多田野 数人

1980年生まれ、東京都出身。野球を米国で5年間、日本で10年間(NPB7年・独立L3…

多田野 数人

1980年生まれ、東京都出身。野球を米国で5年間、日本で10年間(NPB7年・独立L3年)、投手としてプロ経験あり。また、指導者として独立Lで3年間、NPBで1年間、投手コーチを務めた。現役引退後はNPBでスカウト(プロ・アマ)・スコアラー業務に従事。

最近の記事

【大学野球】2回戦 明大4ー3慶大(5月19日 明大2勝)を考察

1.はじめに 5月19日(日曜)に行われた、明大ー慶大(2回戦)の試合について、見どころを踏まえて印象的な場面や選手について掘り下げてみたい。 2.試合の見どころ 両チームとも今カードが始まる前までに、それぞれ3カードを消化。慶大は、立大と法大に1敗を喫したが、勝ち点のかかる試合に両試合とも1点差の僅差で粘り勝ち、全てのカードで勝ち点を獲得している。一方の明大は、東大と立大から勝ち点を獲得したが、早大に対して3戦目の延長戦までもつれた試合を落とし、現在の勝ち点は2。  今

    • 【MLB】山本投手(ドジャース)が9度目の先発 5回2/3を4失点の投球・・・安定感出てきたが気になるポイントも

      1.はじめに 今月14日、山本投手(ドジャース)が今季9度目となる先発登板で、5回2/3を投げて4失点の投球。前回の登板で自身3連勝をマークしたが、この日は勝ち負け付かず、試合は延長戦の末ドジャースが6-4で勝利した。  前回登板で今季最長となる8イニングを投げ、直近5登板は投球数が90〜99球で推移しており安定感が増してきたと思われたが、今回の登板は84球での降板となった。メジャー初登板で、1回5失点の内容でつまずいたが、山本投手自身の自制する能力が高い点と、ドジャース球

      • 【大学野球】1回戦 法大5ー1東大(5月11日 法大1勝)を考察

        1.はじめに  5月10日(土曜)に行われた、法大ー東大(1回戦)の試合について、見どころを踏まえて印象的な場面や選手について掘り下げてみたい。 2.見どころ 両チームの先発投手は、法大がエースの篠木投手(4年・木更津総合高)、東大は今季4度目の先発となる平田投手(4年・都立西高)。  法大はここまで立大から勝ち点を獲得したが、慶大には初戦に勝利するもその後連敗で勝ち点を落とし、優勝争いに加わるために今カードは確実に連勝しておきたい。一方の東大は、開幕から6連敗中で特に投

        • 【大学野球】3回戦 慶大5ー7立大(5月6日 1勝1敗1分)を考察

          1.はじめに 5月6日(月曜)に行われた、慶大ー立大(3回戦)の試合について、見どころを踏まえて印象的な場面や選手について掘り下げてみたい。 2.試合の見どころ【表2】前日まで慶大が20連勝中(5引き分けを挟む)の対立大戦のスコア一覧 2018秋 2回戦 慶大3-4立大(立大勝利) 2018秋 3回戦 立大0-2慶大(慶大勝利) 2019春 1回戦 慶大4-1立大(慶大勝利) 2019春 2回戦 立大1-7慶大(慶大勝利) 2019秋 1回戦 慶大4-3立大(慶大勝利)

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          【MLB】大谷選手(ドジャース)がチーム37試合目で11本塁打を達成・・・選手の状態を回復させるチームの術に日米の差

          1.はじめに  今月7日(日本時間)、ドジャースの大谷選手がマーリンズ戦で本塁打を放ち、チームの今季37試合目で11本塁打を達成した。単純に今季の試合数に比例させると、シーズン終了までに約48本塁打を放つ計算となる。これまで大谷選手のメジャーリーグでのシーズン最多本塁打は、2021年の46本(昨季は44本)。それに匹敵するペースで本塁打を積み重ねている。大きな期待を背負って「順調」に活躍し続けているのには、大谷選手が身につけている一流の技術やパワーがなければ、このような素晴ら

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          【大学野球】1回戦 早大5ー4明大(4月27日 早大1勝)を考察・・・骨折で離脱していた宗山選手の気になる点

          1.はじめに 4月27日(土曜)に行われた、早大ー明大(1回戦)の試合について、印象的なポイントや選手、今後のチームの方向性について考察したい。 2.試合の見どころ2.(A)互いに開幕カードで勝ち点1を獲得  早大は、開幕週に立大から2勝1敗で勝ち点1として、リーグ戦前半の山場となる明大戦を迎えた。立大との3連戦は、リーグ戦の登板経験が少ない下級生を中心とした投手陣が奮闘。打線は、リーグ戦開幕直後の硬さもあり得点を奪うのに苦労したが、ようやく3戦目の終盤に打線がつながった

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          【大学野球】2回戦 法大2ー1立大(4月20日 1勝1敗)を考察

          1.はじめに 4月20日(日曜)に行われた、法大ー立大(2回戦)の試合について、印象的なポイントや選手、今後のチームの方向性について考察したい。 2.試合の見どころ 法大・大島監督、立大・木村監督はともに今年度から監督に就任し、指揮官として初めてのリーグ戦を戦っているが、大島監督は2021年より、木村監督は昨春頃からコーチとしてチームに携わっており、選手の能力やバックグラウンドなどの新監督としてのチーム情報の不足によるデメリットはなく、昨年から試合出場を続けている主力も多く

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          【プロ野球】低反発球でロースコアの展開多く、クローザーの疲弊目立つ・・・臨機応変に複数投手の起用が必要か

          1.はじめに 4月24日はプロ野球6試合が予定されていたが、雨のため2試合が中止となった。開催された4試合の中で、2試合が9回にクローザーの失点により逃げ切りに失敗した。  DeNAは阪神を相手に3-1とリードして、9回に開幕から5試合無失点の好投を続けていた山崎康投手が登板。しかし、先頭打者から3連打を許して無死満塁のピンチを迎えると、続く打者に死球を与えたところで降板。代わった投手も阪神打線の勢いを止められず、この回に4点を失い5-3で逆転負けを喫した。  オリックスは、

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          【MLB】山本投手(ドジャース)が5度目の先発登板で6回4失点で勝ち負け付かず・・・5戦1勝の原因と今後の登板について

          1.はじめに 今月20日(日本時間21日)、ドジャースの山本投手は今季5度目の先発登板を果たした。結果は6回4失点で、今季最多の99球を投げ、チームは敗れたが山本投手に勝ち負けは付かなかった。  昨年の山本投手の成績(23試合16勝6敗、防御率1.21)を知っている人から見ると、今季の前回登板後までの成績(5試合1勝1敗、防御率4.50)と比較したら、今後の投球に心配する人もいるかもしれない。NPBで実績を残してから、MLBでプレーしてきた日本人先発投手はこれまで多くいるが、

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          【野球】投手における先発と中継ぎの適性判断基準・・・継投のリスクも踏まえながら

          1.はじめに 今回は、近年分業化が進む投手の役割について、「先発」と「中継ぎ」の2つに分けて、どのような特徴をもった投手が務めると、その投手の能力を発揮できるのか、継投のリスクをお伝えした上で、私のこれまでの経験を基に個人的な見解を述べていきたい。

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          【プロ野球】2024年度 パ・リーグ 「育成→支配下」登録選手予想・・・直近3年間のデータを参考に

          1.はじめに 昨年のドラフト会議では、パ・リーグ6球団で支配下指名が39名、育成指名が27名だった。毎年約10〜20名の選手が「育成→支配下」登録されるが、その中には以前支配下登録されていた実力のある選手も含まれており、競争は激しい。1軍昇格とは異なった戦いが、2軍で繰り広げられている。その戦いを深く掘り下げていきたい。

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          【プロ野球】根本悠楓投手(日本ハム)が今季初登板も実力出せず・・・チームは何を求めたか?

           根本悠楓投手(日本ハム)が今月14日、ようやく 1軍初登板を果たした。  根本投手は、高卒4年目となる実戦派の左腕で、球速など見た目に派手さはないが、入団後に試合でコツコツと結果を残し、2年目に早くも1軍での登板を果たした。2年目に1軍で13試合に登板して3勝、3年目の昨年も5試合に登板して3勝し、いずれも防御率を2点台にまとめた。今年は開幕から先発ローテーションに入って、大きく飛躍する事を期待されていたファンの方も多かったのではないか。

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          【MLB・プロ野球】通訳の知られていない業務内容・・・"被"通訳の経験も踏まえて

          1.はじめに プロ野球のチームには、試合で戦う選手をサポートする様々な役割のスタッフがいる。選手との距離感で比べると、対戦相手の情報を得るため他球場の視察に向かう業務が中心で、選手と会うのはシーズンの半分程度の「先乗りスコアラー」や、シーズン中は選手と一緒に帯同しながら、それぞれの業務を遂行する「トレーナー」「用具係」など、スタッフの業務によって、選手との関わり方は異なる。選手のパフォーマンスを支えるスタッフの中で、最も選手と行動をともにしているのが「通訳」であり、業務とプラ

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          【MLB】山本投手(ドジャース)の2試合連続の好投の要因とは?・・・本人と球団の双方の力で本来の投球取り戻す

          1.はじめに 韓国でのメジャー初登板で、1回5失点を喫し敗戦投手となり、アメリカでのキャリアのスタートで躓いたが、続く2戦目は5回無失点、前回の3戦目も5回無失点と好投し、初勝利も記録した。初登板での投球と、2戦目3戦目の投球とでは、何が変わったのか?私が感じた2つの大きなポイントをお伝えしたい。

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          【プロ野球】開幕から1週間の投手起用方法の大切さ・・・数字より各投手の心情を優先に

          1.はじめに プロ野球のシーズンが開幕してから1週間。各球団が2カード(5〜6試合)を消化し、先発ローテ投手の大部分が登板をし終えた。  近年、多くの球団は先発投手の球数を、100球程度を目処に、継投へ移る準備を進めているが、それ以前では150球を超える球数は当たり前で、試合展開により投球にアクセントをつけていた「先発完投型」の筋肉と、現役投手の筋肉の質は異なり、現在の投手は試合の中で100球を精一杯投げ切ると、しっかりと肘・肩・腰などに疲労も蓄積される。また、この100球を

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          【プロ野球】2024年度 パ・リーグ戦力比較・勝利数予想

          1.はじめに 先日開幕したプロ野球のレギュラーシーズンだが、パ・リーグは、昨年までオリックスが3連覇して独走状態だった。今季4連覇を果たすには山本投手が抜けた穴を誰が埋めるのか、他球団が新戦力を補い雪辱を晴らすのか、各球団の7つのカテゴリー(総合力・先発力・救援力・打撃力・守備力・機動力・精神力)を、昨年スコアラーとして各球団を調べ尽くしたデータを基に、今季の戦力と比較してシーズンの勝利数を予想してみた。 2.昨季の順位2023年度 順位表(カッコ内は首位とのゲーム差) 1

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