見出し画像

駐輪場不足問題への取り組み(その6)

駐輪場不足問題への取り組み(その5)は、空いた2台分の平面駐車場を駐輪場に転用することで10台程度の駐輪場増設を総会決議することができた!までのお話でした。
 今回は、平面駐車場を駐輪場に転用することについて、交わされた議論をお話します。

※ 駐輪場不足問題への取り組みの過去記事はこちら!
    「駐輪場不足問題への取り組み(その1)
    「駐輪場不足問題への取り組み(その2)
    「駐輪場不足問題への取り組み(その3)
    「駐輪場不足問題への取り組み(その4)
    「駐輪場不足問題への取り組み(その5)

平面駐車場を駐輪場にすると収入減るやん!

 うちのマンションの平面駐車場の月額使用料は1台2万円なので、2台分で4万円でした。そして、駐輪場使用料は1台300円なので・・・同じ場所に自転車を10台駐輪させても3千円にしかなりません。駐輪場使用料の値上げという方法も検討しましたが・・・月額300円でも高いのに、これ以上の値上げはナンセンスということで、これは無理っぽいし、値上げしても「焼け石に水」で、駐車場使用料との差は埋められない。
 ということは・・・(平面駐車場を駐輪場に転用すると)管理組合の収入は毎月3万7千円減少するということになります。うちのマンションは約50戸なので・・・月3万7千円(年44万4千円)を1戸平均に変換する(=50戸で割る)と、月740円(年8,880円)となります。
 これは、つまり・・・うちのマンション管理組合の収支がトントンだったとすると、駐車場を駐輪場に転用することで管理費を月額平均740円値上げしなきゃならなくなる!ってことです。
 実は・・・「すまいの委員会」では、理事会に平面駐車場を駐輪場に転用するための臨時総会開催を答申する前に「これを実施すると管理組合の懐事情(収入)はどうなるのか?」という議論も行われました。

管理組合の金額は「戸あたり平均値」でチェックすべし!

 議論内容をお話する前に、またまた脱線しちゃいます・・・(笑)
 「マンション管理組合の数字を『戸あたり平均額で見る』は超オススメ!」って話です。
 管理組合の総会の議案書、理事会で目にする月次報告書(=管理会社から毎月提出される報告書)や見積書の数字・・・大概は「こんなん見てもわからんわ~」とスルーしちゃいがちですよね!(笑)「何十万・何百万円・何千万円・何億円」と言われても・・・日常生活から遠く離れた数字に、実感が沸かずピンときません。
 こんな時は、戸あたり(1戸平均)にすると、数字が随分と小さくなり(日常生活の数字に近づき)・・・例えば「我が家からの支出がこの位なら、許せるかな?」とか「高過ぎるわ~」とか家計簿感覚(主婦感覚)でチェックできると思います。超オススメ!
 ”気になる部分”だけでも良いので・・・機会があれば、一度やってみてください!

管理費の収入減る問題・・・どうしよう

 さあ話を戻します。
 「駐輪場増設場所問題」の解決しそうになると・・・今度は「管理費不足問題」が発生~!(笑)
 うちの管理組合の場合、駐車場も駐輪場も使用料収入は「管理費会計」の収入になっていました。ということで「すまいの委員会」では、まず「管理費会計」の年度収支予算や実績を確認しました。
 「管理費会計」予算の収支は10万円くらいの黒字でした。使用料収入が44万4千円減小すると・・・33万4千円の赤字になります。(汗)
 「すまいの委員会」では、「10年で434万円減収・・・そんな話、組合員に賛同してもらえないんじゃない?」とか「やっぱり増設駐輪場は(敷地内の)他の場所で検討した方がいいんじゃないの?」とか・・・「管理費不足を伴う(=管理費の値上げが必要になる)提案は良くない」といった意見が出てました。

ここで・・・K・N・Mトリオ(笑)登場!

 まずはKさん登場です。Kさんはうちのマンションの会計資料を分析してくれました。Kさんは、その分析に基づき「暦年の会計報告を確認すると、予算50万円の『普通修繕費』の支出が毎年少なく、『管理費会計』の繰越金が30~50万ペースで毎年増えています。そのお陰もあり前年の繰越金は、200万円を大きく超えています。『普通修繕費』の支出が少ないのは、うちのマンションが築浅なので当然だと思う。今後は徐々に増えると考えられるが、しばらくは(使用料収入が減っても)赤字にはならない可能性が高いと思う」と発言されました。
 そしてNさんが・・・「駐車場であろうと駐輪場であろうと、マンションの施設は、管理組合の収入を得るためにあるのではなくて、『マンション住民の快適な暮らし』のためにあるのだと思う。使用料を設定しているのは、(使ている人も使っていない人も)なるべく不公平にならないようにする意味が大きいと思う。たとえ収入が減ることになっても、『マンション住民の快適な暮らし』を第一義に考えるべきだと思う」と続けてくれました。
 そして、最後のトドメはMさん!(笑)
 Mさんは、「この後の『管理委託費の見直し問題』の取り組みもどうなるのか分からないし、ダメなら増設駐輪場を平面駐車場に戻せば良いだけだと思う。収入のことよりも『駐輪場不足問題』を優先して考える方がいいんじゃないかな」とまとめてくれました。「すまいの委員会」一同腑に落ちました。

理事会への答申内容

 三人のお陰で「すまいの委員会」としての意見が固まり・・・理事会には「駐輪場増設のための臨時総会を開催すべき!」という答申に、「平面駐車場を駐輪場に転用すると管理費収入が約45万円減少することになりますが、管理費を今すぐ見直す・・・という事態には至らないと思う。(入庫率の悪い)機械式駐車場の使用料値下げの答申も含め、『マンション住民の快適な暮らし』を第一義に考えました」と付け加えました。

それで結局どうなったの?

 その時開かれた臨時総会では、「平面駐車場を増設平面駐輪場にする議案」と「(使用率の悪い)機械式駐車場の使用料値下げ」が可決承認されました。増設駐輪場が稼働する前に機械式駐車場の使用料値下げが行われた結果、入庫率が劇的に向上(50%以下→90%超)して・・・なんと!(使用料稼ぎ頭の)平面駐車場が2台も減ってたのに、駐車場使用料収入は増加しました。(そういえば・・・前回のブログで既に話してた!(笑))

イソップ物語の「北風と太陽」(まとめ)

 わたしの座右の銘は、イソップ物語の「北風と太陽」です。(笑)
 皆さんご存知と思いますが・・・「北風さん」と「太陽さん」が旅人の服をどちらが早く脱がすことができるか!競ったお話です。
 「最初「北風さん」が強風で旅人の服を剥がそうとするけど、旅人は寒くて益々着込んでしまう・・・でも「太陽」が旅人をサンサンと照らすと、旅人は熱くて自分から服を脱ぎましたとさ!」という内容でしたね。この話は子供向けの童話だけど、すごく奥深いお話だと思います。
 管理組合運営に限らず・・・何事も「太陽さん」の発想で物事にチャレンジすると、良い結果が出ることが多いかも?と思います。・・・でも大概は、余裕がなくて盲目的になり「北風さん」思考になりがちかも?

 今回は、長くなってしまいました・・・駐輪場のルール作りは、次回にお話ししますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?