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日がな一日

最近、警備員のバイトを始めた。
【https://note.mu/0130ellesig/n/ne4d32127628e】
で言っていた短期バイトのことである。


ずっと立っているだけだ。俺ァ案山子か。立っているだけだとひたすら虚無になる。正気を失っているからこそわかる...。
右手に警戒棒をもってひたすら交通整理をする。じわりと右腕が重くなってくる。ただの繰り返し作業ほど退屈なものはないな。

嫌でも思考を巡らせることになる。

通り過ぎていく何人もの人、人、人、を見ているとやはり色々と考えてしまうのは致し方ない。みんな何を思って歩いているのか、読み取れたらおもしろいなって。

顔、表情、髪型、服装、持ち物、胸、脚。人間いろいろと見るところはある。
この人は今日どういう心持ちで今ここを歩いているのか、そんなの分かるわけがない。分かるわけないけど、なんか分かる気がする。それほどに、人間の表情って豊かなんだよなぁ。

目ってスゴい。目と目が通じ合えば〜みたいな陳腐な歌詞をよくJPOPで見かけるが、あながち間違いじゃないぞこれ。
目の角度、開き具合ひとつで印象がガラリと変わる。警備員だから車を止めることもあるのだが、気性の荒い人はもう目が違う。野獣の目だ、ヤのつく人の目だ。対しておっとりした人は目が優しい。目が優しいって表現としておかしいが、確かに優しいのだ。
ゆえに、私は人の目を見るのが怖い。怖くてたまらない。

人間観察なんかもそうだが、やはり自分と照らし合わせてしまうのが実に陰キャらしい私。

この人は今何歳で、恋人がいて、今日はデートで、いやいや学校帰りの買い物か?好きな服はなんですか、好きな本は好きな食べ物は...

バイトをしている時間にすれ違っていく人、バチコリの一期一会、おそらくこの先会うことはないだろうし、仮に再会しても気づかないだろうさ。
でも、一生会わない人達だからこそ、いろいろ考えるのが楽しい。私はこのバイトを楽しめているはず。ほら、夕日が綺麗。

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