こげちゃ丸

描くことも書くことも大好きなデザイナー ◆ 身の回りの事を週1ペースで投稿しています…

こげちゃ丸

描くことも書くことも大好きなデザイナー ◆ 身の回りの事を週1ペースで投稿しています ◆ noteではエッセイを中心に、絵を描いたり、稀に小説を書いています

マガジン

  • ものがたりたち

    今まで書いた創作文をまとめたマガジンです

  • 描いてみた

    イラスト、フォトレタッチなど画像メインの投稿を集めたマガジンです。

記事一覧

親孝行は3歳までに

──── むかしむかしあるところに…… そんな遠い記憶じゃないけれど、ぼくがまだ幼稚園児だったころのはなし。 父はとても厳格なひとで食事中にテレビをつけることを…

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久しぶりに強めの風邪をひいて、一日中布団の中で過ごしました。体を休ませるにはよい時間ですが、何もできずに過ぎていく休日には歯がゆい思いも。普段気にしてないから耳に入らないけど、網戸ごしに聞こえる道行く人達の声が楽しそうで。天井を見ながら、回復したら何をしようかと考えた一日でした。

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カーネーションの花言葉

──── 母の日最大の仕事はお絵かきだ。 上の子が小学生にあがったとき、母の日カードにメッセージを書くようになった。つたないけれど一生懸命書いた「ママ ありがと…

こげちゃ丸
2週間前
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AIに負けない人間の創造力

生成AIという言葉もずいぶん一般化しました。文章やイラスト、映像や音楽まで。これまで人間にしかできないといわれた創作の領域にどんどんAIが進出してきています。 上の…

こげちゃ丸
3週間前
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縞模様の思い出

こげちゃ丸
4週間前
18

妄想散歩

──── 土曜日の昼下がり、犬の散歩をしていたら近所の小学校でドッジボール大会をやっていた。小さい子から大人まで入り混じる20対20くらいの大人数での試合。多分、町…

こげちゃ丸
1か月前
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小さな手から大きな勇気

──── 月曜日の朝、犬の散歩をしていると困った様子で電話をしているスーツ姿の女性とすれ違った。 その少し先に真新しいランドセルを背負った男の子が泣きそうな顔で…

こげちゃ丸
1か月前
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昔の自分を整える

──── 4月が始まりましたね。桜も咲いて、新年度が始まって。今日、入学式と思われる真新しい制服を着た学生たちを電車で見かけました。あぁ、春だなぁと思いました。 …

こげちゃ丸
1か月前
25

はじめてお辞儀された日のこと

──── 自分の子どもに、きちんとおじぎされたのはいつ以来だろうと記憶を手繰った。幼い子どもが遊びの延長でやるそれではなく、心を込めたおじぎ。 多分、上の子の二…

こげちゃ丸
1か月前
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noteを開かない日はなかった5年間

noteを始めて丸5年。noteを開かない日はなかったと思います。 noteを開けば、誰かの日常が垣間見れて。おめでとう!とか、悔しい!とか、嬉しい!とか。ホントの名前も、…

こげちゃ丸
2か月前
31

笑えるはずの場面で泣きたくなる気持ち

. 木曜日の夕方、夕飯時のテレビ番組でお笑い芸人が漫才をしていた。ポンポンとリズムよく繰り出されるネタに客席は大ウケで、見てると自然に笑いがこみあげてくる。何度…

こげちゃ丸
2か月前
35

涙は甘いほうがいい

もしも、涙でしか感情を表せない人がいたならば、どうすればその人の気持ちがわかるのだろう。ふと、そんなことを考えた。 ひとは表情を変えずに泣くことはできない。嬉し…

こげちゃ丸
2か月前
18

小さな過去形はちょっと切ない

──── うるう日だった2月29日。メジャーリーガの大谷選手の結婚報道がメディアを駆け巡った。翌朝、日本のワイドショーはお祝いムードに包まれていて、どのチャンネル…

こげちゃ丸
2か月前
35

川のたまりのように

. SNSの偶然性が好きです。「しずかなインターネット」というサービスがありますよね。拡散性をなくして、もしかしたら誰かに読まれるかもしれないという偶然性に重きを…

こげちゃ丸
3か月前
32

そんな刹那的でもないでしょう

──── タイトルだけ書いて放置された下書きがあった。「そんな刹那的でもないでしょう」、何を思って書いたのか分からないタイトル。頭に思い浮かんだ言葉をメモしただ…

こげちゃ丸
3か月前
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書くことが好きな自分と、書くことが好きでいたい自分

どっちもあるんですよね、自分の中に。 文章を書くことは、まちがいなく好きなことです。じゃ、純度100%で好きだから書いているかというと、そんなことなくて。「文章を…

こげちゃ丸
3か月前
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親孝行は3歳までに

──── むかしむかしあるところに…… そんな遠い記憶じゃないけれど、ぼくがまだ幼稚園児だったころのはなし。 父はとても厳格なひとで食事中にテレビをつけることを許さなかった。食事は、会話しながらとるものだという強い信念があったようだ。でも、ときおりラジオをつけながら晩御飯を食べることがあった。ラジオがOKならテレビもいいじゃないかと今なら思うけど、岩山のようにテーブルの中央に座る父親に、幼いぼくは異論を言えるわけもなかった。 ある日の晩ご飯、ラジオを聞きながら家族で食事

久しぶりに強めの風邪をひいて、一日中布団の中で過ごしました。体を休ませるにはよい時間ですが、何もできずに過ぎていく休日には歯がゆい思いも。普段気にしてないから耳に入らないけど、網戸ごしに聞こえる道行く人達の声が楽しそうで。天井を見ながら、回復したら何をしようかと考えた一日でした。

カーネーションの花言葉

──── 母の日最大の仕事はお絵かきだ。 上の子が小学生にあがったとき、母の日カードにメッセージを書くようになった。つたないけれど一生懸命書いた「ママ ありがとう」の文字。カードをもらった妻は涙ぐんでいた。 子どもたちが大きくなり、カードに下の子のメッセージが加わった。年を重ねるにつれ、子どもたちも年頃になって。照れくさいのか、メッセージは短い定型文みたいになった。それでは毎年変わり映えしないので、ぼくが絵を添えることにした。 サッカー教室に通いだしたときはサッカーボ

AIに負けない人間の創造力

生成AIという言葉もずいぶん一般化しました。文章やイラスト、映像や音楽まで。これまで人間にしかできないといわれた創作の領域にどんどんAIが進出してきています。 上の文章、「進出」だけ太字にしたのは意味があって。AIの進化を「侵略」と表現する人もいるんですよね。いわゆるAI否定派と呼ばれる人たちです。著作権や倫理的な問題はありますが、AIのことを知ろうとせずに、「嫌い!危険!」と拒絶するのはもったいないと思うんです。食わず嫌いだったものが美味しくって大好きになることもあります

縞模様の思い出

妄想散歩

──── 土曜日の昼下がり、犬の散歩をしていたら近所の小学校でドッジボール大会をやっていた。小さい子から大人まで入り混じる20対20くらいの大人数での試合。多分、町内のイベントなのだろう。 歓声があがる中、ボールに当たった人が外野に出ていく。当てた人も当てられた人も、お互いに笑顔でなんとも微笑ましい。 穏やかな休日の日差しに包まれて、その光景を見ながらふと考えた。両チーム最後に一人ずつが残った場合。Aチームは小さい子、Bチームは大人だったなら、どんなドラマが生まれるのだ

小さな手から大きな勇気

──── 月曜日の朝、犬の散歩をしていると困った様子で電話をしているスーツ姿の女性とすれ違った。 その少し先に真新しいランドセルを背負った男の子が泣きそうな顔で立っている。きっと女性はその子のお母さんで、男の子は学校に行くのを渋っているのだろう。学校までは距離があるから、嫌がる子を連れながら歩くには時間がかかる。時計は8:15、出勤前の貴重な時間を1分でも無駄にしたくないはずだ。 「動こうとしないのよ ──」 耳に入ってきた会話の先は旦那さんだろうか。気になって暫し様

昔の自分を整える

──── 4月が始まりましたね。桜も咲いて、新年度が始まって。今日、入学式と思われる真新しい制服を着た学生たちを電車で見かけました。あぁ、春だなぁと思いました。 進学、入学、入社式。環境が大きく変わる人にとっては、新しい日々の始まりですよね。ぼくにとってこの4月は、日常を取り戻す時間になりそうです。仕事的には大きく環境が変わるわけでもない。ただ、1-3月が慌ただしく過ぎていき、自分が自分じゃないみたいな時間が多かったので、マイペースを取り戻す期間にしたいと思っています。

はじめてお辞儀された日のこと

──── 自分の子どもに、きちんとおじぎされたのはいつ以来だろうと記憶を手繰った。幼い子どもが遊びの延長でやるそれではなく、心を込めたおじぎ。 多分、上の子の二分の一成人式だったと思う。学校の小さなホールに集合して、子どもたちが練習を重ねた寸劇や合奏を聞く。最後に一人ひとりが親への手紙を読む。順番が来て、手紙を読み終えた上の子がぼくと妻に向かっておじぎをした。事前に練習したのかもしれないけど、立派なおじぎができるようになったんだねと嬉しくなった。 いまにしてみれば、友だ

noteを開かない日はなかった5年間

noteを始めて丸5年。noteを開かない日はなかったと思います。 noteを開けば、誰かの日常が垣間見れて。おめでとう!とか、悔しい!とか、嬉しい!とか。ホントの名前も、顔も声も知らない人の文章や絵や写真に感情移入できる。物理的な距離は遠いのに、近くにいる感じがするんですよね。 そんなnoteなんですが、一週間ほど開かないでいようかな、と思ってます。現実世界の身近な話題に集中しなきゃいけないタイミングなんですよね…。 たった一週間で大げさな!と思う人もいると思います。

笑えるはずの場面で泣きたくなる気持ち

. 木曜日の夕方、夕飯時のテレビ番組でお笑い芸人が漫才をしていた。ポンポンとリズムよく繰り出されるネタに客席は大ウケで、見てると自然に笑いがこみあげてくる。何度も押し寄せる笑いの波を受けていたら、ふと泣きたくなった。そのとき、数えきれないほど繰り返し聞いた昔の曲を思い出した。 学生のときに聞いたその歌は、明るいメロディに別れの歌詞がのせられた不思議な曲で。ラジオで耳にした瞬間好きになった。 話題の映画をひとりで見る場面から曲は始まる。恋人と別れたあとに残った、二人で買っ

涙は甘いほうがいい

もしも、涙でしか感情を表せない人がいたならば、どうすればその人の気持ちがわかるのだろう。ふと、そんなことを考えた。 ひとは表情を変えずに泣くことはできない。嬉しいときや悲しいとき、同じ涙でもほんのわずかに顔色に違いがでる。それを見て、相手の気持ちを慮ることはできる。 でも、表情を変えずに涙だけ流すひとの気持ちは想像するしかない。だって、涙は無色透明で見た目の違いはないのだもの。 涙は、感情によって味が変わという話しを聞いたことがる。悔しいときや怒ってるときの涙は塩辛くて

小さな過去形はちょっと切ない

──── うるう日だった2月29日。メジャーリーガの大谷選手の結婚報道がメディアを駆け巡った。翌朝、日本のワイドショーはお祝いムードに包まれていて、どのチャンネルも喜びの声で溢れていた。 そんな中、気になるインタビューがあった。ドジャーススタジアムの前なのだろうか。大谷選手のニュースを道行く人に教え、驚きの反応を集めたコーナー。ある地元男性がインタビューを受けていた。 60代後半から70代前半に感じる風貌。生きいきとした表情から若く見えるけど、もっと年配の方かもしれない

川のたまりのように

. SNSの偶然性が好きです。「しずかなインターネット」というサービスがありますよね。拡散性をなくして、もしかしたら誰かに読まれるかもしれないという偶然性に重きを置いているのが特徴です。例えるなら、静かな湖畔でひとりごとを言う感じでしょうか。 それはとても素敵なことだけど、個人的にはもう少しだけ反応が欲しい気がします。ビッグウェーブに乗りたいとは思わないけど、かすかな流れというか動きというか、静かな反応がある場所が心地よい気がします。例えるなら、川のたまり場のような場所

そんな刹那的でもないでしょう

──── タイトルだけ書いて放置された下書きがあった。「そんな刹那的でもないでしょう」、何を思って書いたのか分からないタイトル。頭に思い浮かんだ言葉をメモしただけかもしれない。ひとことでいいから本文を書いてくれてればいいのにと、そのときの自分に対して思う。単語だけでも残していれば、なにを書こうとしてたか分かるのだけど。 刹那という言葉が好きだ。漢字の見た目は少々厳ついが、仏教用語らしい宇宙的な広がりを感じる言葉だと思う。 一弾指とは、一度指をはじくほどのきわめて短い時間

書くことが好きな自分と、書くことが好きでいたい自分

どっちもあるんですよね、自分の中に。 文章を書くことは、まちがいなく好きなことです。じゃ、純度100%で好きだから書いているかというと、そんなことなくて。「文章を書くことが好きでいたい」気持ちもあります。 今まで書いてなかったけど、noteをきっかけに文章を書き始めたひともいますよね。ぼくもまさにそれで、この5年間でnoteに書いた量は、それ以前の総量より多いんじゃないかと思うほど。noteで毎週投稿を続けているうちに、どんどん書くことが好きになって。寝る間も惜しんで書い