By the window

実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

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実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

最近の記事

悪魔のテンプレ

ようやく教科書を開いていみました。 レッスン1のパート1 朝食食べた? 忙しい人もいれば、 早起きできない人もいる。 もし朝食抜くと、学校でちゃんとできないかもしれない。 どんな朝食があなたに最適かな? そんな内容。ま、特におもしろくもない文。 疑問文 ~もいれば、~もいる。 もし~なら、~かもしれない。 再度疑問文。 この構造。これは使えます。悪魔のささやき的にも 要は、朝食ちゃんと食べろ、と言いたいのですが、食べろと一言も言わず、食べさせようとする目論見。

    • ルールは何のため?

      ルールは何のためにあるのか?それは、弱者を守るため。世の中は、ほっとけば、ジャイアン総取りになっちゃうんです。だからこそ、のび太たちにも少しはとっとけよ、とルールをつくるんです。世界はそもそも不公平、でも少しでも公平にしようとルールがつくられるのです。 昭和の神社には、年令を問わず、子どもたちが集まり、いろんなことをして遊んでいました。ゲーム機やスマホのない時代、かくれんぼや、缶蹴りや、ケイドロなど。大きい子にはハンデをつけて、小さい子でも一緒にい遊べるようにするのが、子ど

      • 魚の骨の構造

        よく生徒に、寿司の話をするんです。例え話で。英文法を教えている時など。 今まで捌いたことのない魚を、営業中に、教え子が持ってきたんだよ。おじいちゃんが釣ってきた魚あげる、ってね。そしたら、お客さんに、お寿司にして食べさせて、と言われ、困ったんだよ。でもね、捌いてみたら、サクッと捌けたんだよね。さっきまで泳いでた魚だから、新鮮で、とっても美味しい寿司にすることができて、お客さんが喜んでくれて、めっちゃよかったなあ。僕も食べたけど、美味しかったなあ。 ずるーい、と生徒たち。王

        • 他人の話なんて聞かないよ

          ひとは、他人の話なんて、たいして聞かないんです。聞いてるふりしながら、他のことを考えてたり。よっぽど話がおもしろかったり、よっぽどその人が好きだったりすれば、別ですが。 ま、僕のことです。 生徒は、教師の話なんて、たいして聞かないんです。怒られるとめんどくさいから、聞いてるふりしてるだけ。僕は知っています。肌で感じます。 多くの教師はたっぷり話して仕事した気になるんです。 ひとは、聞いたことはたいして覚えていないのですが、自分が話したことはけっこう覚えているものです。

        悪魔のテンプレ

          弱みこそ、さらしちゃおう

          強みを出すには、弱みも出さなくちゃいけません。弱みは、他人の助けなしでは、克服することはできません。自力で克服できるくらいなら、弱みでありません。 弱みのない人間は、一人もいません。強い人は、強く見せるのが上手くて、弱みを隠しているだけ。 弱みをさらけ出して、誰かに助けてもらって、自分の強みを思いっきり活かす。これが、人生のコツ。人の弱みがそれぞれなら、人の強みもそれぞれ、だから助けあえるし、助けあうチームこそ強いんです。 学校でも、職場でも、求められるものは、心理的安

          弱みこそ、さらしちゃおう

          コピペ地獄

          先日、二十年ぶりくらいに会った教え子、すっかりやり手になっててびっくりしました.コミュニケーション能力、人脈、仕事のスキル、どれをとっても素晴らしく、けっこう稼いでいるようでした。 学校は嫌いだったそうです。申し訳ない。 結局、学校で求められるのは、コピペでしょ。 ふむふむ。 学校だと、インプットだけしてればいいけど、社会じゃ、アウトプットできなきゃ通用しないよ。 たしかに。 あの頃の学校は、授業中、黙って座ってれば、無事に一日過ぎていきました。で、授業で、教師が

          コピペ地獄

          恒常性と同調性

          人は、ずっと同じ状態をキープします。体温とか体型とか、人間性も。細胞が常に入れ替わるので、恒常性がないと自分が自分でいられなくなってしまいます。 人は、猛獣より弱く、だからこそ、群れて力を合わせて、生き抜いてきました。仲間に同調するのは、必然のことでした。 その原始の記憶が、我々の奥深いところに刻み込まれています。 保守政党が、選挙のたびに勝っていたのも、その原始の記憶のためかもしれません。 たぶん、過半数の人はそんな感じなのでしょう。だから、組織や社会や国を変えるの

          恒常性と同調性

          忙しいというより哲学がないんだよ

          教師は忙しいというけれど、忙しいんじゃなくて、哲学がないんです。 どんなに忙しいと言っても、毎日、ごはん食べてうんこしています。 課題の搾取をしてるんです。たとえば、宿題。宿題を出すまでが、教師の課題。そして、宿題をやるのか、生徒の課題。課題の分離です。ところが、教師は宿題を回収し、ちゃんとやってあるかどうかチェックして、不備があれば再提出させ、未提出の生徒も呼び出して指導、ここまでしちゃうんです。そりゃ、忙しくなるわけです。 生徒は、その宿題をやるかどうか決断しなくちゃ

          忙しいというより哲学がないんだよ

          未知の知

          バカの壁は、自分の知らない世界を知ろうとするかどうかなんだとか。たとえ東大生だろうと、それに興味を示さなければバカ認定。 知的好奇心があるかないか、それがバカかどうか、と。たしかに。 「未知の知」、これがこの頃のキーワード。未だ知らないことがあると知る。そして、未だ知らなかったことを知ることが楽しい。 今まで見慣れてきた風景の中にも、毎日と降りれば、日々、新しい風景が隠れています。僕は学校に行く前に五キロジョギングするのですが、たいてい毎朝、小さな発見があるものです。

          テストを辞めるという選択

          一学期の中間テスト、実施しないことにしました。一年生の英語です。そしたら……、ザワザワしてるようです。他の先生たちは、定期テストを実施しないなんて発想がなかったからでしょう。 答え丸写しの課題提出をさせて一安心している教師は多いんです。もちろん、本校でも。たぶんセンセイたちも知ってるんです。生徒たちが、答え丸写しして、課題を提出していることを。でも、他に勉強させる方法が思いつかないんでしょう。だから、意味がないと感じつつも、せめて提出物の期限を守る習慣をつけさせるために、課

          テストを辞めるという選択

          バカになれ

          最近の授業では、僕が教えることは極力減らし、生徒が他の生徒に教える機会を増やしています。ペアでパートナーに教えたり、グループの中で他のメンバーに教えたり。 教科書にアンダーライン引いたり、教科書を何度も読んだり、黒板に書かれたことをすべてノートに書き写したり、そんな典型的な勉強法は、脳科学的にあまり効果がないと実証されています。 学んだことを、アウトプットすることで、記憶は定着するんです。勉強とは、つまり、思い出すことなんです。思い出して、他者に伝えることができれば、長期

          バカになれ

          目立つこと

          学校では、目立つと、怒られます。みんなと同じなのが、高校生らしくていい子。目立っていいのは、せいぜい勉強と部活と忖度する力くらい。一方、商売では、目立たないと、稼げません。店は潰れます。世間は、目立ってなんぼ。 そう、学校の常識は、まさに、社会の非常識。 結局、多くの教師は、自分が扱いやすい生徒を育てたいのです。仕事が楽になりますから。また、そんな教師は、おそらく、高校時代、地味で真面目で、勉強くらいしか取り柄がなかったのでしょう。だから、自分の青春を肯定するためにも、目

          目立つこと

          課題テストの課題

          新学期、課題テストが行われたようです。少なくない生徒たちは、ノー勉でテストを受けます。そして、テスト後に提出することになっている課題の問題集の答えを写して、自分で丸付けをします。丸写しがバレないように、わざと間違えた答えを書いて、Xをところどころつけます。自作自演課題提出、休み明けの風物詩です。 僕が顧問をしている水泳部の生徒たちが、朝から部室で答えを写していたのを目撃。 それ意味ある? ないない。 やれやれ、まったく、やれやれです。 僕も課題テストを実施しました。で

          課題テストの課題

          脳内麻薬とお勉強

          やるからには本気です。本気にならないと、楽しめません。毎日精進です。なんのことかというと、スマホゲームのツムツムのことです。一年ほど前、生徒にすすめられたんです。で、ハマったというわけです。 つなげて消す。ただ、それだけ。コインが貯まってきて、新しいキャラをゲットできます。仲間とハートを送りあい、ハートが貯まれば貯まっただけ、プレイできます。課金せずとも、楽しめるものです。ただ、本気ならば、ですが。 最近では、本気すぎて、生徒にやりすぎとバカにされています。やりすぎにも関

          脳内麻薬とお勉強

          五月二日の授業のこと

          今年度は、一年生に、徹底的に発音を教えています。日本語にはない音がたくさんあるんです。RとLの違いとか。TH、F、Vなどなど。母音も日本語は五つですが、英語はもっとたくさんあるんです。 英語の歌を完コピしてカラオケで歌えるようにしよう、と。ジョン・レノンのイマジンで、発音の練習をしました。歌詞をグループワークで日本語で訳して、そこに込められたメッセージをプレゼンなんてのも行いました。 予想外に授業は盛り上がって、驚きました。やはり、歌の力か。ジョン・レノンは今も偉大。

          五月二日の授業のこと

          狼になれ

          今年度は一年生を担当しています。かわいいね。英語おもしろいって、目をキラキラさせて、ニコニコしながら、授業に参加してるよ。でもね、これが、学年が上がっていくうちに、調教されて、テストに出るかどうか、課題提出があるかどうか、ペナルティがあるかどうか、そんな打算でしか勉強しなくなるのが本校のこれまでのトレンド。 アメとムチでしか教えない教師たちに、つまり外発的動機づけしか脳のない教師たちに、生徒たちは知的好奇心を奪われ、頭の中は空っぽになっていき、家畜となっていく。やがて、悪ど