和泉歌夜(いずみ かや)

自由きままに物語を書いています。

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記事一覧

【#青ブラ文学部】門限は19時。

 家に帰りたいけど、妻に渡された買い物メモがどれもRPGのダンジョン並に難易度が高すぎて死にそう。 ↓今回参加した企画はこちら

『最強姉妹の末っ子』第26話

「な、何をボゥっとしているの?! 早く何とかして!」  ムーニーの怒声が聞こえる。  途中、熱くなったり寒くなったり痺れそうになったが、回転しているからか、受け流…

【#シロクマ文芸部】卑怯より努力を優先

白い靴を落とした姫と同じサイズにしようとダイエットに奮闘する姫の姉。 ↓今回参加しようとしたけど期限に間に合わなかった企画はこちら

『最強姉妹の末っ子』第25話

「私を騙したの? お姉様」  ムーニーは唖然とした顔でロリンを見ていた。 「違うわ。ムーニー」  ロリンは首を振った。 「あれは最終手段よ。魔機を停止させ、この国の…

『最強姉妹の末っ子』第24話

 ムーニーの手にボタンの付いた小さな箱を持っていたので、私はすぐに取った。  縦一列に二つ並んでいて、『拘束・解放』と書かれたボタンと『放電・停止』と書かれたボ…

『最強姉妹の末っ子』第23話

「アハハハハッ!! アーーーハーーー!!」  ムーニーは高らかに笑うと、パフパフとサイズの大きい靴を鳴らしながらティーマスの方に向かった。 「どう? そろそろ言う…

『最強姉妹の末っ子』第22話

 だけど、城内は迷宮だった。  部屋数も多い上に、工場みたいにガラス窓で中の様子を確認できないから、一つ一つ扉に耳をあてないといけなかった。  その上、巡回してい…

『最強姉妹の末っ子』第21話

「ところで、メタちゃん。ドレス、ボロボロじゃない?」  満足するまで私の抱擁をしたロリンが聞いてきた。  確かに変態生脚……じゃなかった。  黒い騎士との戦闘で、…

【お題:記憶冷凍】あの頃を思い出してみませんか?

何もかも楽しめた子供の頃。 人に振り回され、環境に抗いきれずに心をかき乱された青春時代。 しかし、時が経てば忘れてしまうもの。 あの頃を思い出したい……そんな願…

【お題:二億斉藤】二億斉藤さんに取材

 本日はこんな足元がお悪い中、お越し下さり、ありがとうございます!  どうぞお掛け下さい!  では、早速ですが、どんな健康法を実践されているんですか?  ふむふむ…

『最強姉妹の末っ子』第20話

「え、え、うぇ?! な、なんで?!」  私が目を丸くしていると、黒い騎士は「不審者が地下室に向かうのを見かけたから」とロリンの方を指差して言った。 「ロ〜〜リ〜〜…

『最強姉妹の末っ子』第19話

「このっ! 離しなさい! このっ! このっ!」  私が口でそう叫んだ所で無駄と分かっていたけど、もしかしたら言う事聞いてくれるかなと思い、叫んでみた。  だけど、…

【#青ブラ文学部】大事な話

〜〜〜〜!!! 〜? 〜〜〜!! 〜! 〜! 〜! 〜〜〜〜? 〜〜〜!!! 〜〜〜〜??? 〜〜〜〜?! 〜〜〜〜!? ……あ、ごめん。マイクをミュートにしたまま喋…

『最強姉妹の末っ子』第18話

「ウガアアアアア!!!」  巨大なオークの魔機が私に向かって棍棒を振り下ろしていた。  スッと華麗に交わすと、がら空きになった脇腹に一発蹴りをお見舞いした。 「ウ…

【#シロクマ文芸部】風薫るカレーの香り

 風薫る黄昏時。  学校が終わった僕は夕焼けが眩しいと感じながら下校していた。  家の近くまで来た時、普段は閉まっている窓が空いて、そこから美味しそうな匂いが漂っ…

今日でnoteをはじめて一年になりました。
ここまで続けられたのも読者の皆様が読んでくださったおかげです。

2年目も引き続き執筆に励みたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

【#青ブラ文学部】門限は19時。

【#青ブラ文学部】門限は19時。

 家に帰りたいけど、妻に渡された買い物メモがどれもRPGのダンジョン並に難易度が高すぎて死にそう。

↓今回参加した企画はこちら

『最強姉妹の末っ子』第26話

『最強姉妹の末っ子』第26話

「な、何をボゥっとしているの?! 早く何とかして!」
 ムーニーの怒声が聞こえる。
 途中、熱くなったり寒くなったり痺れそうになったが、回転しているからか、受け流されて、全く影響を受けなかった。
「おりゃおりゃあああああ!!!」
 私は遠心力を利用して軽くジャンプした。
 フワッと浮かんだかと思えば、そのまま上昇していった。
「ボボ〜〜〜!!!」
 私がそう叫ぶと、手が急に熱くなった。
 流れるよ

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【#シロクマ文芸部】卑怯より努力を優先

【#シロクマ文芸部】卑怯より努力を優先

白い靴を落とした姫と同じサイズにしようとダイエットに奮闘する姫の姉。

↓今回参加しようとしたけど期限に間に合わなかった企画はこちら

『最強姉妹の末っ子』第25話

『最強姉妹の末っ子』第25話

「私を騙したの? お姉様」
 ムーニーは唖然とした顔でロリンを見ていた。
「違うわ。ムーニー」
 ロリンは首を振った。
「あれは最終手段よ。魔機を停止させ、この国の人達を元に戻して、チャーム王子の居場所を教えてくれたら、何もしない。
 本当よ、私を信じて」
 ロリンはそう言ってムーニーの両手を握った。
 彼女は一気に顔を赤らめて、サッと違う方を向いた。
 しかし、ウーンと唸っているだけでなかなか口

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『最強姉妹の末っ子』第24話

『最強姉妹の末っ子』第24話

 ムーニーの手にボタンの付いた小さな箱を持っていたので、私はすぐに取った。
 縦一列に二つ並んでいて、『拘束・解放』と書かれたボタンと『放電・停止』と書かれたボタンがあった。
 私は両方押した。
 すると、椅子の装置が止まり、ティーロとティーマスを拘束していたものが外れた。
 二人ともほぼ同時に倒れたが、意識はあるようだった。
「グオオオオ!!!」
 主を倒されて怒っているのだろう、三ツ頭のドラゴ

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『最強姉妹の末っ子』第23話

『最強姉妹の末っ子』第23話

「アハハハハッ!! アーーーハーーー!!」
 ムーニーは高らかに笑うと、パフパフとサイズの大きい靴を鳴らしながらティーマスの方に向かった。
「どう? そろそろ言う気になった?」
 ムーニーがニヤニヤしながら聞くと、ティーマスがキッと首だけを動かして睨みつけてきた。
「黙れ! この略奪者!」
 剣士の言葉にムーニーは首を傾げた。
「略奪者? 私のどこが?
 私はお前らを人にさせたんだ。人と同じように

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『最強姉妹の末っ子』第22話

『最強姉妹の末っ子』第22話

 だけど、城内は迷宮だった。
 部屋数も多い上に、工場みたいにガラス窓で中の様子を確認できないから、一つ一つ扉に耳をあてないといけなかった。
 その上、巡回している魔機達の相手をしないといけない。
 一匹でも見逃したらすぐさまムーニーに報告されてしまうので、確実に仕留めて、出来るだけ発見が遅れるように空き部屋に隠したりしながら、彼らを探した。
 階段を見つけたら、上へあがるようにした。
 国の偉い

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『最強姉妹の末っ子』第21話

『最強姉妹の末っ子』第21話

「ところで、メタちゃん。ドレス、ボロボロじゃない?」
 満足するまで私の抱擁をしたロリンが聞いてきた。
 確かに変態生脚……じゃなかった。
 黒い騎士との戦闘で、ドレスが所々破れていた。
「新しいの無いの?」
 私がそう聞くと、ロリンは「ちょっと待ってて……」と二つの丸いものを置いて、リュックの中を漁った。
 待っている間、私はロリンが応援している時に持っていた丸いものを拾った。
 これは一体何な

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【お題:記憶冷凍】あの頃を思い出してみませんか?

【お題:記憶冷凍】あの頃を思い出してみませんか?

何もかも楽しめた子供の頃。
人に振り回され、環境に抗いきれずに心をかき乱された青春時代。

しかし、時が経てば忘れてしまうもの。

あの頃を思い出したい……そんな願望を抱いた事はございますか?

その願い、叶います。

弊社は企業秘密の特殊なヘルメットを装着して、記憶の奥底に眠っている幼少期や青春の記憶を取り出し、それを液状化して冷凍保存する事で、いつでも必要な時にあの頃の記憶を鮮明に思い出す事が

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【お題:二億斉藤】二億斉藤さんに取材

【お題:二億斉藤】二億斉藤さんに取材

 本日はこんな足元がお悪い中、お越し下さり、ありがとうございます!
 どうぞお掛け下さい!
 では、早速ですが、どんな健康法を実践されているんですか?
 ふむふむ、へー、朝食をたらふく食べる……それだけですか?
 それで長生きできるなんて凄いですね!
 ……え? まだ30歳?
 いやいや、ご冗談を。
 だって、あなたは……あ、『二億歳藤』ではなく『斎藤二億』さん……あ、単純に役所のミス……そうです

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『最強姉妹の末っ子』第20話

『最強姉妹の末っ子』第20話

「え、え、うぇ?! な、なんで?!」
 私が目を丸くしていると、黒い騎士は「不審者が地下室に向かうのを見かけたから」とロリンの方を指差して言った。
「ロ〜〜リ〜〜ン〜〜?」
 私が隣にいる姉を睨みつけると、ロリンは『しまった』という顔をした。
「そうだった。ポーションの効果継続中に違うポーションを食べたら、後の方に上書きされるんだった……」
 青ざめた顔でそう言った。
 つまり、先に透明化ポーショ

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『最強姉妹の末っ子』第19話

『最強姉妹の末っ子』第19話

「このっ! 離しなさい! このっ! このっ!」
 私が口でそう叫んだ所で無駄と分かっていたけど、もしかしたら言う事聞いてくれるかなと思い、叫んでみた。
 だけど、予想通り淡い期待だった。
 彼らは私が見えていないかのように無視し、廊下を進んだあと突き当りの階段を降りていった。
 ズシンズシンと揺れる度に、まるで地獄の方に降りているみたいな心地になって、ますます叫んだ。
 段々辺りは暗くなっていき、

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【#青ブラ文学部】大事な話

【#青ブラ文学部】大事な話

〜〜〜〜!!!
〜? 〜〜〜!!
〜! 〜! 〜!
〜〜〜〜? 〜〜〜!!!
〜〜〜〜???
〜〜〜〜?!
〜〜〜〜!?

……あ、ごめん。マイクをミュートにしたまま喋っちゃった。
 これじゃあ、いくら話しても君に届かないよね! アーーハッハッ!
 ハハハ……え? 何を話していたのかって?
 あぁ、それね……今なら100%儲かる株の話が……って、あれ?
 もしも〜し? もしも〜し!
 マイクのミュ

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『最強姉妹の末っ子』第18話

『最強姉妹の末っ子』第18話

「ウガアアアアア!!!」
 巨大なオークの魔機が私に向かって棍棒を振り下ろしていた。
 スッと華麗に交わすと、がら空きになった脇腹に一発蹴りをお見舞いした。
「ウグッ?!」
 オークはうめき声を上げたが、まだ大丈夫といった様子で、棍棒を横にして振ってきた。
 私は両手でそれを受け取めたが、相手の力も強いのか、若干後退してしまった。
 が、相手に衝撃を与えるには十分だったらしくて、「ウゴォ?!」と驚

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【#シロクマ文芸部】風薫るカレーの香り

【#シロクマ文芸部】風薫るカレーの香り

 風薫る黄昏時。
 学校が終わった僕は夕焼けが眩しいと感じながら下校していた。
 家の近くまで来た時、普段は閉まっている窓が空いて、そこから美味しそうな匂いが漂ってきた。
 その香りで今日の夕食がカレーだと分かった。
 ただいまと言うと、案の定エプロンを着た母が「カレーを作ったから手を洗ってきなさい」と言ってきた。
 僕は鼻歌をうたいながら泥の付いた手を念入りに洗った。
 僕は母の作るカレーが大好

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今日でnoteをはじめて一年になりました。
ここまで続けられたのも読者の皆様が読んでくださったおかげです。

2年目も引き続き執筆に励みたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。