半鐘

月が赤く今日もしたり顔
瑠璃は脆しと今は昔
担ぎ担がれたマツリゴト

袋のネズミの虚しい言霊
罠にハマった風見鶏
緑青のマナコでぐるりくるり

へそで茶を沸かすと陰口叩いてばかりじゃ
上手く踊れないだろ?

芽吹く命の美しさを羨んでいるなら
もっと向き合って傷ついてもいいだろ?

爽やかに急かす 皐月
静かに照らす 長月
誰より何より強く想っていても
指咥えてるだけじゃ
何も変わらないだろ?

月のほとりの現し世
冥土の使いがものは試しと
ワラにもすがる
身売りの市子は2度と戻らない

愛想を尽かした候鳥
紅いヒトミでひらりはらり

闇夜のつぶてに怯えてばかりじゃ
上手く踊れないだろ?

鮮やかに咲きたいなら
もっと真剣に欲張りに生きてもいいだろ?

溢れ沈みゆく 水無月
救いも答もない 神無月
どんなに強く本気で願っても届かないなら
指咥えてないでつかみ取ればいいだろ?

一挙両得 濡れ手で粟
棚から牡丹餅 一石二鳥
実際にはありはしないんだから
青も赤も黄も黒も白も
全部抱えて転がるように
走る続けるしかないだろ?

夢の亡者が三千世界を
儚んでそぞろ歩き
あぁ、なりたくなきゃ
青も赤も黄も黒も白も
抱えて走り続けるしかないだろ?

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