失踪した弟を捜して、独自に調べを入れはじめた姉の絵梨は、相転移計画と呼ばれるあるカルト教団の目論見を知るが、Jと名乗る謎の男との接触によって、やがて想像だにしなかった熾烈な攻防戦…
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#社会問題
📚【出版】社会派ミステリー小説『PHASE』紙の本のご案内 (電子書籍は kindle unlimited 対象。⚠️この記事の後半は、フィクションの意義と思考停止の脅威についての話)
【内容紹介】
この作品『PHASE』は、2012年に文芸社から出版した過去作品(文庫本)を、上下巻に二分冊して加筆修正した社会派のミステリー小説ですが、今回一番の違いは、単行本(正確にはA5)にサイズアップした点です。老眼世代の方々から、文庫本の文字サイズでは読みづらいという指摘が複数あったもので(^_^;) (私自身はというと、元々が近視の乱視なので、近付きさえすれば小さい文字でも難なく読める
【小説】 📚社会派ミステリー小説「PHASE」からの切り抜き紹介(心の隙間編)
※プロローグと第一章の一部をご覧いただける試し読みの記事はこちら▼
【切り抜き紹介】
--- 行動理由 ---
◆「弟がいたんだ。生まれつき体が弱くて病気がちで、ちょうど彼ぐらいの歳のときに先立ってしまったんだけどね。あの子を見ていると、弟を思い出すよ」
煙草を吹かすような仕草で、一度ふうっと宙に息を吹き出してから、Aは続けた。
「大学進学を諦めるときにも、仕事で身を粉にして稼ぐときに
📚【小説】社会派ミステリー小説「PHASE」切り抜き紹介(心の闇編)
※切り抜き紹介①(心の隙間 編)はこちら
【切り抜き紹介】
--- 理由探し ---
◆「姉さん……牧野さんは、人に騙されたことがありますか? 心底から信じようとして、心の鍵を渡した人に」
『姉さん』から『牧野さん』へとわざわざ呼び方を改めたその声に、絵梨は喩えようのない喪失感を覚えていた。Hがもう、自分さえも信じてくれなくなったのだと。
そんな絵梨を前に、Hが独白のような口調で語りだ