一十百舌

いとうもずです。二十三の夏から、書くことや企てることを生業にしてきました。還暦を迎え、…

一十百舌

いとうもずです。二十三の夏から、書くことや企てることを生業にしてきました。還暦を迎え、百寿を祝うミライの自分からエゴドキュメントな連載企画を発注され(妄想)、日々の思いや出来事を書き遺していくことにしました。

最近の記事

還暦は、二度目のハタチ。

2024年3月 毎週カカカ、独特の宝庫へ。 カーブスとはそういうところ  肩からの石灰は、肩からの善きお節介となって私を覚醒させた。 「いい機会ですから受けてみてはいかがですか? 50代以上の女性には皆さんお勧めしています」  激痛から救ってくれた医師にそう言われて受けた骨粗鬆症検診で、私は「予備軍」と判定されてしまったのだ。  年中無休の安定した食欲を誇り、何でも美味しく食べられる自分が、骨粗鬆症予備軍だなんて。背丈は低いが体型も骨格も割としっかりしているタイプ

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    • 還暦は、二度目のハタチ。

      2024年2月 骨と雪とお雛様 アットホーム納骨堂  仏壇のない家で育った。  だから、一年前に父が亡くなった時、いわゆる死後の手続きの慌ただしさの中で、仏壇問題にも直面することとなった。  ・・・そもそも、要る?    そんな疑問がないわけではなかった。罰当たりかもしれないが、「ない」家で育った高齢独身者で末っ子のそれが正直な感覚だ。  写真立てとお花とお線香、そんな感じで良いんじゃないの? ウチ、宗教もないんだし。  しかし、「ある」家に嫁いで四十年になる五

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        2024年1月 旅支度そして出立(後編) 死ぬまで続けたいライフワークの仕組みを思いつく。  全国に150万人余りいるらしい、還暦男子と還暦女子。もし私が会社員だったら、還暦は定年の年として、人生の大きな節目になっていたことだろう。家庭を築いていたなら、第二の人生と称して家事も定年とし、趣味をエンジョイしたり、夫と海外旅行に出かけたりしていたかもしれない。  しかし、そうではない。自分の場合は今まで通り、働ける限り働いて、口を糊していかねばならない。まだ誰も経験したことの

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          2024年1月 旅支度そして出立(前編) 妻でもなく、母でもなく、子のままで「還暦」。  生きてさえいれば、誰もが迎えることになる還暦。人生の節目としての感慨はさほどなかったが、アラの後がフィフからカンへと変わること、軸足が中高年の中から高へと変わること、の否応のない重たさは察し始めていた。  なんとなく意識はしつつ、しかし、し過ぎないように。そうすることで、自分自身を新しいあたりまえに慣らそうともしてきた。  普段から実年齢をなるべく言わずに仕事をしてきたせいもあり

        還暦は、二度目のハタチ。