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警察官を辞めます

口頭で退職を申し出たはいいものの、決裁に上げるための辞職願ってどうやって書けばいいんだろう?

と思っていたら、結構偉い立場の上司から
「◯日までにこれに名前と日付入れて出してね」
と直接メールで書類の様式が送られてきました。

旅立ちに縁起のいいと言われる寅の日に出しました。



お久しぶりです。
一昨年の年末にコロナにかかって以降、怒涛の年明け、人事異動、息子の入学etcでしばらくnoteを離れておりました。

今年は人生が変わった年なので、記録としてnoteを書いている次第です。
まぁ要はタイトルのとおりですね。

はい!仕事辞めます!

今月末で。まだギリギリ現職です。
前にも書いたのでご存じの方もいると思いますが、私警察官なんですよ。

そう、それ。今頭に浮かんだやつ。
ちがうちがう!ミニスカポリスじゃない!
風俗店でコスプレ取調べプレイ中にガサ(捜索差押)に入るくらい気まずいものはないんだよ!

警察24時は誰でも見たことあると思います。
でもアレに出てくる人ってどこに出しても恥ずかしくない人を出してますからね。
みんながみんなあんなに優秀な人ばかりではないです。
私はいつまでたってもウダツの上がらないポンコツでした。


昨年は本当に大変でした。

小学生になった息子は、
 一学期は授業中に教室から逃亡する
 二学期は教室にいるけど机に座らない
 三学期は机に座る
という感じで、しょっちゅう担任の先生から電話がかかってきていました。

なんで教室から逃げるの?
なんで体操服着替えるの嫌なの?
なんで友達噛むの?
ねぇ、なんで?

学童に迎えに行って、先生からお話がありますって職員室に行くように言われるんじゃないかと怖かったです。

息子が喧嘩した相手の子の保護者からお怒りの電話も受けました。
一方的に息子が悪者にされてしまい、もう弁解する気力もなくて息子の名誉を守る気にもなれませんでした。
ごめん息子。先生は理解してくれたから許してくれ。
母は仕事柄、争いごとは胸やけするくらいお腹いっぱいなのだ。

そんな、とにかく全方位に謝り続けた一年でした。

あと夏休みは息子は学童に預けるので毎日お弁当を作らなければならないのも大変だった。
料理下手にはめちゃくちゃつらかった。

一方娘が通う保育園では、なぜか保護者会の役員になってしまったため、休日に集まって夏祭りの企画準備をしなければならないという無償労働が発生。
ちなみにクリスマス会では保護者会による出し物という公開処刑に処されてきました。
ジャンボリミッキー全力で踊ったよ!
特殊詐欺被害防止講話のノリで司会してやったよ!

とにかく毎日へとへとで、口から魂がはみ出ていた私に夫は「大変だね」と完全に他人事。
くそ、家庭内暴力をふるいたい。

さらに仕事の方はというと、全くやったことがない業務をすることになってしまい、毎日綱渡りするような気持ちで飛んでくる仕事に耐える(こなすとか捌くとかではない)日々。

上手くいったとか、これはできたとかそういう達成感みたいなものは、家でも仕事でも一つもありませんでした。
気持ち的には

もうこれ以上荷物は持てません


と叫びたいのに、どの荷物も捨てられないし逃げられないし、
朝から仕事に行きたくなさすぎて涙が出てくる
というところまでいきました。

冷静に考えると

①苦手なことをしなければいけない場面が多かった(他人との話し合い、交渉、連絡調整など)
②懸念事項が多すぎて休日に気持ちの切り替えができなかった(ワーママっていつ休むの?)
③自分の努力や決断で変えられるものがなかった

ことがものすごくストレスでした。特に③。
常に後手の状態で、一人で決められないけど責任は負わなければならない、みたいな状態。
つらい。

きっと今年が一番きついだけで、ずっとこの状態が続く訳ではないことは分かっているけれども。
私のこんなしょっっっぼい働き程度ではとてももらえる給料じゃないと分かっているけれども。

もういやだ。むり。


と心底思いました。

決定打は昨年のとある日曜日の夜。
ものすごく体が怠くて月曜日の出勤が嫌すぎて、夫も当直でいなかったので一人で号泣しました。
子どもたちを寝室に入れて、リビングに戻って一息ついたら何かが切れたんですね。
仕事行きたくないよー。゚(つД`)゚。エーン!みたいな。


そしたら次の日熱発しました。
インフルエンザでした。


なんだよー、昨日の情緒不安定はインフルのせいじゃーん。
驚かせんなよー、メンがヘラったかと思ったじゃーん。

と熱で朦朧としながら朝から娘の弁当を作って子供たちを送り出したのですが、ボーッとした頭で不思議と確信しました。

体調不良も分からなくなってるってやばくない?

日常的な倦怠感とインフルエンザの倦怠感の区別がつかないって相当じゃない?
身体の感覚が鈍いというか、疲れすぎて疲れてるのかどうかが分からない感じでした。
うーん、伝わるでしょうか。

タイミングがいいことに、このインフル中に退職を後押しする良い出来事がもう一つあったのですが、それはまた別の話でまとめようと思います。

とにかく、もうこの荷物は下ろしていいかな、と気持ちが切れた日でした。

縁あって就いた仕事で、貴重な経験もさせてもらって、人生観や世の中の見方は大きく変わりました。
上司も同僚も面白い人ばっかりで楽しいこともたくさんありました。

警察学校で苦楽を共にした同期は「辞めてもずっと同期だからな」と送別会をしてくれました。
(死ぬほど怒られてた奴が警部補になってたけどこの組織は大丈夫なのだろうか…)
会えば必ず20代の頃に戻れる同期と一緒に退職するのが夢でした。
ウェーイ!お疲れー!オッサンになってんじゃーん!つって。



でも私には荷が重すぎる仕事でした。
通報が入るたびに怖くて、事案のストレスを家に持って帰ってしまう。
最近はもうニュースを見るのもつらくて、事件報道は見れません。

警察24時って、アレあくまで放送できる内容ですからね?
私はあの番組を見ると動悸がして手が震えます。

だからもう少し平和な仕事がしたい。

そんなわけで、来月からはパートのおばちゃんになります。
今必死で簿記の勉強をしています。

警察官を目指す方は頑張ってください。
大変ですけれど面白い職場です。
警察官の方は、受傷事故のない警察人生を。
警察なんて縁がないという方は、どうかそのまま縁のない人生を。

わーい!
一般人だぁぁぁぁぁぁ!




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