窓辺の猫 第五十回 「仲間意識」
外は危険でいっぱいだ。
野良暮らしを経験した後輩の猫は家の中から出て行かない。
最近では窓を開ける音がしただけでも、その部屋から出て行くようになった。飼い主のいない外猫が家の中に突入してきたことがあったから、警戒しているのだ。
自分だってそうやって、家猫になったくせに歓迎する気持ちは微塵もない。
ただ一方で、先輩には加勢しなければいけないという気持ちは持っている。
先輩が負けたら、この家はボス猫に乗っ取られてしまう。
先輩の縄張りに入れてもらった居候の身としては、先輩が逃げず