masaya1960

グリーフケアという言葉をご存じですか。簡単に言えば死別の悲しみを抱える人へのサポートで…

masaya1960

グリーフケアという言葉をご存じですか。簡単に言えば死別の悲しみを抱える人へのサポートです。私は2023年4月に妻をがんで失い、これを契機にさまざまなことを体験し感じました。私は医療関係者でもクリエイターでもないですが、同様の経験をされた方や支援者のお役に立てればと思います。

記事一覧

固定された記事

01 グリーフケアという言葉を知るまで

私は、2023年4月に妻を胆のうがんで亡くしました。64歳でした。約1年間の闘病期間のほとんどは自宅で過ごし、最後の一晩だけは緊急入院することになりましたが、でき…

masaya1960
2か月前
9

妻の一周忌

1年前の今朝、妻を看取った。 あれから1年間、毎日のように、去年の今日は何をしていたのかと日記を見て振り返りながら過ごした。一緒にどこへ出かけたとか、何を食べた…

masaya1960
3週間前
5

23 ChatGPTで物語を生成する

ChatGPTの存在を知ったのは2023年2月のことでした。その時は「阪神タイガースは今年アレできるでしょうか」と尋ねてみました。その回答は「スポーツチームの成績に関する…

masaya1960
1か月前
4

22 遺品整理のこと

妻が遺した物を整理しました。 妻は亡くなる4日前までパート保育士として働き、以前はいくつかの小さな会社で手書きPOPを描いたり、Macを使ってチラシや取説のデザインを…

masaya1960
1か月前
3

21 後悔しない

話はかなり遡りますが、2023年5月のこと。妻が亡くなって2週間ほどして、妻の遺品を整理し始めました。仕事や趣味に関係する物はもちろんですが、他にもいろいろなものが…

masaya1960
2か月前
2

20 再び「ありがとう」という日本語

先日noteに書いた‘「ありがとう」という日本語’という記事に思いのほか‘スキ’とタップしていただいたので、再び「ありがとう」という日本語について書いてみます。 前…

masaya1960
2か月前
1

19 バタフライハグ

少しさかのぼって2023年9月のことです。 神戸で映画のエキストラに参加しました。フードコートの客の役でしたが、相席した50歳前後の女性が休憩時間に「バタフライハグ」…

masaya1960
2か月前
2

18 「ありがとう」という日本語

2023年12月。 20年来お付き合いしているシンガーソングライターのリピート山中さんの年忘れコンサートに参加しました。 懐かしい昭和の歌の数々を聴き、コンサートの後は…

masaya1960
2か月前
19

17 人はなぜさみしさに苦しむのか?

2023年12月。脳科学者の中野信子さんの著書『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』を読みました。「さみしさ」とうまく付き合うためのヒントが書かれた本でした。 集団生活…

masaya1960
2か月前
4

16 映画『グリーフケアの時代に』

2023年12月。ドキュメンタリー映画『グリーフケアの時代に』を観賞しました。 公開初日でしたが平日の朝とあってか観客は10名弱で、あまり関心は高くなさそうでした。映画…

masaya1960
2か月前
3

15 高木慶子さんのお話

2023年10月。遺族会でもらったチラシを見て申し込んだ高木慶子さんの講演会に参加しました。 高木慶子さんは、上智大学グリーフケア研究所名誉所長で、一般社団法人グリー…

masaya1960
2か月前
1

14 グリーフケア入門講座

2023年10月。一般社団法人日本グリーフ専門士協会が開講している無料のグリーフケア入門講座にZOOMで参加しました。 「グリーフケア入門講座」の内容は、「1 グリーフケ…

masaya1960
2か月前
2

13 今日の空

2023年10月。茨木市の立命館大学にある「まちライブラリー」へ行ってみました。 パラパラと眺めていた空の写真集。自費出版なのでしょうか、大阪市中央区のビルとその上の…

masaya1960
2か月前
2

12 西国三十三所巡礼ツアー

2023年9月。西国三十三所巡礼バスツアーに参加しました。 「巡礼の旅」と言っても妻が亡くなるまで全く関心がなかったのですが、たまたま新聞折込みのチラシを見て興味を…

masaya1960
2か月前

11 YouTubeでグリーフケア

2023年8月。初盆が終わり、コロナと暑さと虫歯で体調を崩していた時期でした。 この頃は、YouTubeでグリーフケアに関する動画を視聴するのがマイブームでした。基本的には…

masaya1960
2か月前

10 ひとりたび

2023年6月の終わり。名古屋へ1泊2日の一人旅に出ました。 近鉄電車2日間全線フリー切符を購入し、行きは津、帰りは桑名と大和八木に立ち寄りました。名古屋には妻とも…

masaya1960
2か月前
3
01 グリーフケアという言葉を知るまで

01 グリーフケアという言葉を知るまで

私は、2023年4月に妻を胆のうがんで亡くしました。64歳でした。約1年間の闘病期間のほとんどは自宅で過ごし、最後の一晩だけは緊急入院することになりましたが、できるだけ最期まで普通に暮らしたいとの妻の希望もあり、延命治療は行わず、幸い、子どもたちとも一緒に最期を看取ることができました。

この文章を書いているのは2024年2月29日。もうすぐ一周忌を迎えます。これを機に闘病からこれまでの約2年間を

もっとみる
妻の一周忌

妻の一周忌

1年前の今朝、妻を看取った。

あれから1年間、毎日のように、去年の今日は何をしていたのかと日記を見て振り返りながら過ごした。一緒にどこへ出かけたとか、何を食べたとか、体調が良かったとか悪かったとか。

ああすれば良かったとか、あんなことをしなければ良かったとかは、できるだけ考えないことにしてきた。後悔しても誰も幸せにならない。できることはしたし、できないことはできなかった。

でも、楽しかったこ

もっとみる
23 ChatGPTで物語を生成する

23 ChatGPTで物語を生成する

ChatGPTの存在を知ったのは2023年2月のことでした。その時は「阪神タイガースは今年アレできるでしょうか」と尋ねてみました。その回答は「スポーツチームの成績に関する予想や評価は、様々な要因が影響するため、正確なことは予測できません」で、「愛嬌のないやつだけど、まあ仕方ないか」と妻と一緒に笑ったものです。

ちなみに、2024年の2月、今年「阪神タイガースは今年アレンパできるでしょうか?」と尋

もっとみる
22 遺品整理のこと

22 遺品整理のこと

妻が遺した物を整理しました。

妻は亡くなる4日前までパート保育士として働き、以前はいくつかの小さな会社で手書きPOPを描いたり、Macを使ってチラシや取説のデザインを作成する仕事もしていました。月1回、日本画教室とボイスレッスンに通い、手芸や読書や映画鑑賞が好きで、時間があれば、リコーダーを吹いたり、数独パズルを解いたり。そのうえ、私に付き合って休日は街歩きや酒蔵巡りやバス旅などなど。

仕事や

もっとみる
21 後悔しない

21 後悔しない

話はかなり遡りますが、2023年5月のこと。妻が亡くなって2週間ほどして、妻の遺品を整理し始めました。仕事や趣味に関係する物はもちろんですが、他にもいろいろなものが出てきました。これまでの人生が走馬灯のように思い起こされます。

娘が高校を中退し、当時はあまり社会的な理解も今ほどではなかった「発達障害」と診断されたことから、その関連の勉強も一生懸命していたようです。その頃、私は娘のことにも仕事のこ

もっとみる
20 再び「ありがとう」という日本語

20 再び「ありがとう」という日本語

先日noteに書いた‘「ありがとう」という日本語’という記事に思いのほか‘スキ’とタップしていただいたので、再び「ありがとう」という日本語について書いてみます。

前回の記事では映画のエキストラでたまたま出会った女性が「バタフライハグ」をしていたという話を書きましたが、エキストラはやたら待機時間が長いので、読書の時間ができたりします。

この時に読んだ本が西村貴好著「〈ほめる達人〉が教える 人に好

もっとみる
19 バタフライハグ

19 バタフライハグ

少しさかのぼって2023年9月のことです。

神戸で映画のエキストラに参加しました。フードコートの客の役でしたが、相席した50歳前後の女性が休憩時間に「バタフライハグ」をしていました。「セルフハグ」とも言うようです。

6月に読んだ日本グリーフ専門士協会の井手敏郎さんの著書『大切な人を亡くしたあなたに知っておいてほしい5つのこと』にこの「バタフライハグ」が推奨されていたことを思い出しました。

もっとみる
18 「ありがとう」という日本語

18 「ありがとう」という日本語

2023年12月。

20年来お付き合いしているシンガーソングライターのリピート山中さんの年忘れコンサートに参加しました。

懐かしい昭和の歌の数々を聴き、コンサートの後はお客さんもスタッフさんも一緒に持ち込みの食材やドリンクで焼肉パーティー。初めてお会いする方も多かったですが、楽しいひとときを過ごすことができました。

そこで記念品としていただいた本のタイトルが「『ありがとう』という日本語にあり

もっとみる
17 人はなぜさみしさに苦しむのか?

17 人はなぜさみしさに苦しむのか?

2023年12月。脳科学者の中野信子さんの著書『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』を読みました。「さみしさ」とうまく付き合うためのヒントが書かれた本でした。

集団生活を前提とした人間の脳は「孤独な状態は危険である」と知らせるもので、孤独感(=さみしさ)は人間の本能であるとのことです。だから、「さみしさ」をネガティブに捉える必要はなく、うまくコントロールすれば良いと述べられています。

対処法とし

もっとみる
16 映画『グリーフケアの時代に』

16 映画『グリーフケアの時代に』

2023年12月。ドキュメンタリー映画『グリーフケアの時代に』を観賞しました。

公開初日でしたが平日の朝とあってか観客は10名弱で、あまり関心は高くなさそうでした。映画のタイトルになっているイラストは以前読んだ日本グリーフ専門士協会代表・井手敏郎さんの著書『大切な人を亡くしたあなたに知っておいてほしい5つのこと』と同じもので、支援者の一人として井手代表も出演されていました。

当事者として登場さ

もっとみる
15 高木慶子さんのお話

15 高木慶子さんのお話

2023年10月。遺族会でもらったチラシを見て申し込んだ高木慶子さんの講演会に参加しました。

高木慶子さんは、上智大学グリーフケア研究所名誉所長で、一般社団法人グリーフケアパートナー理事を務められ、ターミナルケアやグリーフケアの第一人者と言われる方のようです。

「死別の悲しみの中にいるあなたへ」というテーマで、少しとりとめのない感じでしたが、これまでの経験を通じていくつかの事例を話されました。

もっとみる
14 グリーフケア入門講座

14 グリーフケア入門講座

2023年10月。一般社団法人日本グリーフ専門士協会が開講している無料のグリーフケア入門講座にZOOMで参加しました。

「グリーフケア入門講座」の内容は、「1 グリーフケアとは何か」「2 自分のグリーフの状態に気づく」「3 喪失体験後の心の変化を知る」。講師の他に参加者は私を含めて4名。他の参加者の方は、家族を亡くされた経験があるものの、ケアワーカーや葬儀、保険の会社に勤務されている方で、どちら

もっとみる
13 今日の空

13 今日の空

2023年10月。茨木市の立命館大学にある「まちライブラリー」へ行ってみました。

パラパラと眺めていた空の写真集。自費出版なのでしょうか、大阪市中央区のビルとその上の空だけを撮したものでした。それがきっかけで、その日から毎日、空を見上げて写真を撮り、Instagram https://www.instagram.com/masaya1960/ にアップすることにしました。ウォーキングの途中に、家

もっとみる
12 西国三十三所巡礼ツアー

12 西国三十三所巡礼ツアー

2023年9月。西国三十三所巡礼バスツアーに参加しました。

「巡礼の旅」と言っても妻が亡くなるまで全く関心がなかったのですが、たまたま新聞折込みのチラシを見て興味を持ち、ネットで調べると、三十三か所を全てお参りして御朱印を集めたら、それが極楽浄土へのパスポートになると知り、面白そうだと思いました。

まずは、一番遠い和歌山県那智の青岸渡寺への日帰り弾丸バスツアーがあるとのことで申し込みました。朝

もっとみる
11 YouTubeでグリーフケア

11 YouTubeでグリーフケア

2023年8月。初盆が終わり、コロナと暑さと虫歯で体調を崩していた時期でした。

この頃は、YouTubeでグリーフケアに関する動画を視聴するのがマイブームでした。基本的にはどのチャンネルも「亡くなった人も心の中に生きている」「残された遺族が元気でいることを故人は願っている」というようなことを話していたと思います。

「好きなことに没頭することで前向きな人生を送ることができるようになりました」とヨ

もっとみる
10 ひとりたび

10 ひとりたび

2023年6月の終わり。名古屋へ1泊2日の一人旅に出ました。

近鉄電車2日間全線フリー切符を購入し、行きは津、帰りは桑名と大和八木に立ち寄りました。名古屋には妻とも一緒に行ったことがありますが、今回は敢えてあまり思い出のないところを選んで訪問しました。

メインの目的は、趣味のレトロ建築巡りと名古屋グルメです。

1日目の津では、旧四日市銀行津支店や百五銀行ビル、旧松菱百貨店などを、名古屋では町

もっとみる