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パン友ができた? そして仕切り直しのときがきた?②

パン友との出会いの後に、さらに元気がでることがあったこの日。


もちろん、パン友おすすめのオレンジクリームパンが美味しかったのも、その一つである。
もう、パンが、ほわほわで持てないのである。
いや。
持てないのは、ほわほわだからだけではない。
クリームが、たっぷりのたっぷりのたっぷりなのだ。
オレンジピールが入っていて、ほんのりオレンジの香りがただようクリーム。
ほわほわパンの中、それがにぎっしり。
一口齧ると、そこからクリームがこぼれだす。
慌てて、クリームを止めようと、再度かぶりつく。
すると、口の中に勝手にオレンジ風味のクリームが、流れ込んでくる。
もはや飲み物である。
しかも、オレンジ風味が、幸せ気分を倍増させてくれる。
おいしい。
おいしすぎる。
なんなんや~~~~。


と、こんな感想を持つ前に、問診及び診察があったのだ。

これまでは、診察があり、その後に治療というコースやった。
診察も、特に体調の変化がないので、3分くらいで終了して、治療のブースに移動。
あっさりしたもんやった。

でも、今回は、看護師さんに別室に呼ばれ、いろいろと聞き取りをされた。
診察時間の短縮のためなんかなあ。

聞き取りをする看護師さんと、PCをパチパチさせて記録をする看護師さん。
なにやら、聞き取りシートがあるらしく、その項目に沿って、一つ一つ確認される。
これまで、ドクターと、何十回も繰り返したやりとりである。
が、今回は、
「体調面以外でも、何か気になることや、知りたいことがありますか。」
と、聞いてもらえた。

体調面以外でも?とな?

病院て、体調面以外も伝えてもいいのか?
次の患者さんのことを思うと、ついつい手短にすまさなくちゃと思うし、これまでのドクターとのやりとりから、なにか画期的な返事がもらえるわけもないやろうと、どこか諦めモードの診察タイム。

でも、今回は、少々時間をとってもよさそうな感じだったので、ちょっと思い切って、これからの見通しについて尋ねてみた。

もうずいぶんと同じ薬での治療が続いている。
それは、治療は必要とはいえ、とても恵まれていることやとわかっている。
でも、今後どうなっていくんやろうというのは、知りたいところ。

わかってる。
人によって、まったく違うってことはわかってる。
その人の体力や、お薬の効き様や、患っている部分や程度などに、大きく左右されることやから、はっきりと言えないことは、わかってる。
でも、少しでも、見通しをもちたいんやなあ。

そう。
見通しが好きやねん。
仕事でも、家のことでも、なんでも見通しをもちたいタイプやねんなあ。

だから、よくないなあと思いつつも、ついついいろいろと検索をかけてしまい、無駄に時間を費やすだけでなく、欲しい情報も得られず、気持ちがどよ~んとなる。
そんなことを、何度も繰り返している。

と、そんなようなことを、珍しく、素直に話せてしまった。

これは、パン友との出会いの力と、なんだかとっても話を聞いてくれそうな感じの看護師さんやったからやと思う。

お二人の看護師さんのうち、若い方の記録係を担当されていた看護師さんが、私の目を見て、力強くうなづいてくれる。

そりゃあ 知りたいですよね。



そう。そうなん。
わかってくれます?
うれしい。
これまで、こんな風に、知りたいよねって、言ってもらったことがなかって
ん。

「う~~ん。」

という、お返事ばかり。
それって、「う~~ん。」としか、いいようがないってことなんか?って、勘繰るしかないやん。
しょうがないけど。


でも、今回の看護師さんは、ちがった。

「あかつめぐささん。確かに、治療は長く続いていますよね。それは、おっしゃるようにすごいことだと思います。見通しになるかどうかわかりませんが、あかつめぐささんの治療回数を上回る方が、お1人いらっしゃいます。その方は、治療をすっかり生活の中に組み込まれておられて、そういうもんなんだって受け止めておられるようです。
そして、私どもの言葉で言うならば、
あかつめぐささんは、非常にラッキーなんだってことです。
ラッキー。
そうなんです。」

と、片手でこぶしを作って、なかやまきんに君の「パワ~~~ッ!!」のように、力強く腕を示してくれた。


ラッキー


か。

わかってたよ。
そんなこと。
自分でも、こんなに長く治療を続けられるなんて思ってなかったから。
知ってたよ。
でも、自分で思う言葉と、だれかに言ってもらう言葉とでは、こんなにも力強さに違いがあるんやなあ。

ありふれた言葉やのに、励ましてくれるには、簡単すぎる言葉やのに、なんだか、すとんと気持ちが落ちた。

これまでは、
” いつどうなっても大丈夫なように ”生活をしてきたけど、 
” なんかあったらちょっと困るわ ”っていう生活でもいいんとちゃうかって、思えだした。

せっかくのラッキーなんやったら、なかやまきんに君ばりの笑顔で、それを享受していかな、もったいないかもしれんなあ。

私の病状には何の変化もないんやけど、なんだか、大きな仕切り直しの時を
むかえたような。
一人で勝手にすがすがしくなってた。

「なんだか、悶々としていたものを、こうして話す機会をいただけたことは、私にはとっても嬉しかったです。」

なんて、バリバリ優等生のような言葉で、聞き取り面談を終えた。

その後のドクターの診察時にも、その面談シートが反映されて、
「おすすめはしないけど。」と前置きをしながらも、私の気持ちに添ったケースの紹介もしてもらえた。

いつもの、
「う~~~ん。」
から、一歩前進。
いやはや、大きい一歩やったわ。

仕切り直しや。

体力つけなあかん。
副作用を和らげるためにじゃなくて、やりたいことをやるために。
動き出さなあかん。
やりたいことを、少しでも実現させるために。

ほんま、仕切り直しや。

帰り道、ウォーキングで京都御苑を通りぬけた。
ヘッダーは、そこで出会った、仕切り直しの木。
倒れているのに、新しい葉がイキイキと芽吹いている。
うわ~。
まさしく、これやん。
倒れてるけどな。

はりきりすぎて、調子に乗ってチョコミントアイスを食べて、がっつりお腹を壊したけどな。
その前に、たっぷりクリームの、オレンジクリームパンも食べてるしな。
あっ、チキンサンドも・・・・。


パン友さん

また会えるかなあ。


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