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こんな舞台を観てきた(2023年10月)

観たい舞台はたくさんありつつも、なかなか時間が取れず、割と早い段階からチケットを購入していた2作品のみを観劇。
簡単な感想ではありますが、備忘録を兼ねて残しておきます。

↑これまでの観劇記録はこちら↑


浅草キッド

北野武(ビートたけし)さんの自伝を舞台化した作品。

「音楽劇」と題している通り、舞台上にはバンドが常駐していて、上演時間の大半は演奏されていた。

物語は比較的シンプルながらも、休憩込みで3時間15分と長めの公演時間だったので、もう少し絞って3時間くらいに収めてもいいんじゃないかなと思った。
私が公演2日目に観劇したということもあってか、少し間延びしている印象を受けた。

全体として、芸人の下積み時代の辛酸を描いた物語と、明治座で上演される商業演劇のポップさの齟齬をどことなく感じた。
劇中で何度か、当時の下町の治安の悪さについて言及されるが、もし蜷川さんだったら、そういった薄暗い雰囲気をフィーチャーして演出されるんだろうなと思った。(物語が学生運動の場面から始まるので、余計に蜷川さんを連想したのかもしれない)

キャスト

北野武役は、林遣都さん。
全体を通して、いわゆるビートたけしさんの喋り方をなぞるのではなく、役柄として台詞を発しているのが好印象だった。

深見千三郎役の山本耕史さんは、さすがの一言。
今作ではタップや殺陣、ギターの演奏など様々な芸を披露されていた。
初日の翌日ということで、全体的にまだ固さがあったが、適度にアドリブっぽい発言も挟んでいて、余裕を感じさせる仕上がり具合だった。
近年は舞台の本数を少しセーブされている印象を受けたので、3月の「太平洋序曲」に続き、年に二本も拝見できてとても嬉しかった。

↑「太平洋序曲」の感想はこちら↑


チョコレートドーナツ

20年の初演は観ることが叶わず、今回が初観劇。(映画も未見)

チケット購入後、主演の方の事務所騒動がニュースとなり、どうなるのだろうと思ったものの、特に主催側から言及はなく公演は予定通り実施。

そんなこんなで、観劇前は多少のモヤモヤ感があったものの、いざ劇場に行って座席に座ると、そんなことは忘れて、しっかりと作品に集中することができた。

特に二幕は、裁判所のシーンなど緊迫感のある場面も多く、物語にどっぷりと浸ることができた。
また随所で出てくるクラブのシーンを見ていると、「キンキーブーツ」や「ラ・カージュ・オ・フォール」などのショー場面を思い出した。
(一幕ラストの客席降りの流れは「ラ・カージュ〜」とかなり似たものを感じた)

全体的として、ステージングがあまり上手くいっていない印象を受けた。
「暗転中にモノローグ(おそらく録音)」という処理が多く、暗転反対派の私としては、少し残念だった。
また、ブレヒト幕的な役割をするカーテンは、動くたびに音を立てるので、あまりスマートではない印象を受けた。
同じ演出家の作品であれば、前月に観た「生きる」の方が幾分冴えていたと思う。

キャストでは、山西惇さんとまりゑさんのお芝居が特に印象的だった。


10月は2作品しか観劇できず、しかもバタバタしている中で見に行くと、こちら側の受け取る力が弱くなるなと思った。
11月からまたしっかりと観劇を楽しみたい。




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