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2・3月に読んだ本まとめ

京都にも温かな日差しが降り注ぐようになり、朝起きるの嬉しくなりました。学生の頃は、春になればクラス替えがあり、それまで積み重ねてきたものがゼロになるような感覚があり、あまり好きな季節ではなかったです。でも、社会人になり、転職もしないから、しっかりと季節のの移り変わりを味わえて、春が好きになりました。

さてさて、本記事では、私が2・3月に読んだ本をまとめていきます。今までは、読んだ本をツイートするくらいでしたが、もう少ししっかり感想などをまとめてみようと思った次第です。

この2ヶ月のテーマは「市民と政治との関わり」です。もともと大学では政策創造学部で政治哲学を専攻していたため、政治とどう関わっていけばいいかは探求テーマとしてありました。

ただ、「市民と政治との関わり」というテーマはまだまだ広すぎるため、気になった本を読みながらテーマを狭めていきたいという意向があります。

以下、私が読んだ本や感想、気づきとなった部分を読んで、「こういう本もあるよ」など、ご意見もらえると嬉しいです。

くらしのアナキズム

本の内容・学びポイント・感想

「国ってなんのためにあるのか?ほんとうに必要なのか?」という問いかけから、この本は始まっています。そして、案外国というものはなくても、誰かが行政の役割を担い、回っていくものではないかとも記されています。

タイトルである「アナキズム」とは無政府主義とも訳され、私が大学で政治哲学を学んでいるときはよく出てきました。その「アナキズム」と「くらし」が並んだタイトルの本なのですが、著者松村さんの母親が熊本地震にあったときの体験がでてきます。私たちが大きな震災に出会ったとき、隣にいる人たちと手をとり協力していかなければいけません。もちろん、避難場所にある備蓄の管理などは行政の役割かもしれませんが、避難場所でトイレが詰まったり、寒さをどう凌ぐかなどは、その場でみなの知恵を出し合い協力しなくてはいけません。

私が印象的だったのは、震災が起こった時の市民が協力するのに強いつながりではなく「弱いつながり」が重要になってくるという点でした。お互いの顔や名前がなんとなくわかり、少し言葉をかわすくらいの薄いつながりでも、震災時に大きな救いになったとのことです。

ぼくらはつねに匿名のシステムに依存して生きている。そのシステムが壊れたとき、たよりになるのは、それぞれがつながってきた顔の見える社会関係だけだ。その関係から切り離されて孤立すれば、生存すら脅かされてしまう。

また、「多数決はコミュニティを破壊しかねない」という章では、「寄りあい」について書かれていたのが興味深かったです。至るところで語られている通り、多数派民主主義にはいくつか欠点があります。今回は、そこについて多くの言及はしないでおきますが、日本が昔ながら村で開かれていた「寄りあい」に物事の決め方についての大きなヒントがあると感じました。

「寄りあい」には、物事を決めるための時間制限がなく、何より決定するまで無理をしないというのが根底にあるそうです。また、誰かが不満をもったり、対立したりしないようにコンセンサスをとることが優先されるともありました。興味がある人は「寄りあい」について詳しく調べてもらいたいです。資本主義が台頭し、日々会社にいき、育児などに追われる現在では「寄りあい」を実施することは難しいかもですが、それでも、みなが納得し1つの決定事項を出すという決め方を日本はしてきたのだということが学びになりました。

キーワード
アナキズム、人類学、未開社会、透明性と説明責任、権限も権威もない政治リーダー、民主主義と国家の結合、市場のアナキズム、寄り合い、多数決をしない暮らし、「むら」の原理、よわい繋がり


日々の政治

本の内容・学びポイント・感想

「日々の政治」は翻訳本なので、正直頭に文章がうまく入ってくるまで、時間がかかってしまいました。読み切った今でも、うまく言葉が身体に落ちていない部分も多いので、繰り返し読んでいきたい本です。(それを前提に、以下学んだことや感想を記しています)

私が面白いと感じたのが、現在はライフプロジェクトを誰もが主導していかないといけないという点です。ライフプロジェクトとは「自分自身の人生、あるいは人生の一部に関わる目的を達成するための半な試合や行動が結びついたもの」を定義されています。

自分自身の資質とコンテクストの特性をよく踏まえて「自分は何を成し遂げたいのか」という実現性を見据えたビジョンに焦点を合わせ、自分が自由に使えるシステムとツールを持つことが大切になると語られていました。

その文脈で、「デザイン」という単語が何度も登場しました。ライフプロジェクトをうまく進めるためには、自分でどうデザインするかが重要だと。

私はなぜ、個人の成し遂げたいこととタイトルになっている「政治」が密接なのかがうまく理解できていなかったのですが、代表との1on1でヒントをもらえたような気がします。

政治とは国政に関わるだけではないのです。成し遂げたいことを基準にどんなコミュニティに所属するか(企業や住む地域なども含む)を決め、そのコミュニティをよりよくするために動くことも政治の1つなのだと。例えば、ファストファッションの服を買うのか、フェアトレードの服を買うのかを決めることも自分がどういった団体を支持しているかを示す政治活動です。それと同時に、どう自分は生ていき、どういうコミュニティに所属するかも、まさに政治活動の1つなのです。

まだまだ、この本はうまく言語化できない部分もありますが、少しずつ理解をしていこうと思います。

キーワード
ソーシャルイノベーション、ライフプロジェクト、デザイン能力、慣習モード、デザインモード、ブリコルール、コラボレーション、連帯コミュニティ、デザイン行動主義、日々の政治の政策、公共財、参加型のエコシステム、プロジェクト中心民主主義

未来を始める:「人と一緒にいること」の政治学

本の内容・学びポイント・感想

「日々の政治」と比べて、「未来をはじめる」は女性の社会進出や選挙制度についてわかりやすく書かれていたので、みなさんも手に取ってももらいたいです。

このなかで、面白いなと思ったのが「くらしのアナキズム」ででてきた「弱いつながり」が「未来をはじめる」でも別の文脈で言及されていたことです。「くらしのアナキズム」では震災が起こった際に、弱いつながりがどう機能するかでしたが、「未来をはじめる」では自身が困難に陥った時に、強いつながりをもつ人よりかは、弱いつながりの人たちのほうが案外良い意見をもらえるのではということについて言及されていました。

政治とどう付き合っていくかを考えたい人には、ハードルが低い本なので、ぜひ読んでほしいです。

キーワード
デモクラシー、人々の支配、社会において対立はなくならない、対立する人々が一緒に暮らすには、働き方と政治、経済発展にともなう不平等、平等な自由、弱いつながり、感情が政治をとりこむ、思考しないことが凡庸な悪を生む


2・3月はあまり本が読めなかったので、4月は7冊を目標に読んでまとめていこうと思います。



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