見出し画像

メーテルがくれたファストパス

我が家のクリスマス行事は、イブに終わって嬉しいきこぺんアロハです。

今、世界に必要なもの

義家族と住んで4年。私が一年で最もピリピリするクリスマス。去年は、日本で父と妹家族と過ごした。今年も回避出来るかと思いきやクリスマス前にサンフランシスコにお腹に穴が開いている人の切なる希望で帰って来た。何が嫌なのか。まずとにかくゲストが多い。コロナ禍で少し減ったが時間差で親戚や友人を含めて50人くらいは、いつも来る。そして私が「あの方はどなた?」と聞いても夫ぽけぺんはいつもこれ。

されると一番腹立つゼスチャー『アイ ドン ノー』

最初の頃は、皆んなが食べそうなメニューを考えて一生懸命お持ちしたが義姉や義兄も用意してくるし叔母や元シェフの従姉妹が色々作るので最近デザート係になっていた。私もゲストを連れて来て良いと言われご近所のお友達を誘ってその時は、楽しかったが日本へ帰ってしまったり、お互いバタバタでなかなか会えなくなってしまった。結構誰とでも会話する事が苦痛じゃないこの私もクセの強い義家族は、とっても苦手。同居してからは、自分の部屋に上がれるので最初の1時間ほど参加。

今年こそと思ったがお値段が高すぎて買わなかった。

日本のニュース記事などでお正月やお盆に義家族の家に行くのは憂鬱と言うのを見かけるとわかるわーとうなづく。さてクリスマス前にバッチリ帰宅した私達。夫は退院したもののまだ静養が必要なコンディション。帰宅してからメーテルに顔を合わせる度に「今風邪でもひいたら大変なので。」「体力が落ちてるし咳をすると肋骨の手術痕が痛いんですよ。」「せっかくのクリスマスですが夫と私は部屋に篭ります。」と私達夫婦は、聖夜夕食社交会は無理っすキャンペーンを開始した。実際にゆっくりしか歩けず言葉少ない夫を見てさすがのメーテルもわかったのだろう。「ディナーが用意出来たらあなたが好きなだけ食べ物を取って上に行きなさい。」と言うまるで遊園地のファストパスをもらえた気分。夫の手術前にくれたお守り天国への切符よりずっとこっちの方が良い。

サンフランシスコの有名なプライムリブ。あえて端っこのエンドカットが好き。また食べに行きたい。

ゲストが常に20人以上滞在する我が家では、ダイニングテーブルにお料理が並びバイキング形式。午後7時ぴったりにメーテルから電話。「お料理出来たから早く来なさい。」義家族も揃ったようだったので夫もご挨拶くらいはしたいとマスクをして一緒に下へ降りた。メーテルが心配そうに夫を見る。写真は今回ないけれどメニューはこんな感じ。
ローストビーフ
ハニーベークドハム
スペアリブ
有頭エビのオリーブオイル炒め
マッシュルームソテー
ズッキーニと玉ねぎのグリル
マカロニサラダ
ご飯
そしてフィリピンの麺料理のパラボク(レシピを貼っておきます)

お気づきだろうが野菜が少ない。野菜は各自でモットーの家だ。あとデザートは、バナナクリームパイ、ドライフルーツとナッツの入ったフルーツケーキ。

メーテルにせかされて夫と自分の分を取らして頂く。私がお料理を取り終わった後に皆さん立ち上がってメーテルがお祈りを始めた。これってまさにファストパスだ。毎年こうだったら良いなあなあんて。夫は、私が言う前にメーテルから上に戻りなさいと言われていた。帰った日からメーテルに大袈裟に伝えておいたお陰で他の家族も気を使って義姉も義兄も夫に近付いても来なかった。夫も「あんなに大勢ゲストが来てるとは。」と驚いていた。

そんなわけでクリスマス当日の今日、もう誰も訪ねて来ないし静かに残ったご馳走を食べながら過ごせる。神様、本当にありがとうございます。2024年、クリスマスは夫の希望も考えてここで過ごして年末年始は、夫と日本へ行けますように。

アーメン。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?