「想いが伝わる」
先日、清澄白河にあるリトルトーキョーで開かれたエディターズトークにて、
雑誌【nice things.】さんのおはなしを聞いてきた。
話をしてくださったのは、編集長と編集スタッフ2名。
穏やかな空間と時間のなかで広がる世界観。「nice things.」に込められている想いとは一体なんだろうか?
nice things.とは?毎月23日ミディアムから出版されるライフスタイル情報誌。主に暮らしや生活に縁のある人の紹介がされ、これからの暮らしのヒントにきっと巡りあえる。そんなひと時を過ごせる1冊。
現在、販売されている紙媒体で、雑誌の売り上げは右肩下がりなんだそう。 twitterやInstagramなどのSNSやキュレーションサイトを開けば、今のトレンドや知りたいことは、財布からお金を出さなくても入ってくる。
そのためか、わざわざトレンドを知るために雑誌を購入する必要性は低くなっていると思う。また、雑誌の内容よりも付録のために買う人も多い。雑誌が発売された後のinstagramには、雑誌よりも付録の写真が多いのはそのせいなのかもしれない。
ってなると、たくさんの情報が溢れている今日では雑誌の立場は危うい。
nice things.編集長が考える雑誌とは何か。
私にとって印象的だったことは3つ。
・書店でワクワクすること
・ライフスタイルに近いところから得るヒントや刺激が存在するもの
・適度なノイズがあること
常に仕事に追われる生活を送る人が多い都心にいると、ワクワクするような余裕がなくなってしまう。そんな時に少しでも生活のどこかに余裕ができて、そこに心躍る何かがあったらいいなと思う。そんなライフスタイルを送るために、適度なノイズは必要な気がする。それも、実際に取り組んでいる人からである必要がある。
かっこつけず、泥臭く
目立ったモデルやアイドル、ファッションがあるわけではない。付録もない。 なんだか泥臭いような気がするけれど、果たしてそうだろうか?
「きらびやかさに溢れ、綺麗に整列された言葉が並ぶもの」と「持続するベーシックで、その人らしさと想いがあふれるもの」人はどちらが好きなんだろう。
編集長は言う。
「どうやったらウケるかというよりも、どういった人格(nice things.)をつくるかということ。」
「有名や無名関係なくいいものを置く。」
「nice things.が他の雑誌と異なる部分は、儲けるための雑誌ではないということ。」
広告のために、バズるために、雑誌を出しているわけではない。 生活や暮らしにまつわる「人の紹介」にこだわっているのは、そこに伝えたい想いやモノ・コトがあるからなのだろう。
「得たいものは調べれば出てくるのが普通かもしれない、けれどここに答えは載っていない。だから、読みながら探検するような気持ちで自分なりに見出してほしい。」
参考書に載っているような正解はない。
人が一人ひとり違うように、その人に合うものもまた違う。
どのように「人」を選び、nice things. は世に出ていくのか?
「取材させていただいた人からの紹介です。」という返答に驚いた。
誌面に登場する人たちは、出版社側でピックアップするのではなく、取材先で出会った人に紹介してもらい、全国各地へ赴くそうだ。
取材現場では、相手とゆっくりじっくりと会話を重ね、その人が過ごす時間をともにする。長いと半日にも及ぶという取材。時には、食卓も一緒に囲むのだとか。
「想い」を共有するには、充分過ぎる時間に見えるかもしれない。でも、そんなことはないと思う。
「1回の取材でその人の全部はわからない。けれどそんな中で、その人の想いをどう伝えていくか葛藤しながら言葉にしていく。」
「残していきたい価値あるものがある。」
こう語った、編集スタッフさんの言葉が忘れられない。
***
「飾らない言葉で伝えていくこと」
それが故か、nicethings.の表紙は限りなくシンプルで、言葉は素直だ。
大切にしておきたいコトが、また一つ増えた。
おまけ
イベントのレポートというよりも感想文ですね。 参加している方のほとんどが編集関係やデザイナー、それを学んでいる学生さん。場違いな感じがありましたが、直接編集の方の話を聞けるという贅沢な時間を過ごすことができ、現場のイメージが掴めたのは自分にとってはとても大きかった!!
伝わる文章が書けるように、自分をより豊かにしていこうと思います。
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