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男子代表強化検討委員会の会見について

昨日は、男子代表強化検討委員会の1年間の活動についてメディア公開で渡邊事務総長と東野技術員長と共に会見をさせていただきました。どのような経緯で誕生した委員会で、何をやってきたのか、を報告することが主たる目的でした。

昨年の6月頃、将来構想(現 B.革新)の具体的なことを決めていく前に何を大切にするのかを定めていました。そして、秋ごろの実行委員会で、説明してコンセンサスを得たのが、日本代表の強化に資するリーグ、クラブの健全かつ成長に資するリーグ、社会的意義のあるリーグ、この軸をぶらさずにいこうという3つの要素でした。

この3つの要素の中で、この委員会で議論したのは、日本代表の強化について。将来構想において、日本代表の大半を構成するBリーグの選手の強化に資するルールとはどうあるべきか。育成世代の選手や指導者の指針となる思想、ルールとはどのようなものなのか。検討すればするほど、日本全体の強化を考えているJBAや技術委員会と連動せずにルールを決めていくことへの疑問を感じていました。

Bリーグのチェアマンでもあり、JBAの副会長という立場もありますので双方の利害を調整するには自分がやるべきではないかと三屋会長とも相談して誕生したのが、男子代表強化検討委員会でした。

当初は、将来構想において、日本代表強化との整合性をとるという目的できしたが、周辺で整えなければいけない案件、以前からトムホーバスヘッドコーチや東野技術委員長と会話する中で挙げられていた、代表招集やスケジュール過密などの課題解決にも踏み込むことになりました。

このあたりが、B.革新において、国際試合がある場合、シーズン中でも14日前に、リーグ戦があっても協力するという決定にも繋がっています。

ワールドカップが1年後に迫っている中で、何かしたから劇的に変わるわけではありませんでしたが、短期的にできること、中長期に整えることを分けて議論することにしました。中心は2026年以降の中長期ですが、短期的には、代表招集プロセス、海外遠征時の航空座席のランクの見直しなどを行っています。

今回の目玉は、japan's wayについてこの委員会で議論した内容を技術委員会に持ち込み、多くの時間を要して完成したものを本日発表できたことでした。japan's wayは、進化するもので枝葉は変わっていくものですが、男女日本代表のみならず、3X3、育成年代の指針となり、浸透を図る前提で作られました。

やはり、上位概念が明確でないと、とうしたいから、どうなりたいからこうする、という軸がなくなります。B.革新においては、競技ルール、特にオンザコートなどを決める時に、日本はどんなバスケで世界に挑むのかがみえていないと決めようがない、という議論からこのような可視化するということを決めました。

今日、この発表をさせていただき、委員会は解散となり、新たにJBAの将来構想委員会の中に男子代表強化部会というものが立ち上がり、役割を引き継ぐ予定です。引き続き、代表強化に資するため、JBAとBリーグと連携して活動していきます。ここまで、協会とリーグが一蓮托生で物事を決めていくというのは、かなり画期的であり珍しいことだと思っています。

今回の発表の中で、代表招集について、正しく伝わっていないことがありましたので最後に解説します。Bリーグ規約で日本代表に招集されたら、参加しなければならないということは履行義務として定められています。また、あくまでもこのルールの適応範囲は、JBAに登録、国内でプレーする選手のみ。海外でプレーしている選手は該当しません。

今は、日本代表参加に対して多くの選手たちはポジティブだと思います。しかし、選手だけでなく、送り出すクラブもそうならないことが幾度とありました。だからこそ、ルール通りに運用するということ、罰則がないと公平性の観点からも難しいという判断から明確化しています。

日本代表で長年プレーをして自身の意思で代表引退を決意し、発表したら?という質問がありました。まず、このような選手が自身の意思で決めて、発表することは自由ですし、否定するものではありません。しかし、ルール上はここの線引きではなく、Bリーグの選手ならば、招集があった場合には参加しなければならないという前提があるということを伝えました。

しかし、そういう選手とヘッドコーチや技術委員長は会話もするでしょうし、リスペクトの上、無理やり招集することはないのではないかと思います。長年日本代表でプレーした選手ならまだしも、その他の選手が日本代表に対してどのように考えているのか、技術委員長、ヘッドコーチも全て把握しているわけではありませんし、誰もが参加する、しないを自由に選択できるような状況も現行規約においては違和感があります。

このような理由から、曖昧なゾーンがあることで毎度難航していた日本代表招集について、決められている招集ルールを明確化することにしました。

この一年でに多くの選手にとって目指したい日本代表になりましたので、何故今?という雰囲気があるかもしれません。しかし、この議論を始めた頃はまだバスケ界にとって大きな課題でしたし、今後のためにもこのタイミングで発表いたしました。一番大切なことは、誰もが勝ち取りたい、目指したい、選手たちにとっても価値ある、クラブとしても代表選手を抱えたい日本代表であり続けることだと思います。


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