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経営組織論と『経営の技法』#301

CHAPTER 12.1:組織の変化に関する3つの考え方 ②
 2つ目は、組織が意図して組織を変えていくという考え方です。この考え方は、もう少し踏み込んでいえば、どうやって組織を変えることができるかという考え方でもあります。
 つまり、意図して組織を変革することができるのであれば、どうやって変革したらよいのかということに行き着くことになるのです。組織を道具として考えるとすると、組織が意図的に変わることができるのであれば、どのように変えるのかという考え方が頂要になることは、いうまでもないでしょう。
【出展:『初めての経営学 経営組織論』268頁(鈴木竜太/東洋経済新報社2018)】

 この「経営組織論」を参考に、『経営の技法』(野村修也・久保利英明・芦原一郎/中央経済社 2019)の観点から、経営組織論を考えてみましょう。

2つの会社組織論の図

1.内部統制(下の正三角形)の問題
 組織を意図的に変化させるときは、人事的なツールが総動員されます。人事考課や目標設定が変更されますし、従業員の業務を入れ替えるでしょうから、異動や担当変更などが行われますし、その際には降格処分や解雇などの厳しい人事処分がされるかもしれません。
 さらに、グループ会社同士を合併させたり、事業を売却したりするなど、会社法的な手法が用いられる場合もあるでしょう。

2.ガバナンス(上の逆三角形)の問題
 他方、投資家である株主から投資対象である経営者を見た場合、会社組織を変える場合には適切にその判断をできることが必要です。そのような判断能力が必要なだけでなく、自分の判断能力を補佐するために会社組織を適切なツールとして作り上げることも必要です。

3.おわりに
 会社組織をスポーツ選手に例えれば、競技のルールが変わった場合に、新しいルールに合わせたスキルや体力を高めるために日頃の練習メニューを変え、体格改造などを行わなければなりません。会社組織を意識的に変化させることも、経営(競技)のための重要なツールなのです。

※ 鈴木竜太教授の名著、「初めての経営学 経営組織論」(東洋経済)が、『経営の技法』『法務の技法』にも該当することを確認しながら、リスクマネージメントの体系的な理解を目指します。
 冒頭の引用は、①『経営組織論』から忠実に引用して出展を明示すること、②引用以外の部分が質量共にこの記事の主要な要素であること、③芦原一郎が一切の文責を負うこと、を条件に、鈴木竜太教授にご了解いただきました。


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