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飛行機で映画「銀河鉄道の父」を見て泣いた話

先日JALで成田からフランクフルトに飛んだ際、たくさんの映画を見ました。なにせ15時間も時間がありましたので(現在ロシア上空が飛べないために平常より時間がかかる)。「ラ・ラ・ランド」「イチケイのカラス」「名探偵コナン 黒鉄のサブマリン」など。でも一番印象に残ったのは「銀河鉄道の父」でした。

2023年5月に劇場公開された宮沢賢治とそのお父さんを題材にした映画です。飛行機の中にもかかわらず、感動のあまり咽び泣いてしまいました(笑)。機内の電気が消されていたので、そんなに変ではなかったと信じたいです。

成田出監督の作品で、菅田将暉が宮沢賢治役、役所広司が賢治の父の政次郎役です。二人の名演技もさることながら、父と息子の成長のストーリーに心が動かされました。父親の視点から宮沢賢治のことが描かれています。

宮沢家は代々続いた大きい質屋なので、父親は長男である賢治に店を継いでもらいたいと考えます。息子の興味、関心、向き不向きなどのことを考えずに、半強制的にです。父の期待に添いたいと思う気持ちはあるものの、期待に添えない賢治。芸術家素質の彼に、そんな商売が不向きなことは私たちならわかります。

「雨にも負けず」のデクの棒のように不器用な賢治ですが、徐々に作品を作ったり、農業の知識を地元の農家の人に教えたりして、自分の人生を歩き始めます。そんな矢先に結核で倒れ、37歳の若さで亡くなってしまいます。

父親は最後には、いい意味で諦めて、息子の個性を認め、第一のファンとして本の出版に協力します。「諦める」というのは「明らめる」だと聞いたことがありますが、いつもネガティブとは限りませんね。

そして妹のトシ。あの「永訣の朝」の「あめゆじゅとてちてけんじゃ」で有名な人です。賢治に作品作りを促したり、父親を説得して、賢治を進学させてあげたりしたキーパーソンです。そのトシも結核で若くなくなるのですが、認知症の祖父に向かって「きれいに死になさい」という言葉が印象的でした。その後に祖父を抱きしめ「怖がらないで。みんな死ぬのだから。」とフォローする言葉も心に残りました。

宮沢賢治は早く亡くなってしまったので、自分がこんなに後世で有名になるなんて考えもしなかったと思います。生前の彼に、今こんなに評価されてるよと教えてあげたいです。

日本に次に帰ったら、花巻に行って、宮沢賢治記念館を訪ねたいです。ついでに花巻温泉郷も。原作もぜひ読んでみたいです。

(おまけ)JALとタニタのコラボした機内食Sky Wellness Kitchenが美味しかったです。エコノミー症候群にならないように「よく噛む」という運動を意識されたようです。美味しい上に、健康にも良くて素晴らしい!


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