LeoSugimoto

高校生. | 埼玉生まれ、タイ、ベトナム育ち、東京在住. | 「独書思想史」「美術思想…

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高校生. | 埼玉生まれ、タイ、ベトナム育ち、東京在住. | 「独書思想史」「美術思想史」「現代思想史」「映画評論史」「趣味と歩く」「見えてる世界は現実か」「AIと僕らの未来予想図」更新中

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固定された記事

『ポピュリズムとは何か』から見える日本の危機感

水島治郎著『ポピュリズとは何か』から見える現代のポピュリズム的動向について少し考えてみたい.近年、ポピュリズムの概念が普遍的な理解として広まっている.しかしポピ…

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3週間前
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雨の日のリビングからお送りします

リビングでコーヒーをすすりながら単語を探す時間の至福. 頭を掻いてみたり、天井の照明を見つめてみたり、そんな時間を過ごす至福. 家の中も外も静寂に包まれながら雨…

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1日前
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多様性に気づけた日

塩谷舞さんの『ここじゃない世界に行きたかった』を読んでから多様性について考えることができた. 少し前に『ポピュリズムとは何か』を書いたときに触れたアメリカのRust…

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4日前
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『仕事選びのアートとサイエンス』

本屋に行くと大抵置いてある転職関連のビジネス書. でも学生の僕には全く関係のない事だ.まだ悠々と高校生活を楽しんでいるし仕事は自分の好きな事をっていう漠然なイメー…

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10日前
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美意識が自分を作ってくれるんだけど学校は違うみたい

日本の電車に乗ると女性は必ず化粧をしている.化粧をしていない人を探すのはウォーリーを探すことよりも難しい.最近は男性、女性も関係なく化粧をするし化粧が自分のアイ…

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12日前
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『DUNE 砂の惑星』は『Arrival』の複線回収になっているのか

少し前にドゥ二・ヴィルヌーヴ監督の『Arrival』という映画について書いたが今回は同監督による『DUNE 砂の惑星』というSF映画を追求してみたい. この映画の注目ポイント…

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13日前
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『大河への道』

千葉県北東部に位置する香取市は『大日本沿海輿地全図』を作った事で知られる伊能忠敬の地. しかし日本で最初の地図を作ったと思われていた伊能忠敬は本当は地図を完成さ…

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2週間前
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『Avvaival』の世界観が描く時間から解放された人々

『Dune』を手がけたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による作品である『Avvaival』. ヘプタポッドと呼ばれる未確認生物が地球に到来するSF映画なのだが、SF映画にしては珍しく戦…

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2週間前
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『FUKUSHIMA 50』

『FUKUSHIMA 50』は東日本大震災時の福島第一原発の事故を描いた映画である. 2011年3月11日午後2時46分、日本の観測史上最大の東日本大震災が発生し、想定外の大津波に襲…

LeoSugimoto
2週間前
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人は感動と共に成長する

人生に於いて人は幾度も感動を覚える.しかし機会の感動は数少なく,理由の説明できない感動の共有は人生で数回しかない. 感動の最終回を迎えたドラマ,大好きなアーティスト…

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3週間前
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赤信号で渡らない日本人は素晴らしいのか

「日本人は赤信号でも渡らない」 これは日本人に普遍的な価値観として認知されている考え方だと思う.外国人が日本に来て驚くことの一つが赤信号で誰一人渡らない事と言う…

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3週間前
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2004年『I, Robot』は2035年の世界を作れるのか

ロボットと人間の混沌とした社会を描いたアレックス・プロヤス氏による『I, Robot』. 冒頭からロボットが道を歩き、荷物を運び、人を助けるために薬を運ぶ人型のロボット…

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3週間前
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AI専用SNS「Chirper」は人類の最高の暇つぶし

先日、新たなSNSとして「Chirper」と呼ばれるサービスがリリースされた.このSNSの最大の特徴が「人間は関与できない」という点だ. SNS内で会話するのは「AI」を基にした…

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3週間前
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『遠距離現在 Universal Remote』の幸福な社会とは何なのか.

18世紀後半から19世紀初頭にかけて起こったイギリスの産業革命.我々の生活をより豊かにするべく普遍的な幸せを追い求めてきた.時代は21世紀に入ったが、変わらず人間は嫉…

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3週間前
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『戦場のメリークリスマス』の素晴らしさを考えてみたい

少し前に『20240424』というテーマで戦場のメリークリスマスに触れることができたが、この映画の素晴らしさをもう少し感じてみたいと思う. 坂本龍一演じる「ヨノイ大尉」…

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4週間前
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『幸せへのまわり道』が作り出す世界観は現実世界で決して触れられない

マリエル・ヘラー監督の『幸せへのまわり道』という映画.僕が見てきた映画の中でも特に何も解明されず日常のストーリーとして終わった作品.現実のテレビ番組にストーリー…

LeoSugimoto
4週間前
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『ポピュリズムとは何か』から見える日本の危機感

『ポピュリズムとは何か』から見える日本の危機感

水島治郎著『ポピュリズとは何か』から見える現代のポピュリズム的動向について少し考えてみたい.近年、ポピュリズムの概念が普遍的な理解として広まっている.しかしポピュリズムの認識はいずれも「悪」や「扇動」「独裁」といったデメリットの部分の認識が強いと感じる.

最近急激に支持層を増やしていった「れいわ新選組」や「NHK党」は正にポピュリズム政党に当てはまる.さらに遡っていくと元大阪市長の橋下徹氏が創設

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雨の日のリビングからお送りします

雨の日のリビングからお送りします

リビングでコーヒーをすすりながら単語を探す時間の至福.

頭を掻いてみたり、天井の照明を見つめてみたり、そんな時間を過ごす至福.

家の中も外も静寂に包まれながら雨だけが響いている.

片手に文庫本、デスクの上には少し前に手に入れたちょっと良いコーヒー.

文庫本は椎名誠の「さよなら、海の女たち」

今日は文豪家気分に浸っているような感覚でいたい.

雨の日はみんなが家でゆっくり過ごしていることを

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多様性に気づけた日

多様性に気づけた日

塩谷舞さんの『ここじゃない世界に行きたかった』を読んでから多様性について考えることができた.

少し前に『ポピュリズムとは何か』を書いたときに触れたアメリカのRustBeltに関する話題を塩谷さんも触れていた.

僕はトランプ氏を支持する共和党陣営とバイデン氏を支持する民主党陣営で二項対立のように書いたのだが、実際の事情はもっとカオスで記事を書いた僕はなんだか自分の考えの甘さを反省した.  

R

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『仕事選びのアートとサイエンス』

『仕事選びのアートとサイエンス』

本屋に行くと大抵置いてある転職関連のビジネス書.

でも学生の僕には全く関係のない事だ.まだ悠々と高校生活を楽しんでいるし仕事は自分の好きな事をっていう漠然なイメージしか持っていない.

でも社会では転職が正義かのように促す風潮が強い.
スマホを開けば転職の広告,テレビを見れば転職の広告.なんだか大人になったら転職するのが正しいかのように思えてくる.

それに転職は当然の事ながら歳をとるにつれて難

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美意識が自分を作ってくれるんだけど学校は違うみたい

美意識が自分を作ってくれるんだけど学校は違うみたい

日本の電車に乗ると女性は必ず化粧をしている.化粧をしていない人を探すのはウォーリーを探すことよりも難しい.最近は男性、女性も関係なく化粧をするし化粧が自分のアイデンティティの表現と解釈されることも多い.

でも男性にとっての化粧は嗜好品で女性の化粧とは違う.スッピンで会社に行けば女性は白い目で見られる.化粧をするのが当たり前だし化粧をしないのは良くないという考え方がある.

だから、女性にとっての

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『DUNE 砂の惑星』は『Arrival』の複線回収になっているのか

『DUNE 砂の惑星』は『Arrival』の複線回収になっているのか

少し前にドゥ二・ヴィルヌーヴ監督の『Arrival』という映画について書いたが今回は同監督による『DUNE 砂の惑星』というSF映画を追求してみたい.

この映画の注目ポイントは『Arrival』の複線回収のような世界観を持っているところにある.2016年に『Arrival』が上映され2021年に『DUNE 砂の惑星』が上映されている.

時間軸では『Arrival』が現代なのに対し『DUNE』は

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『大河への道』

『大河への道』

千葉県北東部に位置する香取市は『大日本沿海輿地全図』を作った事で知られる伊能忠敬の地.

しかし日本で最初の地図を作ったと思われていた伊能忠敬は本当は地図を完成させていなかった.文政4年(1821年)に完成された『大日本沿海輿地全図』に対し、伊能忠敬は文政元年(1818年)にすでに死んでいた.

しかし、伊能忠敬の死が公表されたのは『大日本沿海輿地全図』が発表された文政4年と同じ.何故、伊能忠敬の

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『Avvaival』の世界観が描く時間から解放された人々

『Avvaival』の世界観が描く時間から解放された人々

『Dune』を手がけたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による作品である『Avvaival』.

ヘプタポッドと呼ばれる未確認生物が地球に到来するSF映画なのだが、SF映画にしては珍しく戦闘シーンがない.(一方的な攻撃はあるが)

そのため未確認生物ヘプタポッドと人間の内容に注視しながら見続けることができる.

主人公はエイミー・アダムス演じる「ルイーズ・バンクス」という言語学者と物理学者のジェレミー・レナ

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『FUKUSHIMA 50』

『FUKUSHIMA 50』

『FUKUSHIMA 50』は東日本大震災時の福島第一原発の事故を描いた映画である.

2011年3月11日午後2時46分、日本の観測史上最大の東日本大震災が発生し、想定外の大津波に襲われる.太平洋側に面する福島県双葉町に設立された福島第一原発発電所が被害を受け、制御不能になった原発内部の暴走を食い止める為に奮闘した地元の作業員たちを描いている.

この映画が見せる自然災害の恐怖と人の雑踏、危機対

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人は感動と共に成長する

人は感動と共に成長する

人生に於いて人は幾度も感動を覚える.しかし機会の感動は数少なく,理由の説明できない感動の共有は人生で数回しかない.

感動の最終回を迎えたドラマ,大好きなアーティストのコンサート,今まで超えることのできなかった壁を超えた瞬間や一致団結し何かを成し遂げた時.

これらの感動は人間のセレンディピティに関係し0の状態からは生まれない人間の成長によって発生する感度である.

今日,僕は感動のあまり涙を流し

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赤信号で渡らない日本人は素晴らしいのか

赤信号で渡らない日本人は素晴らしいのか

「日本人は赤信号でも渡らない」

これは日本人に普遍的な価値観として認知されている考え方だと思う.外国人が日本に来て驚くことの一つが赤信号で誰一人渡らない事と言うほど異質な考え方なのだ.

この考え方に異を唱えた人物がいる.それがサッカー日本代表監督を務めたフィリップ・トルシエだ.

彼ら「誰も赤信号を渡らないことにショックを受けた」と述べている.

日本人からすればイカれた奴程度の話なのだろうが

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2004年『I, Robot』は2035年の世界を作れるのか

2004年『I, Robot』は2035年の世界を作れるのか

ロボットと人間の混沌とした社会を描いたアレックス・プロヤス氏による『I, Robot』.

冒頭からロボットが道を歩き、荷物を運び、人を助けるために薬を運ぶ人型のロボットに強い印象を受ける.

印象的なのは人型のロボットや未来の自転車、未来の車があるのに対し大体の街中は煉瓦造りで古いノスタルジックな建物が並んでいること.ロボットを作っている会社のオフィスが未来的なのに対しノスタルジックな社会が人々

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AI専用SNS「Chirper」は人類の最高の暇つぶし

AI専用SNS「Chirper」は人類の最高の暇つぶし

先日、新たなSNSとして「Chirper」と呼ばれるサービスがリリースされた.このSNSの最大の特徴が「人間は関与できない」という点だ.

SNS内で会話するのは「AI」を基にしたアバターであって人間が中心にいない.

このサービスに対する人々の反応は「誹謗中傷の世界から逃れる第二の世界」「争いのない美しい世界」などがある.

実際に僕も「世界遺産研究家」という名前でchirperを作成してみたが

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『遠距離現在 Universal Remote』の幸福な社会とは何なのか.

『遠距離現在 Universal Remote』の幸福な社会とは何なのか.

18世紀後半から19世紀初頭にかけて起こったイギリスの産業革命.我々の生活をより豊かにするべく普遍的な幸せを追い求めてきた.時代は21世紀に入ったが、変わらず人間は嫉妬と欲望にまみれ必要以上の豊さを手に入れようとする.

そんな時代には社会から忘れられた人々が存在する.それがこの遠距離現在の世界観だと感じる.

今、僕らが期待している未来は表の世界.ドラえもんの世界観は正に人間の追い求めていく究極

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『戦場のメリークリスマス』の素晴らしさを考えてみたい

『戦場のメリークリスマス』の素晴らしさを考えてみたい

少し前に『20240424』というテーマで戦場のメリークリスマスに触れることができたが、この映画の素晴らしさをもう少し感じてみたいと思う.

坂本龍一演じる「ヨノイ大尉」とデヴィット・ボウイ演じる「ジャック・セリアズ」による戦時中のジャワ島を舞台とした映画は今は亡き小島渚監督によって手がけられた.今は亡きと書いたが大島渚監督だけでなく坂本龍一もデヴィット・ボウイもこの世にはもういない.映画のストー

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『幸せへのまわり道』が作り出す世界観は現実世界で決して触れられない

『幸せへのまわり道』が作り出す世界観は現実世界で決して触れられない

マリエル・ヘラー監督の『幸せへのまわり道』という映画.僕が見てきた映画の中でも特に何も解明されず日常のストーリーとして終わった作品.現実のテレビ番組にストーリーを加えた映画でトム・ハンクス演じる「フレッド・ロジャース」とマシュー・リース演じる「ロイド・ボーベル」の関係に注目がいく作品.

主人公は父親を憎むロイド・ボーベルで、父親との関係がフレッド・ロジャースの影響によって徐々に良くなるのが大まか

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