バニーボーイズ【ショートショート】
本日、とある喫茶店でバニーボーイの会というものが行われた。その喫茶店には、八人のバニーボーイが集まった。この会の目的は、それぞれがバニーボーイとしての悩みを語り合い、お互いに慰め合おうというものだった。集まった六人は、見た目で特徴が分かったが、あとの二人はこれといって特徴はなかった。
そして、最初のバニーボーイが話し始めた。
「皆さんこんにちは。僕は、生まれつきバニーボーイとして育ちました。僕のどこがウサギかというと、お分かりの通り耳がウサギなのです」
その男の耳は、頭の上についており人間の耳はなかった。
「ウサギの耳をしていて困った事は、耳が大きいので、騒音が異常に苦手だという事です」
男は悩みを話す。
「試しに、遠くの方で誰か小声で話してみてください」
すると、1人の男が立ち上がり店の端っこに移動した。
ボソボソ
男は何かを言った。
すると、耳がウサギの男は言った。
「分かりました。今、耳かわいいですねって言いましたね?」
「はい。すごいですね!」
こうして、男の順番は終わった。
次のバニーボーイが話し始めた。
「僕は、お察しの通り鼻がウサギなのです。ウサギの嗅覚は、人間の十倍と言われております。なので、街中にいると嫌な臭いで参ってしまいます」
周りは、熱心に話を聞いていた。
「あなた、カバンにキシリトールガムが入っているでしょう?」
そう言って、1人の男を指差した。
「はい。入っています」
すると、「おお〜」と歓声が上がった。
「好きな匂いはなんですか?」
と質問が飛んだ。
「私の好きな匂いは、ニンジンとキャベツの匂いです」
するとまた、「おお〜」と少し沸いた。
「これで、僕の時間を終わります」
そして、次のバニーボーイが話し始めた。
「皆さんこんにちは。僕は、お察しの通り目がウサギです。なので、ほぼ三百六十度見る事ができます」
男がそう言うと、「すげ〜」と言う声が聞こえた。
「では、試しに誰か後ろに立って指で数字を出してみてください」
そう言うと、一人が後ろに立ち指で数字を出した。
「分かりますか?」
「はい。三ですね?」
「正解です!」
「おお〜」という歓声が上がった。
「これで僕の時間を終わります」
そして、次のバニーボーイが話し始めた。
「皆さんこんにちは。お察しの通り僕は、手足がウサギなのです」
男は四つん這いになっていた。
「なので、食べ物を食べる時なんかはとても苦労します。お箸もスプーンも使えませんから」
「可哀想〜」という声が聞こえた。
「好きな人と手を繋ぐことも出来ません。全く不便な手です。だけど、僕はこの運命を受け入れています。なので皆さんも、これが自分なんだって受け入れて幸せに楽しく生きていきましょう!」
そう言うと、拍手が起こった。
「ありがとうございました」
そして、次のバニーボーイが話し始めた。
「皆さんこんにちは。私は、お察しの通り体毛がウサギなのです。なので、このように白い毛がふかふかと生えています」
周りのみんなは、その体に触り始めた。
「まあ、私はこの毛のおかげで、女性に可愛いと言っていただけたり、結構いい事があります。なので、私はこの体が大好きです。皆さんも、自分の特徴を好きですか?もし、好きでないなら、今日を機に好きになってみましょう」
また、拍手が起こった。
「これで終わります」
そして、次のバニーボーイが話し始めた。
「ふがふがふがふが」
すると、耳の男が言った。
「口がウサギなんだな!」
そして、男は頷き男の番は終わった。
「じゃあ次!」
耳の男は言った。
「はい。皆さんこんにちは」
すると、耳の男は言った。
「お前本当にウサギか?」
確かにその男に、特徴は見当たらなかった。すると、その男は、恥ずかしそうに言った。
「はい。実は、、、」
男は、ズボンとパンツを脱いだ。そして、アソコを見せた。
「アソコがウサギなんです」
一斉に笑いが起きた。そして、男は言った。
「笑ってもらえるなら、良かったです」
「よく勇気出したな」
耳の男は言った。
「はい。ありがとうございました」
そして、最後のバニーボーイの出番が来た。
「じゃあ次!」
耳の男は言った。
しかし、次のバニーボーイは、椅子に座り口をもぐもぐしたまま動きません。
「おい、お前だよ!」
しかし、全く聞いている気配はありません。
すると、皆んなが何かを察しました。
「もしかしてこいつは、、、」
そうです。この男は、、、脳みそがウサギなのでした。
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