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経営組織論と『経営の技法』#228

CHAPTER 9.4:新しいキャリア ①バウンダリレス・キャリア
 ここまで組織の中のキャリアについて考えてきました。つまり組織の枠内でのキャリアを前提に考えてきたわけです。しかしすべての人が組織に属し、組織の中でキャリアを歩むわけではありません。転職のようにキャリアの途中で他の組織に移ることも、決して珍しいことではありません。
 また、仕事をする国や地域、職種にこだわらずにキャリアを歩む人も多く出てきています。企業組織においても、自分の組織だけでキャリアを歩む人だけで構成されるのではなく、さまざまなキャリアの考え方を持って組織に参加する人がいます。このような人は、キャリアにおいてどのような特徴を持った人なのでしょうか。
【出展:『初めての経営学 経営組織論』215頁(鈴木竜太/東洋経済新報社2018)】

 この「経営組織論」を参考に、『経営の技法』(野村修也・久保利英明・芦原一郎/中央経済社 2019)の観点から、経営組織論を考えてみましょう。

2つの会社組織論の図

1.内部統制(下の正三角形)の問題
 ここからしばらく、組織の外でのキャリアを考えます。
 会社組織の側から見ると、プロパーではない中途採用の従業員を、どのように処遇すべきかを考えるヒントになる問題です。すなわち、会社組織内でキャリアを積んできた従業員と、どこが違うのかを知ることによって、会社組織の中で、その一員として能力を発揮してもらうために、注意すべきポイントが見えてくるでしょう。

2.ガバナンス(上の逆三角形)の問題
 経営者は、会社組織をツールに「適切に」「儲ける」ことがミッションですが、組織は人で成り立っていますから、より強い組織にするためには、人材の質や量を高めることが必要です。
 組織の外でのキャリアを歩んできた人材を採用することは、特にそれが即戦力として期待できる場合には、会社組織がより強くなることです。会社組織の強化の参考になるはずです。

3.おわりに
 会社組織の外で、キャリアを積むことが、その個人にどのような影響を与えるのか、という点が本文での問題意識ですが、私の方では、これを会社組織の側から考えます。

※ 鈴木竜太教授の名著、「初めての経営学 経営組織論」(東洋経済)が、『経営の技法』『法務の技法』にも該当することを確認しながら、リスクマネージメントの体系的な理解を目指します。
 冒頭の引用は、①『経営組織論』から忠実に引用して出展を明示すること、②引用以外の部分が質量共にこの記事の主要な要素であること、③芦原一郎が一切の文責を負うこと、を条件に、鈴木竜太教授にご了解いただきました。


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