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Innovator(革新者)の足を引っ張る者

 組織のリーダーに必要とされる資質や能力には様々なものがあるが、その代表的なものは「行動力」だろう。
 また、取組の全体像を把握したり、ゴールを見定めたりするうえで、「俯瞰的・中長期的な視野」をもつことも重要だと思われる。

 上の図のように、縦軸を「行動力」、横軸を「俯瞰的・中長期的な視野」とし、高低によって区切ると4つの象限に分けられる。

 この4象限が表す人物像について、それぞれのネーミングを考えてみた。

 右上の「行動力」「俯瞰的・中長期的な視野」ともに優れた人物は、「Innovator(革新者)」と呼べるだろう。
 将来の予測がしにくい現代社会においても、こうした「Innovator(革新者)」は納得解を見出していくことだろう。

 左上の「行動力」はあるが「俯瞰的・中長期的な視野」に課題がある人物については、「Hard worker(勤勉家)」と名付けてみた。
 熱心な働き者ではあるが、「なぜ」「何のために」を考えずに行動することが多いため、このタイプには「手段が目的化しやすい」という傾向があると思われる。

 右下の「行動力」は乏しいが「俯瞰的・中長期的な視野」はあるという人物のことは、「Critic(批評家)」と呼びたい。
 言うことは立派だし正しいのだが、行動が伴わないために周囲からは煙たがられるタイプだと言えよう。

 左下の「行動力」「俯瞰的・中長期的な視野」ともに課題がある人物については、残念ながら「Free rider(ただ乗り)」と言うしかない。
 こういう「Free rider(ただ乗り)」が職場にいると、周囲の人間にはストレスが溜まる。しかし、当の本人は至って平気だということが多い。


 前回の記事で、「校務DX」の推進を積極的に「する学校」と「しない学校」との間で格差が拡大しているのではないか、ということを書いた。

 また、推進を「しない学校」の場合、「ICT担当者」が「やってみたい」と考えていても、管理職や教務主任などがブレーキをかけてしまうケースが少なくないようだ。

 こうした「ブレーキをかける」タイプの管理職や教務主任の中には、先ほどの「Hard worker(勤勉家)」に相当する者が多いのではないかと推察する。
 「Hard worker(勤勉家)」は基本的に「前例踏襲」を重んじ、変化を嫌う。そのため、どうしても「Innovator(革新者)」の足を引っ張ってしまうことになるのだろう。
 けれども、なまじ「熱心」で「働き者」であるだけに、周囲からも信頼されていたりする。「Innovator(革新者)」からすると、「Critic(批評家)」や「Free rider(ただ乗り)」以上に厄介な存在だと言えるのかもしれない。

 こういう傾向は、「働き方改革」がなかなか進まない学校にも当てはまることだろう。

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