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心は鏡のように✨


私は、外国人のための「介護の日本語」の
専門日本語講師でもあります。

介護福祉士国家試験をめざす外国人介護士さんに
チームで作成している
「介護の日本語」の動画を見てきてもらい
オンラインでライブ授業をしています。

私は最近、授業のはじめに
「良かったことや嬉しかったこと」を聴いています。

どんな小さなことでもいいのです。
むしろ、日々の小さな喜びに気づいて感謝できると
人生が豊かになると思えます。

皆さん、良かったことを話す時、必ず笑顔になります。
そして、はじめに聞いてから授業を始めると
全体的にHappyな気分で進められます。

例えば
・お祭りに行った
・花火を見た
・ひまわり畑に行った
・友達と母国の料理を作って食べた
・今日のお昼ごはんがおいしかった
・暑かったが、雨が降って涼しくなった
・ボーナスをもらった(→国の家族に仕送り)
など
普段の皆さんの様子を垣間見ることができます。


利用者さんが、私の名前を覚えてくれた
と言った人もいました。
外国人の名前は、難しいので
なかなか覚えてもらいにくいのでしょう。
認知症で新しい記憶が定着しない人もいます。
「そこの人」ではなく
名前で「〇〇さん」と呼んでもらえると
やはり嬉しいんですね。
それを聞いて私も嬉しくなりました。
(※「利用者さん」とは、介護保険を利用している人のこと)


そして、先日
元気だったこと」と言った人がいました。
この一週間、病気にならず
元気でいられたことに感謝しているのです。
本当に大事なことだなと思いました。

家族と離れ
日本という異国に1人で来て
病気になることほど、心細いことはありません。

自分も異国で経験しているので
痛いほどわかります。

それから、その日は
数回、病気で欠席していた人が
久しぶりに出席してきた日でした。

その人にも
「大変でしたね。
元気になって本当に良かったです。」
と心から思い、伝えました。

普段はおとなしい人ですが
笑顔で、いつもより積極的に参加してくれました。

他にも、日本語力の低い人がいて
どうフォローしたらいいか悩んでいました。
(ブレイクアウトでミュートにしてしまって
全然発言しない時もあり)
でも、その日は
流暢ではありませんが、その人なりに発言していました。
私も「大事なことですね」と感謝し、褒めました。

全体的になごやかムードでした。

最後は「また会いましょう」という手話を
紹介して、みんなでやってみました。

また会いましょう(手話)


********** *  *   *


実は、前の授業と今回の授業は
雰囲気が違いました。
今回の方が皆の参加度が高かったのです。

何が違ったのだろう、と考えました。

そして、学習者ではなく
私の接し方、心のありようが
違っていたことに気づきました。

その日の私は、いつもより
慈愛の心があふれていた気がするのです。
心が和やかでした。

それがそのまま
その日の授業の雰囲気に反映されたように思います。
まさに鏡のようだと思いました。


* *  *

異国の地で働きながら勉強もしている人たち。

この異常な猛暑が続く中での
お風呂の介助は、どんなにハードでしょう。
(ちょうど、その日のテーマが「入浴介助」でした)

私も以前、ホームヘルパー2級の実習先で
(=現在の初任者研修にあたる)
お風呂の介助を経験しましたが
春先でも全身汗びっしょり、体力を消耗しました。
利用者さんがお風呂場で転倒しないように気を遣いますし
プライバシーにも配慮しなければなりません。

彼らが、汗水たらしながら
日本の介護現場で働いている姿を想像すると
頭が下がります。
いくら若くても、倒れやしないかと心配で
よく「水を飲んでくださいね」と言っています。

勉強の好き嫌いや
日本語能力の差はありますが
それぞれ、がんばっているのです。

それなのに
日本語力が低いことを勝手に心配しても
私一人の力ではどうにもなりません。
むしろ、私がどうにかしてあげたい、などと思うのは
おこがましいのかもしれません。
もちろん、日本語力を伸ばすために
今後も工夫する必要はあります。

でも、一番身につく学び方は
体験と知識の融合”
実際の現場と専門知識が結びつくことだと思います。
それから、施設の職員さんや利用者さんたちに好かれること。
人間関係がよければ
職場でのコミュニケーションで、日本語力は向上します。
私の支援など、ほんの一滴にすぎません。

事前に動画を見てこられなくても
まず授業に出席したことだけでも
良しとしよう、と思い直しました。

異国でがんばっている彼らが
少しでも笑顔になれるように
安心安全の場づくりを心がけたいと思います。


そして、もっと彼らの力を信じてみようと思いました。


私はサポーターの一人として
北風ではなく太陽のように
温かく見守っていきたいと思います。🍀





🌈Special thanks to ハウズ店主@noteさん
(表紙イラスト・クリエイター)

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