もう後がない。そんな社会人のフィリピン留学。

【フィリピン・マニラ滞在記 #010
もう後がない。そんな社会人のフィリピン留学。そんな背水の陣で挑んだフィリピン留学。

【実は、英語よりその先で悩んでいた】

会社を思い切って辞めた後でかぬーの頭の中には「もう後がない。俺はこの先大丈夫なのか。生きていけるのか。仕事はあるのか。収入はあるのか。」この言葉が少なからず数多をよぎった

フィリピン留学中に、ある一人の社会人に出会った。彼は同室のほぼ同期(バッチメイト)の同い年。僕にとっては、大きな存在だった。いつも飄々としていて、みんなからも「優しい」と人気者だった。

彼の口から直接語られることはなかったけれど。彼が書いた記事の中から、この言葉を見つけた。


(この留学が終わったとき目標を達成できているだろうか。。。)
と勉強している間中、頭の中でその台詞が浮かんだまま消えないのでした。いくら目標を立てて思い切って仕事を辞めたとはいえ、留学での目標を達成してもその先の再就職のこと、さらにその先のキャリアアップのことなど、色々な人生計画の成功が、その第一歩が、この勉強にかかっていると思うとそれが集中力を奪い、予想以上に疲弊してしまっていました。

この言葉を発見してどこか安心した。「あー、やばい。路頭に迷うかもしれん。ホームレスか。」とか留学中もごちゃごちゃ考えていたのは、自分だけではなかったのだ。特に彼なんかは、僕と違っていわゆる「天才肌」という感じで、何事もソツなく上手くこなしてしまうのだ。発音なんかもめちゃくちゃ上手くて、なんでそんな簡単にできてしまうのか謎だった。しかも、「発音をやり始めたのこっち(セブ)に来てからだよ。」とかしれっと言う。そういう彼を見ていて、自分の英語のできなさとかに正直辟易していた。

【絶望の淵から】

そんな彼は、受験2回目のTOEIC(R)で865点を記録、同時に受けたTOEIC(SW)でも320点をたたき出した。それに対してカヌーは、なんとTOEIC(R)685点。ずんっ。と重い物が胃の中に突然出現した。1回目に受験した時のスコアは、695点。あれだけ勉強したにもかかわらず、ま、ま、ま、マイナス10点だと…。何もかもが否定されたような気がした。自分の人生が何から何まで上手くいかないのではないかと、不安に押しつぶされそうになった。エラそうに「次は、800点越えるわ。」とか言っていた自分が本当に情けなかった。

1週間くらいは絶望感に苛まれてほとんど勉強に身が入らなかった。

会社を辞めた後に日本で少し就活もしたこともあって、510点のTOEICのスコアから700点台になっただけでは、全然ダメと考えていた。更に留学してくるような人を見ていても自分よりも経験がすごいし、ますます800点台をとらないとダメだと思っていた。「800点ないと本当にヤバい」と誰かに脅迫されたわけでもないのに、自分で勝手に作り出した壁に潰されそうになっていた。

その重圧を解放しようとして、実は2週間留学期間を延長したのだった。最初の留学予定では、留学終了までに3回TOEICを受けられる予定だったが、685点をとってしまったかぬーには、「もう後がない。」という気持ちが強すぎた。そのため、3回目の標準を定めながら、精神的に余裕を持つために、留学期間を2週間延長してTOEICの受験回数を1回無理やり増やしたのだ。ただでさえ3ヶ月くらいフラフラしたあとにフィリピン留学に来ていたので、フィリピン留学を終えると退職から半年も経過している状況。そんな中で、留学期間を延ばすことは、更なる恐怖を生み出す可能性もあったが、「成果が何もない投資はゴミ「と考えていたので、数値的な評価が欲しかった。

気持ちと勉強方法を切り替えて、臨んだ3回目のTOEICで見事800点越え。これまでの勉強の努力や、不安と闘ってきた自分が救われた気がした。

【良くも悪くも社会人留学はリスク】

もちろん、巷には成功体験が取り上げられて上手くいっているケースを目にすることも多い。そして、失敗の経験はあまり目にしないし、目にしたくないというのが本音だと思う。

言わずもがな。フィリピン留学はいいことばかりではない。少なくとも社会人にとっては、今の生活を捨てて英語力をあげて次にステップアップというのが目標だろう。かぬーもそうだった。自分では頑張ったつもりでも、成果がないと周りは認めてくれない。周りが認めてくれないということは必要としてくれていないということ。厳しいけど、これが紛れもない現実だ。

そして、あまり成果が上がらない(数値として見えない、あるいは会話力がない)ことから全然上手くいっているように見えない人もそこそこいた。悲しいけれど、30歳以上になってくるとある程度自分の仕事(してきた経験)にも自信があって、どこか素直になれないし、どこか言い訳しているところが散見される。逆に年齢に限らずにパワフルな人もいた。常に成果を出し続けるひとは、負けず嫌いだけれど成果を出すためには、周りから知識も取り入れるし、日々改善をしているのだと感じた。きっとこの人仕事もできるなということが伝わってきた。

どこでも成果を出してきた人、出すつもりの人には、フィリピン留学のリスクをとっても簡単に元が取れると思う。そうでない中途半端な人は辞めた方がよい。かぬーなんかは、685点とってから880点をとるまで、鬼のような形相・雰囲気で怖かったと言われるほどだった。それくらいのやつでないと勝ちきれないぞ。

【かぬーのつぶやき】

思えば、ごちゃごちゃ考えたけれど、こうしてブログを書いていられることに幸せを感じる。将来に不安を覚えて、何か『もがこう』とするけれどあまり上手くいっていない。そんな時にフィリピン留学で感じた不安を思い出して、将来の糧にしたい。

「もうあとがない。」これが今日の合言葉。

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