EBIS世界の最新健康・栄養ニュース

栄養・運動・休養という健康のための3つの柱に関する海外の研究情報をお届けします by …

EBIS世界の最新健康・栄養ニュース

栄養・運動・休養という健康のための3つの柱に関する海外の研究情報をお届けします by ながさご

最近の記事

5:2間欠断食は肝炎症や肝がんを予防する

5:2間欠断食は肝炎症や肝がんを予防するかもしれない、というドイツがん研究センターとテュービンゲン大学からのマウスを用いた動物実験の結果報告。 研究チームは、マウスに典型的な西洋食に相当する高糖類・高脂肪食を与えた。1群のマウスには、常に食物を摂取させた。予想通り、これらの動物は体重と体脂肪が増加し、慢性肝臓炎症を発症した。 別の1群のマウスには、週に 2 日は何も食べさせなかった (5:2 断続的絶食) が、他の日は好きなだけ食べさせた。これらの動物は高カロリーの食事を

    • 小児の低栄養との戦いを強化する新しいマウスモデルを開発

      米国バージニア大学医療システムのキャリー・A・コワーディン博士らは、子供の低栄養による問題をより深く理解し、克服する手助けをする新たな研究モデルを開発した。この新しいモデルは、腸内に自然に存在する微生物群(マイクロバイオーム)に対する低栄養の影響と、それが成長や免疫系に及ぼす影響を研究するための高度な方法を提供する。 科学者らは、通常、ヒトのマイクロバイオームからサンプルを取り出し、それを実験用のマウスに移すことで複雑な相互作用を研究している。しかし、コワーディン博士らは、

      • 食事に頻繁に塩分を加えると胃がんのリスクが高まる

        塩分の多い食品が普及しているアジア諸国では、塩分摂取量と胃がんとの関連性がすでに証明されているが、このリスクは欧州のがん統計にも反映されているようだ、というウィーン医科大学からの研究報告。頻繁に食事に塩を加える人は、食卓で塩を使わない人に比べて胃がんを発症する可能性が約40パーセント高かった。 研究チームは、英国の大規模コホート研究「英国バイオバンク」の成人47万人以上のデータを分析した。 その結果、食品に常にまたは頻繁に塩を加えていると答えた人は、食品に塩を一つまみも加

        • 座りがちなライフスタイルが若者のハートに負担をかける

          幼少期からの高いレベルの座りがちな行動と運動不足は、思春期に心臓に負担をかけるようだ、というフィンランドのユヴァスキュラ大学からの研究報告。 研究チームは、「児童の身体活動と栄養(PANIC)」研究の参加者153人を対象に、幼少期から思春期まで8年間にわたって座りがちな行動と身体活動を追跡した。その結果、幼少期から座りがちな行動が多く、中等度から激しい身体活動が少ない思春期の若者は、心臓の負荷が高くなる傾向があることが明らかになった。特に、激しい身体活動が少ない若者は心臓の

        5:2間欠断食は肝炎症や肝がんを予防する

          サプリメントに含まれる隠し成分や疑わしい表示

          一部のサプリメント会社が証明されていない健康強調表示や未申告の成分で顧客を誤解させている可能性があるようだ、という研究報告。 研究者らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やその他の呼吸器疾患の治療や予防に関連するとされるサプリメントに焦点を当てた。パンデミックの間、サプリメントの使用は世界中で急増した。 「パンデミック中に、この種のサプリメントの購入と使用が大幅に急増しました」と研究者は述べている。「需要が増えると、詐欺が発生する可能性も高まります。」 研究

          サプリメントに含まれる隠し成分や疑わしい表示

          低-中強度の運動はうつ病の軽減につながる

          低から中強度の運動と抑うつ症状の軽減に強い関連性があることを発見した、という英国アングリアラスキン大学の研究者らによる、世界中の研究を対象としたアンブレラレビュー(メタ分析のレビュー)。 分析結果は『Neuroscience and Biobehavioural Reviews』誌に発表され、身体活動が抑うつリスクを23%、不安リスクを26%減少させることが示された。特に、園芸やゴルフ、散歩などの低から中強度の身体活動が抑うつリスクの軽減に強く関連していることが明らかになっ

          低-中強度の運動はうつ病の軽減につながる

          亜鉛は風邪の回復をわずかに早める可能性がないわけではない

          亜鉛を摂取することが一般的な風邪の症状の期間を約2日間短縮するのに役立つ可能性があるが、その証拠は不十分であり、潜在的な利点は副作用とのバランスを取る必要があるようだ、というコクランレビュー。 亜鉛製品は風邪の治療薬として1980年代から市場に出回っており、特に米国で人気がある。亜鉛は多くの食品に天然に含まれる必須ミネラルであり、免疫機能に重要な役割を果たしている。高所得国のほとんどの人々は食事から十分な亜鉛を摂取しているが、加齢や一部の慢性疾患によって欠乏する可能性がある

          亜鉛は風邪の回復をわずかに早める可能性がないわけではない

          時間制限食と高強度運動は健康増進に有効かもしれない

          時間制限のある食事と高強度ファンクショナルトレーニングを組み合わせると、どちらか一方を単独で行うよりも体組成と心臓代謝パラメータが改善する可能性が高まるようだ、という研究報告。 食事の変更と運動は、体重を減らし、心臓代謝の健康を改善するためのよく知られた方法であるが、持続可能な結果を生み出すためのライフスタイルの変更の適切な組み合わせを見つけるのは困難な場合がある。 研究者らは、時間を制限した食事と高強度のファンクショナルトレーニングが体組成や、コレステロール、血糖値、脂

          時間制限食と高強度運動は健康増進に有効かもしれない

          クランベリー抽出物は微生物叢を増強し、心代謝性疾患に対抗しうる

          クランベリー抽出物は腸内細菌叢を改善し、糖尿病や心血管疾患などの慢性疾患の予防に役立つかもしれない、という研究報告。わずか4日間の使用で有益な効果が報告されたという。 研究チームは、約40人の参加者に、朝と夕方の1日2回、カプセル状のクランベリーサプリメントを摂取させた。これは60gの生のクランベリーに相当する。実験開始時と4日後に、参加者から血液、尿、便のサンプルが収集され分析された。 データ解析の結果、クランベリー抽出物に含まれるポリフェノールとオリゴ糖は、ビフィズス

          クランベリー抽出物は微生物叢を増強し、心代謝性疾患に対抗しうる

          冷えたビールや温かい白酒でアルコールをより良く味わえるのはなぜか?

          アルコール(エタノール)飲料にはそれぞれの適温が存在し、ビールなら冷やして、白酒や日本酒は温めて飲むのが最も美味しいが、それは、アルコールと水が分子レベルで鎖状またはピラミッド状のクラスターを形成するときにアルコール濃度と温度が影響するためらしい、という研究報告。 研究チームは、アルコール濃度を徐々に増加させた一連の水溶液の接触角を測定した。接触角は液体の表面張力の一般的な測定値であり、液滴内の分子が相互作用したり、その下の表面とどのように相互作用しているかを示している。

          冷えたビールや温かい白酒でアルコールをより良く味わえるのはなぜか?

          米国の30年にわたる研究で、超加工食品と早期死亡リスクの上昇との関連性が判明

          すべての超加工食品を一律に制限すべきではないが、一部のタイプの摂取制限は長期的な健康維持に役立つようだ、という米国ハーバード大学からの研究報告。 研究者らは、ほとんどの超加工食品の高い摂取量がやや高い死亡リスクと関連しており、特に調理済み肉、鶏肉、魚介類をベースとした製品、加糖飲料、乳製品ベースのデザート、高度に加工された朝食用食品が最も強く関連していることを、30年間におよぶ米国の大規模疫学研究で発見した。 研究者らは、すべての超加工食品製品を一律に制限すべきではないが

          米国の30年にわたる研究で、超加工食品と早期死亡リスクの上昇との関連性が判明

          託児所のお迎え: より健康的な食習慣を構築するための時間に

          子どもを迎えに行く際に与えられるおやつが、余分なカロリーや砂糖、塩分を含んでいるようだ、というシンシナティ小児病院からの研究報告。『Children’s Health Care』誌に発表された。 この研究は、2009年から2011年にかけて実施された「幼児食事・運動研究」に参加した30の保育施設に通う300以上の家族の日記データを再分析したものである。分析の結果、保護者が子どもを迎えに行った後の1時間は、子どもの全体的な食事の中で高カロリーで比較的不健康な部分であることがわ

          託児所のお迎え: より健康的な食習慣を構築するための時間に

          賞味期限表示はもう古い?

          食品パッケージの内容物汚染を検出する一連の検査法の研究者らによる実用化に向けたレビュー報告。研究者らは、生産者や規制当局と協力してそれらを実用化することに取り組んでいる。検査にかかる費用は1パックあたりわずか数セントだが、食品生産者は最終的に消費者が負担しなければならないコストを追加することに消極的であるようだ。 研究者らによれば、スマートパッケージに基づくシステムは、アウトブレイクに伴う評判や現実的なコストから生産者を救い、食品廃棄物を劇的に削減し、アウトブレイクに伴う医

          賞味期限表示はもう古い?

          運動で男性は脂肪をより多く燃やし、女性は再利用する

          運動による脂肪の影響に関する最大規模の研究から、ラットの雄と雌では脂肪の取り扱いに大きな違いがあることが明らかになった。 研究チームは、ラットの雄と雌を比較すると、運動による脂肪の処理方法に顕著な違いがあり、エネルギーを生み出すために、雌は脂肪を燃焼しながらも蓄積し、雄は脂肪を燃焼して減らす傾向があることを発見した。 約1,500匹のラットを用い、『Nature Metabolism」誌オンラインに掲載された本研究結果は、ヒトにも適用される可能性があるということだ。 「

          運動で男性は脂肪をより多く燃やし、女性は再利用する

          人文社会学系の栄養情報学入門

          情報には客観的な部分(科学)と主観的な部分(意見)が必ず存在するので、科学だけでなく、現象学などの人文社会系の研究が必要になる。 栄養情報学は、栄養教育や食育などとは異なる、情報学を基礎とした栄養情報についての学問領域である。とはいうものの、実際には、情報学というよりもより広範囲の人文社会学を基礎としている。 文系(人文社会学系)の情報学は難しい。理系(自然科学系)の情報学は、情報に含まれる意味(伝達したい内容)が物理的(化学的、生物学的)に正確に伝達されるかどうかを問題

          人文社会学系の栄養情報学入門

          健康的な生活習慣が寿命を縮める遺伝子の影響を60%+ 相殺する可能性

          健康的なライフスタイルは、寿命を縮める遺伝子の影響を60%以上相殺する可能性があるようだ、という大規模疫学研究の結果報告。 遺伝子とライフスタイルは人の寿命に相加的な影響を与えるようだが、遺伝的素因に関係なく、不健康なライフスタイルは独立して、早死にするリスクの78%の上昇と関連している、と研究は示唆している。 研究者らは2006年から2010年の間に英国バイオバンクに登録され、2021年まで健康状態が追跡された合計353,742人の成人を対象とした。 LifeGen

          健康的な生活習慣が寿命を縮める遺伝子の影響を60%+ 相殺する可能性