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シンデレラの靴



私の妹の子供のはなちゃんが3歳頃の事だ。

彼女はディズニーアニメのシンデレラのDVDにはまっていた。

故に、毎晩妹の家では舞踏会が繰り広げられていた。

シンデレラのお姫様は、勿論はなちゃんで、王子様役は私の妹のママである。

ママがはなちゃんの片手を握って、はなちゃんはうっとりしてクルクル廻る。

はなちゃんは頭におもちゃのティアラを付け、ピアノの発表会にしか着る機会がないようなふりふりのドレスを着ていて、完璧な出で立ちだ。

因みに、このおもちゃのティアラもドレスも、私が謹んではなちゃんに提供させて頂いたものである。

スポンサーは、叔母さんである私による一社提供だ。

さて、シンデレラのはなちゃんは、夜の12時になった為(実際は、夜の9時ぐらいだけど)魔法が溶けない内に、舞踏会から去らなければならない。

はなちゃんが言う。

「私はもう帰らなくてはいけません」

「待って下さい。あなたは誰ですか?」

王子様役のママが答える。

「さようなら」

はなちゃんはそう言って、居間を出て廊下の階段を駆け上がる。

本当は、階段を駆け下りないといけないんだけど舞踏会が一階の居間で開かれている為、家の構造上そうなってしまうのだ。

お城(本当は家)の階段を駆け上がるはなちゃん。

階段の途中で、アンパンマンのスリッパが片方わざとらしく脱げる。

なんと、靴はアンパンマンのスリッパだったのか!

上半身は、完璧だったのに。

「待って、待って下さい!この靴はあなたのじゃないですか?」

叫んでいるのは、なんとはなちゃんのパパだ。

やっとパパ登場。
パパは、王子様の召使い役だ。会社から帰ってきて、召使い役をやっている。

アンパンマンのスリッパを持って、はなちゃんを追っかけるパパ。

本気でやらないとはなちゃんに怒られる為、皆必死である。

全くお疲れ様です。


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