今日は朝から今年一番の冷え込みという事でとても寒かった。

　まず目が覚めてから布団から出るのが億劫になったのですぐに部屋のエアコンをつけたがなかなか温まらなかった。

　もうこのまま布団と一体化したいと思ったがそうもいかないのでエイッと気合を入れて起き上がった。

　それからカーテンを開けると外はうっすら雪景色だった。

　今年初の積雪で庭に三センチくらい積もっていた。

　どうりで寒いはずだと思って庭に出て雪を握るとキュッとした手ごたえがあってすぐに指先がかじかんできた。

　雪だるまを作る時間はなかったので簡単に雪ウサギを拵えて庭のヒイラギを耳に見立てて南天の身を目にしたらそれなりに立派なものが出来た。
　
　一個作ったら満足したので写真を撮って日の当たらない場所に移動させておいた。

　少し遊んでいるとすっかり体が冷えたのでお湯で手を洗ってコーヒーを淹れてトーストと一緒に朝ご飯にした。

　あまりにも冷えるのでスマートスピーカーに今日の気温は何度？と聞くと最高気温が一度で最低気温がマイナス一度という無慈悲な数字を教えてくれた。

　朝のゆったりした時間もほどほどに今日は冬用の靴下を二枚重ねにして出かけた。

　車の移動が多い一日だったが時おり雪が激しく舞うことがあり寒さにやられた。

　移動中によく聞く地元のラジオ番組でも寒さの話題ばかりでさもありなんと思った。

　ああ、今日は早くお風呂に入って温かいものを食べるんだと思って一日を過ごした。

　夕方に体が空いてから馴染みのスーパーに足を運んだ。

　何を食べようかとしばらく考えたが今日はほっこりするものが食べたいと思った。
　
　そこで食材をあれこれと買い集めてお酒も忘れずにかごに入れた。

　セルフレジで会計を済ませて帰宅しようとすると雪の影響かやたらと道が混んでいた。

　ううん、参ったなぁと思いながら牛のような歩みでじりじりと進んで帰宅した。

　家に帰るとここは冷蔵庫の中ですかというくらい冷え冷えとしていたので居間のエアコンを今年最強の二十六度の強風運転にして部屋を暖めた。

　それから台所に電気ファンヒーターを持ってきて強運転をした。

　もちろん居間のこたつも強運転で抜かりはない。

　まずは手洗いとうがいをしてお風呂にじっくり入って身体をしっかりと温めた。
　
　だいぶ人心地がついたので髪を乾かして晩御飯の仕込みをする。

　今日の献立は豚汁とだし巻き卵と春菊のお浸し。

　豚汁用に豚小間肉をほぐしておく。

　野菜は玉ねぎと人参としめじ、えのき、里芋とさつまいもをそれぞれ皮を剥いたり石突を取ったりと下ごしらえをする。

　野菜の処理が済んだら鍋に油を敷いてそこに豚肉を入れて軽く炒める。

　豚肉の色が変わったらそこに野菜をドサドサと投入して水を注ぐ。

　沸騰するまでは強火で煮立ててそこにカツオ出汁と昆布だしを加える。

　鍋が沸いたら火加減を中火にして酒をドブリと入れる。

　後はアクを取りながらコトコトと煮込む。

　その間に副菜を作る。

　だし巻き卵は冷蔵庫の卵の賞味期限が今日までだったので豪勢に四個使う。

　卵をボウルに割り入れてよくかき混ぜる。

　そこに水で薄めた白だしと醤油をちらりと回しいれる。

　後は玉子焼き器で巻きながら焼く。

　たいして難しい技術でもないし失敗しても味に影響はないので気楽に作るのがちょうどいい。

　大体巻き終わったらラップで成型して少し冷ましておくと後で切りやすい。

　次は春菊のお浸しを作る。
　
　水でよく洗って根元の泥を落としてレンジでチン。

　アツアツのところを水に取り分けてキュッと絞る。

　それを一口サイズに切り分けて味付けはポン酢で決まり。

　仕上げに手捻りにしたゴマを振れば栄養バランスも良くなるのでお勧めである。

　副菜が出来上がるころには豚汁が煮えるので仕上げに味噌を溶き入れて牛乳をチョロリと加えて出来上がり。

　さあて今日のご飯もできた出来た。

　居間にご飯を運ぶと室温がずいぶん温かくなっており和やかな気持ちになる。

　今日のお酒は芋焼酎のお湯割り。

　焼酎３対お湯７の割合で梅干し入りにする。

　ではいただきますと声に出してお酒をチュッと飲む。

　芋の風味が口の中に広がりホワンとする。

　胃の方に温かな液体が流れていく心地よさがなかなかいい。

　さて何から行きましょうかねと思っておかずを眺めてまずは春菊から箸を伸ばす。

　パクリと食べるとキュキュッとした歯ごたえがする。

　その後に少し癖のある風味が口に広がる、後からゴマが追いかけてきて食べていて味の変化が楽しい。

　芋焼酎で追いかけるとこれがまたなかなかの相性でウムウムとなる。

　お次は卵焼きを食べる。

　だし巻きなのでジューシーでプルプルと柔らかくて優しい気持ちになれる。

　これまたお酒によく合うつまみである。

　さて、では焦らしておいた豚汁に手を伸ばす。

　器を持ち上げるとほんのり暖かくてそれだけで嬉しくなる。

　ズズッと汁を飲むと豚肉のコクと色々な野菜から出た出汁が口の中に広まってかなり美味しい。

　具だくさんに仕込まないとこの味は出ないんだよなぁと思いつつもぐもぐと食べながら汁を飲む。

　今日の豚汁にはサツマイモが入っているので自然な甘さがして素敵な味わいである。

　仕上げに牛乳を入れるのは母のレシピ直伝である。

　味が全体にマイルドになってちょっとシチューのような感じになる。

　そういえば最近見たテレビで料理上手のアイドルが豚汁の隠し味にコチュジャンを使っていたのでこれもいつか試してみたい。

　そんなことを考えながら芋焼酎と豚汁のお代わりをしてチビリチビリと飲んで食べた。

　お腹いっぱいになるまで食べたらすっかり体が温まった。

　片づけをしてごみ捨てに外に出たらまたうっすら雪が積もっていた。

　うーん今日は温かくして眠ろう。

　さぁて明日は何を食べようかな。

　本日もごちそうさまでした。