横川良明

フリーライター。演劇・テレビドラマ・映画まで幅広く取材。著書に『自分が嫌いなまま生きて…

横川良明

フリーライター。演劇・テレビドラマ・映画まで幅広く取材。著書に『自分が嫌いなまま生きていってもいいですか?』(講談社)、『人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた』(サンマーク出版)、『役者たちの現在地』(KADOKAWA)。

マガジン

  • ライター・横川良明のテレビドラマ雑感

    テレビドラマの感想などを気の向くままに書いています。

  • ライター・横川良明の演劇雑感

    演劇の感想などを気の向くままに書いています。重大なネタバレを含む感想記事については有料公開とさせていただきます。ご容赦ください。

  • ひとりぼっちで戦い続ける僕たちは。

    32歳、人生をこじらせた男のひとりごと。

最近の記事

春田と牧の結婚式に参列しました。

結婚式の次の日って、ちょっと夢見心地で、ぼんやりしている。気の抜けた炭酸のような、冷蔵庫の中に眠ったままのチョコレートケーキのような、パーティーが終わったあとの、非日常と日常の間(あわい)にいる気分。 身内でも友達でもない、ドラマの中の架空の人物の結婚式で、こんな気持ちになってしまうなんて、やっぱり『おっさんずラブ』はすごい。 昨日、春田と牧が結婚式を挙げたーー。 何年も、ずっと、ずっと、待ち侘びていた景色だった。 タキシード姿の春田と牧が手をつないでバージンロードを

    • なぜ春田と牧は田中圭さんと林遣都さんでなければならないのか、奇跡の組み合わせの所以を考えたオタクの2529文字。

      いや、もう今さら言うことでもないんですけど、改めて思ったので声を大にして申し上げます。 春田と牧が、田中圭さんと林遣都さんでよかった!!!! よかった、というか、この二人以外考えられない。なぜ『おっさんずラブ』がこれだけの熱狂を生み出したのか。春田と牧が伝説になり得たのか。他のキャストやスタッフのみなさんのお力ももちろん偉大なのですが、突きつめるならば、やっぱり田中圭さんと林遣都さんが演じたから。それ以外の理由は思い浮かばないです。 演技力の高さとか、あっさり顔の田中圭

      • 気づいたら武川さんがえらいことになっているので、そろそろ武川さんの幸せを願う会とか発足したい。

        数多の不安を吹き飛ばし、2018年と変わらない面白さと温かさを届けてくれる『おっさんずラブ-リターンズ-』。ただ、強いて挙げるならば、ひとつだけ1期から欠けているものがありました。 それが、切なさ。 想いが届かない報われなさ。好きなのに、好きだから、別れを選ぶ苦しさ。1期ではライトなパッケージと相反し、誰かを好きになることで生まれる身のちぎれるような痛みを俳優たちが全身全霊で演じたことで、空前の熱狂を生んだ。 ただ、春田さんと牧が相思相愛になった以上、2期で切なさの部分

        • 部長は「姑」ではなく「トップオタ」であるという結論に心から納得したのも束の間、ラスト4分の破壊力がすごすぎて、もう本編の記憶がありません。

          拝啓 黒澤武蔵さま 私はずっとあなたのことを誤解していたような気がします。 『おっさんずラブ』といえば春田さんと牧の愛の物語。そんな揺るぎない認識を持つ私にとって、そして包み隠さず言うとゴリゴリの牧モンペである私にとって、部長は腹のよじれるような笑いをくれるチャーミングな存在でありつつも、牧の恋のライバル。3人でソリにまたがっているティザービジュアルに、「3人が帰ってきた!」と歓喜する一方、「春田さんと牧の間に入るな」と大人げない気持ちを抱いたりもしたものでした。 だか

        春田と牧の結婚式に参列しました。

        • なぜ春田と牧は田中圭さんと林遣都さんでなければならないのか、奇跡の組み合わせの所以を考えたオタクの2529文字。

        • 気づいたら武川さんがえらいことになっているので、そろそろ武川さんの幸せを願う会とか発足したい。

        • 部長は「姑」ではなく「トップオタ」であるという結論に心から納得したのも束の間、ラスト4分の破壊力がすごすぎて、もう本編の記憶がありません。

        マガジン

        • ライター・横川良明のテレビドラマ雑感
          10本
        • ライター・横川良明の演劇雑感
          0本
        • ひとりぼっちで戦い続ける僕たちは。
          7本

        記事

          牧のことを考えていたら4時19分になっていたので、僕は正真正銘の牧モンペ。

          やばい。もう完全に生活に支障が出はじめている。今日だけですでに2話を3回観ている。義務感ではない。飢餓感でもない。もっとナチュラルな日常動作に近い。食べる。排泄する。寝るに近い感覚で、「さ、『おっさんずラブ』観よ」ってなってる。 特に休日じゃなかったのに。なんなら昼間は取材に出てたのに。朝イチで一発。仕事から帰ってきて一発。そして夜のリラックスタイムにもう一発という感じ。『おっさんずラブ』がお酒やタバコじゃなくて本当によかった。お酒やタバコだったら完全に体を壊すレベルだし、

          牧のことを考えていたら4時19分になっていたので、僕は正真正銘の牧モンペ。

          『おっさんずラブ』が帰ってきた。

          『おっさんずラブ』が帰ってきた。 続編の発表があった2023年9月25日以来、どれだけそれが事実であると言われても現実のことと思えなくて。春田さんに、牧に、部長に、天空不動産のみんなにまた会えることが、涙が出るくらいうれしい反面、息が止まるくらい怖かった。 後にも先にも、あんなに夢中になったドラマなんてない。見ているだけで幸せになって、1日1回は見ないと気がすまなくて、ただの役が実在の人物みたいに感じられて、ふたりが泣いていたら心臓に錐を突き刺されたみたいに苦しくてたまら

          『おっさんずラブ』が帰ってきた。

          まだ8号車とは名乗れないけれど。

          オタクと名乗って仕事をするようになって、そこそこ歳月を積み重ねてきましたが、いまだに僕がオタクと自称することにためらいがあるというか、「私のようなペーペーが…」と謎にへりくだってしまう理由のほぼ半分くらいが、「アイドル」という沼に足を踏み入れていないからだったりする。 俳優沼とアイドル沼は、はたから見れば「イケメンにキャッキャしてる」と同じ括りにされがちだけど、沼の水質そのものは実はかなり隔たりがある(と思っている)。 僕が思うに、俳優を推すときは、本人に好意を抱いている

          まだ8号車とは名乗れないけれど。

          2023年の夏は、みなしょーでした。

          突然ですが、『みなと商事コインランドリー2』の好きなところを10個言います。 ・照れたりスネたたり意地を張ったり、くるくる変わる湊さんの表情が可愛すぎるところ ・強欲かつ愛重めで、何があってもシンの湊さんに対する想いが一切ぶれないところ ・普段は男の子っぽいのに、シンにおねだりするときだけは突然湊さんが赤ちゃんみたいになるところ ・礼儀正しくて真面目なシンが、不機嫌になるとジト目になるところ ・好きすぎてシンの目が見られないのに、シンの見ていないところでシンを見つめる湊さん

          2023年の夏は、みなしょーでした。

          全人類『永遠の昨日』を観てください

          新年早々、どえらい沼にハマってしまった。 全8話を浴びるように一気見し、放心状態になった挙げ句、この夢から醒めるのが嫌で、そのまま全8話を2周目した。年明けからいい感じにとち狂ってる。 でも沼っていうどろっとした単語は、この作品には合わない気がする。もっとなんだろう、森の奥にある誰も知らない泉のように透明で、教会から聴こえてくるピアノの調べのように僕の心を掴んで離さない。 言うなれば、聖域。新しいサンクチュアリを見つけたような気持ちです。 何の話かというと、そう、ドラ

          全人類『永遠の昨日』を観てください

          【うまく伝えられるかわからないけれど】自動修復機能を破壊したい

          ライターという仕事をしていると、どうしてもなるべく多くの人に伝わるように、読んだ人に共感してもらえるように記事を書くという手グセがつきます。逆に言うと、まだ自分の中でも何を言いたいか明確に整理ができていないことや、言っても人にはわからないかもしれないという感情はなるべくアウトプットしないという習慣もおまけでついてきたりします。 この「うまく伝えられるかわからないけれど」は、言ってしまえばそういう未整理のまま下書きフォルダに放り込んでしまう心の動きを、なるべくそのまま、読みや

          【うまく伝えられるかわからないけれど】自動修復機能を破壊したい

          楽しくジタバタする。

          最近、ちょっとずつ生活に変化をつけはじめている。 可愛い下着を買ったり。ジムに通いはじめたり。ラジオを聴いたり。今までの自分の生活になかったものを意識的に取り入れようと試みている。 理由は簡単。いよいよ40代というものが見えはじめたからだ。 思えば、30代になるかならないかというときもやたら何かをしようとしていた。会社員を辞めてフリーランスになったり、ルームシェアをしたり、スキューバダイビングをしたり。 簡単に言うと、焦っていたんだと思う。30になるからには何かひとか

          楽しくジタバタする。

          かわいい下着を買うということ

          まじでおっさんの下着に関する話なんて死ぬほどどうでもいいことだと思うのですが、個人的になんかこの気持ちを残しておきたいな〜と思ったので、備忘録として書かせてください。 下着を買いました。3枚で5,500円というやつなんですけど。これが高いかどうかは人次第でしょうが、個人的には高かったのです。 というのも、基本的に今まで下着なんてユニクロで2点990円のまとめ買いでしか買ったことがなくて。僕に限らず、一般的な傾向として男性って女性と比べて下着にかける金額って低いと思うんです

          かわいい下着を買うということ

          実家がなくなった。

          実家がなくなった。 正確に言うと、単に親が引っ越しただけで。親の暮らしている現在の家を実家と呼ぶならそこが実家なんだろうけど。親元を離れて15年の僕はその新居に住んだことがなく、「実家」と呼べるほどの愛着はない。 正しい日本語で言うと生家か。 そう、生家がなくなった。22で上京するまでずっと生活をしていた生家がなくなった、去年。 親の引っ越しの理由自体は、自営業を営む父が家業を畳んだのと、姉夫婦の子どもたちがまだまだ手のかかる年齢で、共働きである長女夫婦にとっては両親

          実家がなくなった。

          BLという言葉を使わないようにしたい、と思ったことについて

          このnoteは12/22に出しました下記の記事の中での自らの発言に関する、私自身の振り返りです。主に、記事に違和感を抱いた方に向けて、自分の考えていることをお話しさせていいただくことを目的に書いています。 このnoteは横川良明の考えであり、対談相手の吉田先生とは切り分けてお考えください。そもそも発言の発端は自分であり、吉田先生を巻き込んでしまった部分は過分にあると考えています。作品を愛したみなさんの気持ちを冷めさせてしまったことへの罪悪感は非常に強くあります。まずはそのこ

          BLという言葉を使わないようにしたい、と思ったことについて

          『チェリまほ』第11話感想

          世の中は、優しい人が、わりとしんどいようにできている。 ちゃんとルールを守ろうとしたり、人を傷つけないように言葉を選んだり、相手の痛みに思いを寄せたり、そういうことしていると、どんどんどんどん自分がしんどくなるように、世の中はできている。 だから、優しい人を見ると、そんなに優しくなくてもいいんだよ、と声をかけたくなってしまうのだ。 誰のことか。 安達と黒沢のことである。 『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』というドラマがある。本来ならここでどういうドラマか説

          『チェリまほ』第11話感想

          サラタイの幸せを考えると夜もおちおち眠れないので、こんな時間ですが久しぶりにnoteを更新します。

          拝啓 GMMTVさま 先日通販にて購入しましたサラタイのブレスレット。こちらとしてはてっきりふたりの愛の証だと思っていそいそ注文したのですが、なんとこのブレスレット、実は過去にサラワットが別の女にプレゼントしていた疑惑があるそうじゃないですか。そんないわくつきのものを事前の説明もなしに売るなんて、これは虚偽表示。景品表示法に抵触するのではないでしょうか。つきましてはすみやかなご説明と、商品の返品・返金をお願いいたします。 っていうメールを真顔で打とうとしていたAM0:20

          サラタイの幸せを考えると夜もおちおち眠れないので、こんな時間ですが久しぶりにnoteを更新します。