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シンガポール人のシングルマザーの話

Air bnb に宿泊

以前オーストラリアに旅行した時の話です。

Air bnb を利用して宿泊場所を見つけたのですが、そこのホストがとっても素敵な女性でした。

もともとシンガポール出身ですが、オーストラリアにはもうかれこれ20年以上住んでいるそう。

出発前から頻繁にメールのやりとりを行っていて、観光場所や気候、交通事情など色々と教えてくれました。

ショートカットでひょうきんで活動的な彼女は、到着した日は空港まで迎えに来てくれ、そのまま海に連れて行ってくれた上に、焼いたパンやフルーツの盛り合わせも用意してくれていました。

昔から知っていたかな?!
と思ってしまうくらいフレンドリーで、彼女が休暇期間だったこともあり、朝に夕に顔を出してくれました。


一度地元で有名なお店があると夕飯をご馳走してくれた時、彼女はこれまでの自分の話を詳しく話してくれました。

彼女の理由

生まれも育ちもシンガポールで、10人兄弟の末っ子だった彼女はまだ学生だった頃、オーストラリアで男性と恋に落ちたのだそうです。
しかしほどなく彼の子どもを身ごもってしまったことがわかり、進学や自分の将来、家族のことが頭をよぎって顔が腫れるほど泣いたのだとか。

結局彼女は産む決心をするのですが、その頃には彼はもう別の人と暮らし始めていたんだそう。

シンガポールにいる親兄弟は当然面食らったようですが、シンガポールで子育てをするものだと思っていたそう。
しかし彼女はオーストラリアで育てていく道を選びました。


当時息子さんはすでに大学生で、就職に向けて色々と企業分析をしていると言ってました。
笑顔のツーショット写真を見せてくれましたが、彼女よりはるかに背が高く目元がそっくりの息子さんとの仲の良さは写真越しにも伝わってきました。

20年の間には良いことも悪いこともたくさんあったでしょうが、後悔なく突き進んできたんだろうと思える清々しさが彼女にはありました。


オーストラリアを拠点にすると決めた時はそれほど先のことまで考えていたわけではないようですが、結果的には正解だったと言います。
一番の理由は、シングルマザーであることを誰も特別視しない文化だったそうです。


日本から見るとどちらも外国であることに変わりはありませんが、東洋文化が基盤のシンガポールと、西洋文化が基盤のオーストラリアだと、物事の捉え方に大きな違いがあると言っていました。
もちろん個人レベルでは様々な価値観がありますが、後ろ指さされないと言うんでしょうか、オーストラリアの方がいい意味で周りも干渉しないので、大らかに過ごせたそうです。

そしてオーストラリアにいるときとシンガポールにいる時では、人間が変わるそうです。笑

末っ子として生まれ育ったシンガポールでは、親兄弟に可愛がられていつまでも心配される存在。
親戚同士の繋がりが強く、ことあるごとに姪っ子甥っ子も集合してみんなで食事をするのだそう。
安心して甘えられる空間で賑やかな大家族の時間を楽しむそうです。

一方オーストラリアにいるときの自分は自立したワーキングウーマンであり母でもある。
「自分のことは全て自分が決める。」
たくさんの決断を重ねて自信がついた自分が好きなんだとか。

親戚からは、甘えん坊の末っ子ちゃんが自立して子育てしているなんて信じられないと言われるそうです。
その気持ちもなんとなくわかります。笑
頼りない子ども時代しか知らなかった子が立派な学生や社会人になっている姿を見ると、成長ってすごいなぁと驚きますもんね。


会計の仕事をしていて、就業時間が終わるとスパッと帰宅。
残業について聞いてみると、不思議そうに「特にないけど」と言われました。
仕事とプライベートのバランスが非常に良い印象でした。

「(過去を振り返って)大変だった?」
と聞いてみましたが、
「子どもが学校に通っている時は、朝からルーティンが決まっているから。
毎日起きて準備して仕事のあとは子どもの水泳なんてしてたら、毎日はあっという間に過ぎていた」
とのこと。

20年と聞くと長い月日に感じますが、振り返ってみたら20年経っていた、という方が感覚的には合っているのかもしれません。

息子さんが恋愛する年齢になってくると、両親の事情も具体的にわかってきます。父子ではたまに会って良好な関係を築けているそうですが、自分に気を使って母親は誰ともデートしないのかと思った彼は、
「ママもボーイフレンド探したら?」
そんな話もするそうです。

実際何度かブラインドデートはしたようなのですが、どの方も長くお付き合いする関係にはならなかったんだとか。

自分を楽しむ!

朝はお気に入りのジムでワークアウトをして気持ちもフレッシュに1日を始め、たくさんの友人に囲まれて本業の他にAir bnb の管理もしている彼女は、自分自身との付き合いだけでも既に満たされているんだろうなと感じました。

シングルマザーの方と話す機会は普段あまりない私ですが、国も言葉も違う彼女からは、
「シングルマザー=かわいそう」
とは微塵も感じませんでした。

最初は予想外の妊娠から始まったものの、そこから腹を据えて今の自分にできるベストを重ねてきた彼女は本当に人生を楽しんでいるようでした。
まさかシングルマザーがこんなに輝いて見えるなんて、、!

自分自信が突き抜けていたら、属性のステータスなんて霞んでしまうもの。
彼女の姿は今も私の励みになっています。

学び:
人間が魅力的に思えるのは、年齢でも性別でもなく、今をどれだけキラキラ生きているか✨


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