歳以上の老人とでは4倍以上の感度の差があるとされています…

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介護食レシピ「豆腐とトマトの唐揚げ風ステーキ」

木綿豆腐にから揚げ粉をはたいてフライパンで焼くだけの、簡単ですがしっかりとおかずになるレシピです。から揚げ粉は水に溶くタイプではなく、粉を付けてそのまま揚げるタ…

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歳をとったら医者と上手につきあおう

施設で暮らすお年寄りが体調を崩すと、そのまま提携先の病院に入院する事が普通です。 入院期間は長い人もあればすぐに帰ってくる人も居てケースバイケースですが、多くの…

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介護食レシピ「茹で大根の梅しそ和え」

大根の和え物ですが、歯の悪いお年寄りにも食べやすいように軽く茹でてから和え物にします。もちろん生の大根でそのまま和えていただいても問題ありませんのでお好みで。 …

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閑話休題「色々と終わりを迎える時代の中で」

資本主義の悪い面の象徴の様に言われるバブル時代ですが、私はあの時代の空気感は結構好きでした。 確かに老いも若きも濡れ手に粟の誘惑に踊らされたおかしな時代ではあり…

中嶋洋二郎
10日前
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介護食レシピ「生春巻き(ライスペーパー)」

今回はレシピとして特にご紹介する内容ではないのですが、お箸が使えなくなったお年寄りがフォークや手づかみでそのまま口に運べる工夫として、生春巻きの皮を使う事が出来…

中嶋洋二郎
11日前
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閑話休題「ガンという病について」

平均寿命が延びるにつれて、ガンで死ぬ人が増え続けています。 最近では3人に1人がガンで死ぬなどとも言われていますが、こうなるとガンという病は老化現象のひとつと言っ…

中嶋洋二郎
13日前
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介護食レシピ「ジャガイモのすり流し」

すり流しは和食の技法のひとつですが、野菜を摺り下ろして出汁で炊けば和風のポタージュスープになります。ジャガイモなど澱粉を含んだ野菜で作れば適度にトロミもついて、…

中嶋洋二郎
2週間前
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大きなお世話と高齢化社会

先日Xの投稿を見ていましたら、若い人の投稿だと思うのですが「70歳過ぎても働いている人を見て可哀想と思わないのか」というのがありました。 別の投稿では、「本来なら…

中嶋洋二郎
2週間前
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介護食レシピ「大豆とタラのスープ」

最近はスーパーで大豆の水煮や蒸し大豆をよく見かけるようになりました。大豆は良いタンパク源であると同時に、大豆イソフラボンを含みますので、特に更年期を迎えた女性は…

中嶋洋二郎
2週間前
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固定された記事

特別ではない介護食

介護施設で調理師として仕事をしていますと、本当に様々なタイプのオーダーが入ります。基本的には「刻み食」「ミキサー食」「普通食」の三種類なのですが、刻み食の中にも「粗刻み」や「極刻み」など色々ありますし、刻んだうえでトロミを付ける「刻みトロミ食」なんかもあります。これはその施設によって色々に設定されていて、一律に決まっているわけではありません。私の経験したちょっと変わったオーダーは、主食のご飯は「おもゆ」の指定なのにおかずは全部普通食というのもありました。 施設の場合はこんな

介護食レシピ「鶏胸肉のフリッター オーロラソース」

鶏胸肉のフリッターをご紹介します。今回は肉には味つけせずに別で作るソースを付けていただくレシピです。肉を包丁でしっかり叩いてから揚げますので、歯の悪いお年寄りにも食べやすく仕上がります。更にマヨネーズベースのソースを掛けることで嚥下の悪いお年寄りにも食べやすいしっとりとした食感になります。子供からお年寄りまで一緒に食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:30分 材料:4人前 鶏胸肉…400g

死ぬこと生きること食べること

一般のニュースではあまり流れないのですが、老人向けの施設で食べ物を喉に詰めて亡くなる事故は全国でそれなりに発生していると思います。 そうした事故で亡くなった方の遺族が施設を訴えるケースが時々ありまして、その判決は私の知る限りでは全て施設側に責任があるといった判決ばかりです。 民事訴訟ですので、施設の誰かが逮捕されるといった話しではありませんが、お年寄りを預かる施設が、食事中の喉詰め事故に過剰に神経質になるのはこうした背景があるからです。 つい先日もそういった訴訟の判決を

介護食レシピ「タラのフレッシュトマト煮」

タラや鯛などの白身の魚は加熱しても身が硬くならないので歯の悪いお年寄りにも食べやすい魚です。今回はタラをフレッシュのトマトと一緒に軽い煮込みにします。そのまま食べてもいいですし、細目のパスタと一緒に食べても美味しいです。少ない材料で出来るちょっとオシャレなユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:20分 材料:2人前 タラ切り身…2切れ(約200g) トマト(大)…1個 ニンニク…1かけ 大葉…5枚

冷蔵庫での食材の保存について

これから季節はどんどん高温多湿に向かっていくわけですが、食材を冷蔵庫で保存する際に知っておくと良い知識を少しまとめてみました。 野菜室やチルド室が付いた家族向けの冷蔵庫を想定してお話しします。 通常冷蔵庫のドアを開けるとサイズにもよりますが、上段・中段・下段と三段階程度には別れていると思います。 この場合、上段がやや高めの温度になるのに対して、冷気の吹き出し口がある中段から下がそれより低めの温度になります。 これは上段と中段に手を入れて感じてみても分かると思います。

介護食レシピ「豆腐とツナの卵丼」

甘辛い味つけと良く合うツナを豆腐と一緒に卵でとじた丼です。ツナだけ、豆腐だけでも美味しく出来ますし、ツナの代わりにシラスや豆腐の代わりに薄揚げなどでもいいかと思います。冷蔵庫の余り物や保存食でパパッと作る丼物です。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:1〜2人前 豆腐…150g(1/2丁) ツナ(缶詰)…1缶(70g) 卵…2個 刻みネギ…適量 A 水…100cc 顆粒ダシの素…小さじ1/2 醤油

お年寄りの味覚

人間は加齢と共に、舌で感じる味の感度も鈍くなることをご存知でしょうか。 特に塩味については20代の若者と75歳以上の老人とでは4倍以上の感度の差があるとされています。 つまり若い人なら1gの塩で塩味を感じるのが75歳以上の高齢者は同じ塩味を感じるのに塩が4g以上必要という理屈になります。 ただ、ひとくくりに75歳以上といっても、高齢者の場合は個人差がとても大きいですので、あくまでも参考程度の話しです。 実際に高齢者の施設で調理の仕事をしていても、味が薄いからもっと濃く

介護食レシピ「豆腐とトマトの唐揚げ風ステーキ」

木綿豆腐にから揚げ粉をはたいてフライパンで焼くだけの、簡単ですがしっかりとおかずになるレシピです。から揚げ粉は水に溶くタイプではなく、粉を付けてそのまま揚げるタイプのモノを使って下さい。今回は日清製粉のから揚げ粉を使って作りました。 一緒にトマトもサッと焼いて添えましたが、トマトにはから揚げ粉はつけずにそのまま焼き、最後に醤油を少しだけ垂らして仕上げます。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:1〜2人前 木綿

歳をとったら医者と上手につきあおう

施設で暮らすお年寄りが体調を崩すと、そのまま提携先の病院に入院する事が普通です。 入院期間は長い人もあればすぐに帰ってくる人も居てケースバイケースですが、多くのお年寄りは入院前よりも元気を無くして帰ってきます。 食事面で言うと、入院前は普通食だった人が退院後は刻み食になるといった様に、良くない方向に変化して帰ってくる事が実際にとても多いです。 ただ、施設に戻ってきてしばらくすると又以前の普通食に戻ったりする事もありますので、そういったお年寄りにとって、一体どこを治しに入

介護食レシピ「茹で大根の梅しそ和え」

大根の和え物ですが、歯の悪いお年寄りにも食べやすいように軽く茹でてから和え物にします。もちろん生の大根でそのまま和えていただいても問題ありませんのでお好みで。 味つけは使う梅干しによって変わりますので、分量はあくまで参考までに。今回使った梅干しは塩分20%で漬け込んだ無添加の梅干しを使いました。市販のチューブ入り梅ペーストなどを使う場合は一度味を見てから醤油など足すようにして下さい。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:15分

閑話休題「色々と終わりを迎える時代の中で」

資本主義の悪い面の象徴の様に言われるバブル時代ですが、私はあの時代の空気感は結構好きでした。 確かに老いも若きも濡れ手に粟の誘惑に踊らされたおかしな時代ではありましたが、少なくとも希望はありました。 そのバブルもあまり頭の良くないやり方で強制的に終了となり、その後は今に続く衰退への道をまっしぐらに進んで来たわけですが、ここへきてまさに正念場と言えるほどの大転換点にさしかかっていると感じます。 まあ、料理人の私が経済の事を書いても仕方ないので書きませんが、あまり明るい未来

介護食レシピ「生春巻き(ライスペーパー)」

今回はレシピとして特にご紹介する内容ではないのですが、お箸が使えなくなったお年寄りがフォークや手づかみでそのまま口に運べる工夫として、生春巻きの皮を使う事が出来るというご紹介です。 生春巻きはライスペーパーという名前でも売っていますが、タピオカでん粉が入っている事もあり、割とモッチリとしていますので、お年寄りに提供する場合は無理のない範囲で試してみて下さい。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料 生春巻きの皮…

閑話休題「ガンという病について」

平均寿命が延びるにつれて、ガンで死ぬ人が増え続けています。 最近では3人に1人がガンで死ぬなどとも言われていますが、こうなるとガンという病は老化現象のひとつと言ってもいいかもしれません。 私の家族の場合、母は74歳で大腸ガンで亡くなりましたし、姉は膵臓癌で亡くなりました。61歳でした。 父も膵臓癌でしたが、年齢が84歳でしたから、これはまあ充分に生きたと思っています。 母が大腸ガンで亡くなった後に、一度自分も大腸の検査を受けたことがありまして、その時に特大のポリープが

介護食レシピ「ジャガイモのすり流し」

すり流しは和食の技法のひとつですが、野菜を摺り下ろして出汁で炊けば和風のポタージュスープになります。ジャガイモなど澱粉を含んだ野菜で作れば適度にトロミもついて、嚥下の悪いお年寄りにも食べやすい汁物になります。とても簡単で手早く出来ますから忙しい介護生活で頭に入れておくと便利な料理です。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:2人前 ジャガイモ…中2個 水…300cc 顆粒コンソメ…小さじ1 作り方 ジャガ

大きなお世話と高齢化社会

先日Xの投稿を見ていましたら、若い人の投稿だと思うのですが「70歳過ぎても働いている人を見て可哀想と思わないのか」というのがありました。 別の投稿では、「本来なら孫に囲まれてのんびりしているはずの人を働かして良いのか」といった投稿もありました。 これって、そこそこ高齢の私から言わせてもらえれば、ただの大きなお世話です。 70歳を過ぎて働いている人が可哀想かと聞かれれば、それは人によりけりですし、働いている人は働きたくて働いているのかもしれず、一律に可哀想と決めつけるのは

介護食レシピ「大豆とタラのスープ」

最近はスーパーで大豆の水煮や蒸し大豆をよく見かけるようになりました。大豆は良いタンパク源であると同時に、大豆イソフラボンを含みますので、特に更年期を迎えた女性は積極的に摂りたい食材です。今回はタラの切り身にニンニクとトマトもプラスしてスペイン風のスープに仕立てました。 そのままスープとして食べてもいいですし、スープパスタにしても美味しいと思います。子供からお年寄りまで一緒に食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。