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入学式と始業式は4月何日?

 今から4年前まで、横浜市立学校の入学式と始業式は、原則として「4月5日」に行われていた。しかし、実質4日間で新年度の準備をするというこの日程は、教職員にとってなかなか厳しいものだった。

 もちろん、「3月中から準備を進めておけばいいではないか」という意見もあるだろう。だが、学校によっては4月1日にならないと新年度の担当学年等が発表されない場合もある。また、新採用や異動などによって4月に着任する教職員もいるのだ。やはり、本格的な準備をするのは4月1日以降になってしまうのである。

 さらに、カレンダーの関係で4月1日から4日までの間に土曜日・日曜日が入る年だと、新年度の準備期間が2日間しかないということさえあったのだ。

 けれども、2021年度(令和3年度)からは、全市的に入学式と始業式を「4月7日」に行うように改められた。これは、教職員の働き方について見直しを図るなかで、学校現場からの切実な声を踏まえて変更が加えられたものである。

 1年間という長いスパンで見れば、新年度の始業を2日間遅らせただけで、教職員の時間外業務が劇的に削減されるわけではない。だが、新年度のスタートに際して時間的・精神的なゆとりが生まれることには、数字には表れない効果があるように思う。


 その後、この動きは全国に波及したようだ。

 上記のサイトによれば、今年度は4月6日が土曜日、7日が日曜日ということもあって、8日(月)が入学式・始業式という自治体が多くなっている。

 特別な予算をかけなくても、それまでの「当たり前」を見直すことにより、教職員の多忙感の解消が図られた事例だといえるだろう。

 そして、見直すべき「当たり前」は、これ以外にもあるはずなのだ。

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