おおかみこどもの雨と雪

観ました。WOWOWで。(主人がテニス見たさに契約した)
綺麗ですね。子供の成長の物語か〜なんて思いながら見ていて·······嫌ですね大人って。でもまあ大人になちゃったからなと思いつつ。女の子と男の子の性別による精神の成長の違いなども表れていて、面白かっったです。

一つ私の母を説明するのにうってつけのシーンがあったので拝借したいと思います。

雪が、女の子は小動物の骨やトカゲの干物などを集めて宝物になどしない、それがわかって恥ずかしい思いをした、というシーンがありました。そしてそれを理解した母親が、私にワンピースを創ってくれて、それがとても助かったというエピソード。

私の母親は、こういう事に全く疎い、感知しない人でした。これに限らず、私の母親像に、掃除や料理をしている母親像は全く浮かびません。母親と聞いて真っ先に浮かぶのは、テレビ見てる姿です。しかも話の単純な時代劇。水戸黄門がお気に入り。始まっちゃうと終わるまでテレビにかじりつき。何度父親が促したことでしょう。促したところで聞き入れはしなかったけれど。

一緒にキッチンに立って料理をしたこともないし、当然教わる事もない。買い物も一緒に行った事はない。食材はもちろん、洋服を買いに行ったことすらありません。買ってもらった事もありません。化粧もしていなければ、裁縫もしたこともない。

いや、裁縫は、ありましたね。スカート(もらい物)の裾がほころびて、縫った事はありますが······学校で当時の担任の先生に指摘されました。”ガッタガタで、色もチグハグ。みっともない”と。見兼ねて”父親”が”ミシン”で縫い直してくれました。ミシンなんて母親扱えません。

洗濯だって常にセーターはチクチクしていて、靴下はピンクに染め上げられました。柔軟剤の存在やセーターの洗い方(手洗い、専用の洗剤で洗う等)白物は分けて洗う、漂白剤の存在、全て後々から知り、母親に何度か物申した事もあるのですが一向にかまう気配はなかったです。自分でできるようになってからは自分でやるようになりました。

なんとなく頼れない、という事は感づいていましたが、はっきりと認めたのは鬱になってからです。私の家庭はごく一般的に母親から教わる色々な物事を何一つ教えられていない家庭だったのです。

機能不全家族という言葉を知りました。父親が父親の役目をしない。母親が母親の役目をしない。だから代わりに家族の誰かがその役目を担う事になってしまうと。

こういうと若干の誤解を招く事になりかねませんが、例えば本当に母親がいないだとか、父親がいないだとかの場合、自覚ができますが、私(家)の場合、なまじ居るものだから期待はする。でもその期待は果たされない。子供がそのまま子供だけ産んだような人。

私が実家離れて一人暮らし(正確には半同棲)始めた時、父親が母親にあの自転車を上げたら?と提案したのを泣いて嫌がったそうです。それは何かの懸賞で当てた自転車で、他に母親専用の自転車があったのです。だから言うなれば誰も乗っていない余りものの新品だったのですが、それを私が持って行くのを泣いて嫌がった、ということでした。私の専用の自転車持って行きましたけどね。後々その話聞いても、あ、そう。という感想でしたが。

どういう訳か母親はクジ運は良くて、商店街のくじ引きだとかハズレを引いた事がない。いつだったかスイカ2個に醤油に米に何か、と5回引いて5回とも何か当ててきた、なんて事もありました。でも宝クジだとか海外旅行だとか大きなのは当たらない。

いつだったか、仲の良い友達の家に遊びに行った時に、その友達のお母様が、友達の胸を気にした「まだ大きさ大丈夫?合わなくなったら直ぐに言って」の会話に衝撃を受けたのです。友達が遊びに来ている目の前でおおっぴらにその話をいきなりする事も驚いたのですが、それ以上に娘の思春期の胸を、気遣う母親に衝撃を受けたのです。何と表現したらいいのかわからない衝撃。

私?私は「そろそろ着けた方がいいよ」と、何と同じクラスの女子に指摘され、そして当時月2000円という小遣いはたいて自分で買ったのです。悩みに悩んでスポーツブラでした。価格980円。母親に相談?しません。そんな事相談も出来ない母親だってわかってましたから。母親ブラジャーなんて持ってませんでしたし。

こんなエピソード、探したらいくらでも出て来ます。飼っていた犬が死んでしまった時に生ゴミとして処理しようとした話だとか。法的には、市役所処理としては何も間違ってはいないです。でもそれが一番安いからって····私の貯金使ってペットの葬儀屋に頼みましたよ。

(自分が)悲しくなってきて悲劇のヒロインぶってしまうからこのあたりでやめておきます。

唯一、丈夫に産んでくれた事だけですかね、感謝しているのは。

これから自己診断鬱病の、なってから回復までの過程を書いて少しづつアップしていく(予定、有料にするかも)つもりなのですが、ちょうどよい題材も幸いに手に入ったところでしたし、この母親の事も大きく関わってくるので、別の話として掲載しました。

なりたくない大人の筆頭として上がる私の母親を、ちょっとは伝えられたでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?