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「指示待ち人間」の作り方 ~なぜ思考を放棄してしまうのか~

今回読んだのは、こちらの一冊。
部下が自ら考え、率先して動いてもらえるようになるために、どのように接するのが良いのか、その方法論をまとめた一冊です。

本書序盤の内容から、自ら考えることをやめてしまう理由と、仕事を「やりたい」と思えるようになるコツを紹介したいと思います。

「指示待ち人間」の作り方

そもそもなぜ、「指示待ち人間」は生まれてしまうのでしょうか。

「指示待ち人間」が、自分の頭で考えられない訳ではありません。自身で考えた行動の結果が、上司の気に入らない結果になって文句を言われることがあまりに多いため、「全部指示してもらうことに決めた」だけなのです。
失敗したり、間違えて叱られることを恐れて、「言われたとおりにやればよいや」、「言われたこと以外はやらないでおこう」という考えになってしまっているのです。

・工夫した結果が否定され、言われたこと以外はやらないようになる
・工夫した結果が否定され、全て指示を仰ぐようになる

細かい指示は、意欲を削ぐ

また、仕事が優秀な人などは、仕事の細かいところまで指示を出すこともあると思います。教える側としては「失敗せずにスムーズにできるように」という優しさからだと思いますが、仕事へのモチベーションという視点では逆効果なのです。

指示を細かく受けると「やらされている感」を感じてしまい、受け身の姿勢となってしまい、意欲の低下につながります。

細かい指示は、仕事における工夫の余地も奪ってしまいます。指示を事細かに受けるのは、線路のレールを引かれるようなもの。より良い改善や、新しいアイデアなどの入る余地がありません。そうすると、自身で考えて工夫する余地が無くなってしまい、仕事がつまらないものになってしまうのです。

・細かく指示されると、受け身の姿勢となり「やらされている感」を感じる
・細かく指示されると、工夫の余地がなくなり面白くなくなる

だからと言って、仕事を丸投げするのはNGです。線路のレールを引く作業を見守り、困ったときに手助けをしてあげるようなイメージです。

「工夫する余地」が意欲を引き上げる

本来人間とは、人はどんどん学びたくなるし、働きたくなる生き物です。

「できない」が「できる」に変わることによる快楽は、皆さんも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。何かに躓き、それを解決する方法を模索し、自身の手で解決することで、大きな快楽を得ることができるのです。
その快楽を促すことで、意欲を引き上げることができるのです。

そのためには「工夫する余地」があることが重要になります。

工夫を行い、課題を解決することで、快楽を得ることができます。そうすると、仕事はどんどん楽しいのもになっていくでしょう。工夫の内容は、作業の効率化や、突拍子の無いアイデアを試すなど、何でも構いません。

仕事を「やりたい」に変える

「やらなきゃなぁ」と思った仕事でも、その作業の中に「工夫できる点」を見つけることができれば、その工夫にチャレンジすることで快楽を得ることができるので、自然と「やりたい仕事」に変えることができます。

仕事の中で「やらなきゃ」と感じることがあれば、ぜひ「工夫できるところはないだろうか?」と考えてみてください。そう考えることで、自然と仕事が面白くなり、主体的に取り組むことができるようになりますよ。

「上司の仕事」とは

上司に求められるものは、その工夫を受け入れ、認めることです。

様々な工夫は、時に遠回りとなることもあるでしょう。それを許容するゆとりを持ち、むしろ自分の頭で工夫して失敗するリスクを選択した勇気をたたえるようにします。そうすると「工夫することは良いこと」という考えが身につき、積極的に工夫するようになっていきます。

「頑張るな」と言われたから頑張れる

声かけについて、面白い内容があったので、紹介したいと思います。

「もっと頑張れよ」という言葉は、「あなたは頑張っていない」という意味を持ってしまいます。「私なりに頑張っているのに…」という反発が生まれるし、頑張りを認めてもらえないことで意欲低下も招いてしまいます。

逆に「あんまり頑張りすぎないでね」という言葉は、「あなたが頑張っていることは承知している」という意味が含まれます。言われた側は、頑張りをきちんと認めてもらえた嬉しさがあり、もっと頑張ろうと思えるのです。

仕事を頑張って欲しいなら、今までの頑張りを認めるような声掛けを意識してみてください。

さいごに

今回は「仕事における工夫」という視点から考える、業務への意欲に関する内容をご紹介しました。自分自身の仕事を振り返ってみても、創意工夫をするような業務は、得てして面白く感じながらやっていたのを思い出します。

本書の中では、他にも「自身で考えるようになるための方法」が様々に紹介されています。書籍自体は上司目線でかかれているものですが、誰が読んでもためになる内容となっています。

もっと知りたい!と思った方。ぜひ、本書を読んでみてください!



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