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選択の大事さ

100BLGの伊藤です。入社1年目、修行中の僕が、BLGのケアの現場で感じたこと・学んだことを書いていきます。

選択することは生きること

私たちが生きるということは、常に選択し続けることです。朝起きて二度寝をするか起きるか、朝御飯は何を食べるか、何を着て出掛けるか、誰と会い、何をするか、そういった選択の積み重ねで私たちの生活は成り立っています。しかし、認知症や障がい、その他病気を持つ高齢者はその選択が極端に少なくなってしまうことがあると考えています。

よくあるデイサービスでは

介護サービスを利用する高齢者、例えばよくあるデイサービスに通う人は、その日に何をするかが決まっていることが多いようです。私は体験したことはありませんが、メンバーさんの中には「幼稚園みたいなところ」と表現する人もいます。もちろん決めてしまう方がスタッフとしては楽であることは分かりますし、中には決められたことに従って過ごす方が良いと感じる利用者もいるでしょう。しかし、全ての人がそう感じる訳ではありません。自分で選択する自由があるそんな場所があってもいいと考えます。

BLGでは

BLGは自分で選択する自由がある場所を目指しています。基本的に全てのことをメンバーさんに選択してもらいます。朝来てどこに座るか、午前中は何の活動をするか、お昼はどこで何を食べるか、午後の活動は何をするか、おやつは何を食べるか、全てはメンバーさん次第です。もちろん人員数の関係で、全員の方の希望に沿えないこともありますが、基本的に2〜4つの選択肢を用意して選んでもらいグループごとに活動や昼食に行きます。「俺はこれをやりたい!」そう言って自分で選択した活動をするメンバーさんたちは活動への意欲があり、いきいきしているように感じます。少しずつでも日々の生活に選択の自由があるそんな老後を過ごしたいと自分も感じます。
BLGで工夫をしていることの一つに、選んでもらうときに視覚情報も加えて選んでもらうということがあります。メンバーさんの中には、言葉だけで聞いても理解出来づらくなっている方もいます。そういう方には、活動中の写真やお弁当の写真を見せながら聞くことで、選択してもらいやすくしています。

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自分なりの気づき

選択することが重要だという話をしてきましたが、行き過ぎてしまうことはよくないという気づきがありました。
あるメンバーさんは、活動などを決めてもらう際になかなかご自分で選択をしてくれず、「他の人と一緒でいいよ」「なんでもいいよ」「任せるよ」と言うことが多々ありました。なぜ、選んでくれないのだろう?どうしたら選んでくれるようになるだろう?と必死に考えていました。
私はある日美容室に髪を切ってもらいに行きました。美容師さんは細かく「ここの長さはどうしますか?」と聞いてくれますが、あまりこだわりのない私はいつも「任せます」と言ってしまいます。
そこではっとしました。いつも「任せるよ」と言っていたメンバーさんも自分と同じ気持ちだったのだと気づきました。本人にとってはその選択は重要ではない、その日はたまたまなんでもいいという気持ちだったのかなと思いました。
もちろん言葉だけでは理解できないために選択できないといったように、何か障害があって選択できていない可能性も排除してはいけませんが、選択することにこだわりすぎると選ぶことを強制してしまうので、選択しないや誰かに選択を任せるという選択肢もあるということを頭に入れてメンバーさんと接したいと思います。

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