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呼吸を止めて一秒あなた。

 先週の週末から高校野球の地方予選が始まった。

 私はそれなりに野球が好きなので移動中にラジオで中継をしていたらつい聞いてしまう。

 最近は地方予選でもテレビ中継をしていることが多いので作業中のBGM代わりにチャンネルを合わせていることも多い。

 私が好きなのは一回戦や二回戦といったトーナメント序盤での試合である。

 上位に行くのが間違いないと言われている古豪や強豪が思わぬところでポコッと負けたりするとおおっと思う。

 いわゆる番狂わせと言ったものだろうが一発勝負の舞台はまさに時の運と何とも言えない試合の流れのようなものがある。

 まあ大半の学校は実力通りに順当に勝ち進む。

 今年の優勝候補は一回戦をコールド勝ちで突破した。

 うーん、やっぱり強いところはスキがないなと思いつつ我が母校の事を振り返ってみる。

 私が高校生の頃の野球部はそれはもう涙が出るくらい弱かった。

 練習試合で勝利した時には小さなニュースになるくらいだった。

 私は卓球部だったのだが、野球部には同じクラスの子が沢山いたので友達だらけだった。

 威勢だけは良いファースト。

 ショートバウンドが苦手なセカンド。

 守備範囲のやたらと狭いサード。

 エースで四番だが防御率も打率もチームではブービー賞のピッチャー。
 
 誰よりも真面目に練習をするが万年補欠のライト。

 とまあ個性的と言えばこれほどキャラが立っている面々はそうはいないだろう。

 練習の合間に校庭の片隅にある卓球場に来ておい、勝負しようぜと言ってくるのはお調子者のファースト君だった。

 私は一切手加減せずにこてんぱんにやっつけると、おまえ強いな~と感心して野球部の練習に戻っていった。

 そういえばその頃の野球部には顧問はいたが素人で練習メニューは部員同士で話し合って決めていた。

 一年中走り込みと坂道ダッシュばかりしている姿をよく見かけた。

 そんな野球部だが夏になり甲子園の予選に参加する。

 先発は当然エースで四番。

 守備を固めるのはいつものメンバーである。
 
 一回戦を勝ち抜けるかが最大の山場なので応援に来いと言われていた。
 
 弱小部活の泣き所だがほとんどの生徒は野球に興味が無かった。

 当日に友達とスタジアムに足を運ぶと応援団以外には保護者がちらほらいるだけでいかにも寂しげだった。

 私はガランとしたスタンドで声も枯れよと応援をした。

 試合の展開は一進一退で手に汗を握るものだった。

 しかし中盤でエースの足がつって二番手の二年生に交代した。

 そこからはもう面白いようにパカパカ打たれた。

 あっという間に大量得点を許し一方的な展開になった。

 こりゃ、マズいなと思っているとどうにか相手を抑えてチェンジなった。

 このイニングで点を取らないとコールドゲームである。

 ツーアウトまではあっという間で、そこで監督が補欠のライトの子を代打に出した。

 いわゆる思い出代打だがやる気満々のライト君は思い切りバット振ってサードの頭をぎりぎり超えるヒットを放った。

 おおっ、と思って盛り上がっていると次の打者の二年生があっさりピッチャーゴロを打って試合終了となった。
 
 なかなか見ごたえのある試合だったので私は大声でよくやったぞと叫んだ。

 試合後の学校で野球部のメンツに会ったら何だか清々しかったので、青春の区切りがついたのかなと思った。

 それからそいつらと一緒にカラオケやゲーセン、ナンパなど受験生にはふさわしくない遊び三昧の夏を過ごすのだが、それはまた別の話。

 今年の母校の試合は二回戦から、見事突破して久しぶりの三回戦にコマを進めてもらいたい。

 そんな事を思いながら昨日の晩御飯のお話をいかがでしょう。

 昨日は冷やし中華にチャレンジ。

 まずは具から。
  
 ハムを細切り。

 フライパンを熱して薄焼き卵を焼く。

 粗熱が取れたら錦糸卵にする。

 キュウリを細切り。

 みょうがも細切り。

 これで具は揃った。

 つぎはタレを作る。
 
 鶏がらスープの素、麺つゆ、醤油、黒酢、砂糖、水、ごま油で少し濃い目のタレを作る。

 冷蔵庫で具とタレを冷やしている間に汁物を作る。

 カツオ出汁、醤油、砂糖、みりんでやや甘めのつゆを作る。

 沸騰させたら溶き卵を入れて軽くかき混ぜたらかきたま汁の出来上がり。

 では麺を茹でていく。

 チルド麺なので三十秒ほど茹でて冷水にとる。

 しっかり締めて具をのせてタレをかける。

 よし、冷やし中華完成と言いながら妻を呼ぶ。

 妻はやった、冷やし中華と喜んでいる。

 昨日のお酒はジンソーダ。

 みっちり氷を入れたグラスにジンと炭酸水を注いでステア。

 乾杯と言ってキュキュィと飲むとジンのハーブの香りが嬉しい。

 キンキンに冷えた炭酸で割っているので飲みやすい。

 いいねぇと思いながら冷やし中華を軽く混ぜて麺をすする。

 タレが少し水っぽくなっっており薄味になっていた。

 うーん、野菜と麺から水が出たかなと思って黒酢を追加したらちょうどいい塩梅になった。

 黒酢はこういった酸味の必要な料理で抜群の活躍を見せる。

 妻も黒酢を足してツルツルと食べていた。

 うん、美味しいよとは言ってくれたがもう少しブラッシュアップできるよなと思ったので納得はできなかった。

 麺類は難しいなと思いつつかきたま汁を合間に飲んで二杯目のジンソーダーをグィン。

 冷やし中華のみのシンプルなご飯だったので早めにご馳走様。

 さぁて、今日は母校の初陣。

 相手はスポーツに強い私立校。

 目指せかっちゃん、甲子園。

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