638回の暗殺未遂 1000億の歴史の旅#5

「世界で最も命を狙われた人」と聞くと、誰を想像するだろうか。

チャーチルの記事で紹介したアドルフ・ヒトラーだろうか?それともイタリアのムッソリーニ?

答えは、キューバの元最高指導者、フィデル・カストロだ。

彼は638回もの暗殺未遂を生き延び、2016年に病気により90歳で亡くなるまで生き続けた。

なぜ彼はそこまで命を狙われたのか?そして、なぜ彼は生き延びることができたのか?

それを解き明かすためには、まずカストロの人生について書かなければならない。

カストロは1959年に革命を成功させてから、事実上の独裁体制を取り政治を進めた。

その中でソ連と接近し、アメリカとの関係が悪化していく中で、彼は共産主義・社会主義国として国をまとめ上げていくようになった。(彼は元々共産・社会主義ではなかった)

こうして、特にアメリカのCIAなどから命を狙われ続けることになるのだ。

そう、この暗殺計画にはほとんどアメリカが関わっていたと言われている。

その暗殺計画は、スキューバダイビングのスーツにバクテリアを注入したり、毒薬を持ったコールドクリームを側近を通じて部屋に持ち込んだり、様々なことをしている。

ひどい話ではあるが、ここでアメリカを責めても意味がない。

僕たちはこのような事実があったということを知ることが目的だからだ。

ではなぜ、カストロは生き延びることができたのか。

それは、CIAの作戦があまりにも非現実的だったということもあるが、彼の「運」と言わざるを得ないだろう。

例えば、ヒトラーなども暗殺計画があったとされるが、演説が早く切り上げられてヒトラーが会場を去った10分後に爆発したりだとか、成功したのにヒトラーだけ軽傷で済んだと言った「運」を持っている。

それは単なる偶然だったと考えるしかない。

しかし、そのような人間が歴史を動かしているという事実は古今東西で確認されている。

その持ち合わせた強運は、行動を起こせる人のみにやってくる。

行動を起こせないと「運」以前の問題で物事が始まらないからだ。

チャンスも同じで、行動を起こす前にはやってこないのではないか。


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