見出し画像

そりゃないぜ、大将。

 昨日の夜は久しぶりに妻とお出かけ。

 目的地は初めて行くお蕎麦屋さん。

 車検が終わったばかりの車の試運転もかねて少しだけ遠出。

 調子の悪かった箇所が直っており快適にドライブ。

 三十分くらいでお店の前のついた。

 二台しか止められない駐車場が埋まっていたので近くのコインパーキングに車を停めて歩いてお店に。

 入店するとわりと空いていた。

 帰りは妻が運転してくれるというので遠慮なくビールを頼んだ。

 えびす様の顔が描いてある瓶ビールを飲む。

 突き出しは揚げた蕎麦。

 塩が軽く振ってありポリリと齧ると香ばしくて楽しい。

 さて、何を頼もうかなと思ってメニューを見ると蕎麦屋の定番料理が数多くあった。

 妻と相談して鶏わさと卵焼き、鴨の炙りを頼んだ。

 そのうちに続々とお客さんがやってきて結構賑やかになってきた。

 二本目の瓶ビールを飲んでから日本酒にチェンジ。

 せっかくだから知らない銘柄のお酒をと思って奈良県の純米酒をぬる燗で。

 料理はなかなか来なかったがお酒はすぐに届いた。

 推しのアイドルのニューアルバムがいかに尊いかと言う話を熱心にする妻をこの人可愛いなぁと思いながらお酒をツイッ。

 ボディのしっかりしたなかなか飲みごたえのあるお酒で腰を据えて飲もうと思った。

 そのうちにつまみも届いたのでゆっくりと食べながら飲んだ。

 仕事が丁寧で鴨の炙りが香ばしくてジューシーで美味しかった。

 蕎麦味噌や焼き海苔を追加しながらチビリチビリと徳利を三本空にして、さてそろそろ蕎麦を頼もうかとなった。
 
 昨日の目的は新蕎麦で近所ではこのお店が一番美味しいと評判だったので足を運んだ次第である。

 なのでお店の大将に新蕎麦を注文すると今日の仕込み分は終わりましたと言われた。
 
 ううん、残念と思いつつ普通の盛り蕎麦を注文した。

 こういうものはタイミングだし仕方ないかと思って届いた蕎麦をツルリツルと手繰っていると、常連さんらしき人が蕎麦を注文していた。

 すると大将はいかにも嬉しそうに今日は新蕎麦が入っていますよと言うのである。
 
 は?と一瞬耳を疑った。
 
 ついさっき今日はもう無いですよと言ったばかりなのに常連さんには新蕎麦を取り置いていたのである。
 
 おいおいおい、いくら何でもそれはないんじゃないと思って一気に酔いが醒めていった。

 気の利いた料理と美味しいお酒でいいお店だなぁと思っていたらこの仕打ちである。
 
 はっきり言って私は客を区別するお店は大嫌いである。

 一見さんよりも顔なじみを優遇するのは絶対にダメだと思う。

 その一見さんがお店を気に入って通ってくれるようになることを想像できないのだろうか。

 せっかくの週末デートにケチをつけられたようで大変不愉快だった。

 もうこのお店には行く事はないだろう。
 
 味は良かっただけに残念である。

 むう、お店の新規開拓はかくも難しいものなり。

 そんな事を思いながらたまにはお昼ご飯の話でも。

 今日は家にいたのであるものでササッとご飯。

 鶏のハツを半分に切って中の血合いを綺麗に洗う。

 キャベツをざく切り。

 ニンニクを潰してみじん切り。

 フライパンに油を敷いてニンニクを入れて火を点ける。

 香りが立ってきたら鶏ハツをいれて炒める。

 そこにキャベツを加えてしっかり火を通す。

 味付けは塩コショウと醤油を一回し。

 これで鶏ハツとキャベツの炒め物の完成。

 大根を皮を剥いて半分に割る。

 それをいちょう切り。

 塩を振ってしばらく置いてしんなりさせる。

 よく洗って水気をしっかり切って叩いた梅干し、ポン酢で和えたら大根の梅和えの出来上がり。

 汁物は大根の皮のみそ汁。

 冷凍ご飯をチンしたら鶏ハツ定食の出来上がり。

 妻を呼んでいただきます。

 お昼なのでお酒はガマン。

 みそ汁をススッと啜って喉を湿らせる。

 鶏ハツ炒めはクニクニとした食感で臭みもなく食べやすい。

 ニンニクの風味が効いていてパンチがある。

 キャベツにも良く味が絡んでなかなかいい。

 ご飯は久しぶりに卵かけご飯にした。

 こっくりした粘りのある味わい。

 合い間に大根の梅和えを食べると口の中がさっぱりして食が進む。

 ご飯のお代わりをしたくなったがお昼なので一膳でご馳走様。

 ササッと片付けて用事に戻った。

 もう今はあまり怒っていないが昨夜の仕打ちにはがっかりである。

 お店選びは慎重にしたいなと思った。

 いいかい、贔屓筋ばかり大事にしてちゃそのお店は廃れますぜ。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?