天才肌のサッカー少年ボリスと、彼の活躍を見守り、インスピレーションの源であり続けるアレクセイとの、十数年間にわたる独特の友情関係を、社会主義体制崩壊後の激動する社会情勢とシンクロ…
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#ユートピア
📖【小説】『クルイロ~翼~』 ⑤ (2007年刊行の絶版本をnote限定公開!!)
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◆第二章「二人の空」後半(P. 60~)
まだ色々な面で目覚めきっていなかったこの頃のボリスは、どちらかと言うと良くない意味で人目を引き、悪評を広めていた。家庭における過剰な抑圧の反動か、彼は家庭の外ではせいぜい奔放に振る舞い、いたずら事に耽り、喧嘩を売られれば喜んで買った。自分からむやみに攻撃したりはしないが、腕っ
📖【小説】『クルイロ~翼~』 ⑦ (2007年刊行の絶版本をnote限定公開!!)
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◆第三章「双頭の鷲」 前半(P. 83~)
本人がユース入りの決意を固めたからといって、実現するのは容易ではなく、かなり慎重な工作活動が必要だった。
まずは、ユースに通いたいという意志やスカウトの話がきている事実を、父親に知られないよう画策しなくてはならない。ただそうすると、当然金銭面の問題が出てくる。前回スカウトを受けたときにも突き当たった問題だが、い