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「そして、バトンは渡された」を読んで考えた子育てのこと


今日はまた、読書感想文です。

「三千円の使いかた」も、そうだったんだけど、またしても、ずっと本棚に置いておきたい本に出会いました。自分の軸として真ん中にもっておきたい、忘れるたびに思い出したい価値観がつまった本。

「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ(著/文)
kon.に教えてもらった版元ドットコムを使ってみた!笑

もともと瀬尾まいこさんは、スッと入ってくる言葉と温かいストーリーで好きな作家さん。この本は2019年の本屋大賞、令和初のベストセラー、映画化もされ大ヒット…と話題沸騰だったので、今さらながら期待大で読み始めました。



文の引用をしているので、ネタバレが苦手な方は以下ご注意ください〜









主人公の優子は、親が4回変わっている高校3年生。最後の学校行事、受験、さらにその先まで、人生の岐路での家族との関わりを描いた物語。

まず、とにかく優子が魅力的。芯が強く、他人を受け入れる力があって、素直で明るい。
だいぶ年下なのに、こんな女性になりたいな〜と憧れる。

そして、優子の親も多様で魅了的。それぞれ違う愛し方で、優子を育ててきた。朝ごはんにすら、食パンだけ、きちんとした和食、と家族の色がでる。
この物語の素敵なところは、どんな家族の在り方も否定していないところ。
優子が「あのときの家族が良かった」と、環境を比べて卑屈になることがないの。どの家族も良さを見つめて、悪いところを消化している。
子どもに与えられるものって人それぞれだと思うから、多くの人が優しい気持ちで読める本じゃないかな。


最近の私は「子育てってどうなんだろう」と考えすぎて、少し憂鬱になっていた。

子どもは可愛いと思うし、いつか育てたい。もう30歳になるから、妊娠のしやすさを考えると早く産んだ方がいいのは分かる。もちろん、友達の子育ては心から良かったなぁと思うし、尊敬する。


でも私には、できる気がしない。今の私は思いつきで好き勝手に行動してしまうし、いざとなったら環境だってガラリと変える。しんどいときは辞めてしまってもいいと思っている。

一人ならそれが許されるけど、子どもができたらそうはいかない。ちゃんと親として、子どもを育てられる素質があるだろうか。


子育てをするからには、自分の人生よりも子どもを大切にしたいと思う。できる限りその子に愛情を与えたい。
産んだことへの後悔なんて、絶対にしたくないし、それを子どもにぶつけたら思うとゾッとする。


今はまだやりたいことがあるし、環境的にも成熟度的にも、親になる覚悟はできない。でも覚悟ができたときに産める体か分からない。そもそも私に覚悟なんてできる日がくるのかな?

…なんて、結婚もまだなのに頭を抱えていた。笑


そんなモヤモヤを、この本は軽やかに笑い飛ばすみたいだった。

だってどの登場人物も、血が繋がっていない優子の親になれることを「幸運だ」って言うんだもの。

この本を読んでハッとした言葉がたくさんある。中でも

親になってから、明日が二つになった
自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくる



というのは衝撃だった。

きっと、いま自分が考えられる悩みなんて意味がないくらい、子育ては予想外で、無限に広がる未来をくれるものなんだろうな。


やっぱりいつか、子どもを育ててみたい。kon.の子育てへの思いも、また改めて聞いてみたいな。


家族でいちばん大切なことは、家族を続けることなのかもな、と思った。



ではまた〜

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