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アフターコロナのマーケティング戦略

今回のコロナでは、いろいろな行動変化がコロナをきっかけに突然起こったように見えたかもしれないが、実は以前からずっと起こっていた変化が加速しただけ、という考え方もできる。コロナ禍に関係なく、顧客の変化は常に起こり続けていて、その変化に対応し続けていかなければならない

小さな変化であっても、昨日の延長線上にはない顧客心理と行動の変化いち早く読み取り、変化に対応し、異なる戦略シナリオを検証し続けよう。


デジタル時代のマーケティングの誤解

・誰にどのようなメッセージをどう届けたいかを考えながら、マスメディアとデジタルメディアを使い分けていくのが最良。それぞれの特性を考慮し、最適な組み合わせを考える。

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画像引用元:https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00674/


・ECを含むデジタル化はますます進んでいくのは確実だが、今後数年で、ビジネスがデジタルやECだけになることはありえない。マーケティング戦略を立てるときは、ファクトベースで考えることが重要。

・施策のコスト効率だけを高めているだけでは、すぐに頭打ちになる。いくらデータを分析しても、潜在的な未来の顧客層や、その層に提供すべき独自性のある便益の可能性は見えてこない。データの裏側にある顧客の深層心理を洞察し、最適化を超える新提案を考える。


顧客理解における誤解

・効果的な調査実行のためには、定量的な判断をする統計知識と定性的に心理状態やインサイトを深く読み解く能力の両方が必要。

・顧客を平均化して、1つにまとめるマス思考を避けることが重要。カスタマージャーニーは実在する顧客一人一人に個別作成し、数十人繰り返した結果から見えてくる共通項に着目して打ち手を考えていくべきだ。

・具体的な顧客起点ターゲット(WHO)とどんな独自性のある便益(WHAT)の組み合わせを定義しない限り、いくら打ち手(HOW)の議論をしても無駄。

・顧客のセグメントごとに適切なアプローチを取ることで、常に新しい顧客に働きかける。

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画像引用元:https://markezine.jp/article/detail/30846


ブランディングの誤解

・満足体験を持っていない新規顧客や、購買意向を持たない顧客に対して、ロイヤル顧客が記憶した「ブランディング」要素を訴求すれば、顧客獲得やロイヤル顧客化が達成できるかのように誤解したマーケティング活動、「ブランディング」至上主義が蔓延している。

・思考の起点に置くのは、会社ではなく顧客であり、その顧客にどんな便益や独自性をどんな商品で提供できるかという考え方をしない限り、何も価値を生み出せない。

・いつの時代にも、柔軟性は非常に重要。「うちは○○業だ」とこだわりすぎれば、新しいことは何もできない。


プロモーションの誤解

・広告の重要な機能は、認知度を高めるだけではない。既存ユーザーがその広告を見て、製品・サービスのことを思い出し、また買おうと思う「ブランディング」要素の訴求での、リマインダー機能としても重要な役割を果たす。

・マーケティングは、作り終わったものを販促することではない。どんな顧客にどんな便益を訴求するか、商品を企画しつくる段階から入り込んで「伝え方」を考えよう。


戦略策定の誤解

・論理的な戦略は、言い換えれば誰でも思いつく戦略。現場からのインサイトなども活用し、競合がやっていないこと、やられたら嫌なことを探そう。

・HOWの引き出しを増やすためにおススメなのが、同業ではなく異業種を見る、もしくは、自分の消費者としての感覚を研ぎ澄ませて、いいと思うものに着目すること。それを自分の会社に当てはめて、何ができるかと考えてみる。

・「複数」のWHOとWHATを考え、時間軸も加味しながら適切なHOWを考えていくことが戦略を立てるときの鉄則。

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画像引用元:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00304/00008/?P=2


アフターコロナのマーケティングで何を考えるべきか

・顧客(WHO)と、その製品やサービスが提供する便益と独自性(WHAT)を再定義することで価格を上げて、価値を高める。

・リアルとバーチャル、サービスやその提供方法、さらには都心と郊外など地理的な面でも、いくつかのポートフォリオを持っておく必要がある。売れないと思えばすぐに転換する。

・周囲の環境が大きく変わり、顧客の行動が変わるときに、本質的なニーズを突き詰めて考え、自社にできることを考える。


大友的編集後記

マーケティングの結果として最終的に売上や利益を出すことを求めるなら、何人の顧客が購買したか、購買数量、購買頻度のような、顧客の「行動」指標が、KGI「行動」を左右する要素がKPIにならなければならない。

本書内で何度も記載されていたが、コロナ禍で起こった変化は、急に現れたわけではなく、加速しただけという見方は非常に腹落ちする。これが急転換だと捉えてしまうのは情報収集やアンテナの張り方が弱いと感じる。(自分もどこまで加速したと思えていたかは…)

足立さんや西口さんの著書を読んだことがある方であれば、他の著書でも触れられている軸があったかと思うが、どの説も一般的によく聞くもので、それに対する提言が書かれているので是非現場で盲目な説を唱える方がいたら、参考に提言してみてほしい。(何ならしたい)

WHO,WHAT,HOWに関しては考え方の根底に根付かせるべきもので、現場では常にHOWばかり求められ、作業をこなすようになりがちだが、俯瞰でWHO,WHATに関しても考えるべき。とわいえ、ここに立ち返る(先祖返り的な)ことをしすぎると何も前に進まず、時間リソースが失われていくだけなので定義づけは早い段階で固め、見直すということをやるべき。(なんやかんや上から落ちてきたWHATや顧客が言うWHOを鵜呑みにしてしまいがち)

上記と並行して、上段に記載したKGI・KPIの考え方は重要。KGIは大抵売上なり利益になると思うので、紐づけるKPIが関係ないのでは?というのはあるある。個人の目標設定でもそうだが、事業のKGIに関係ないKPI(成長とかは除いて)は確かにある。あとは細分化しすぎて、誰も集計しないので響いたかわからないなど。そこの整備を行い、HOWを立てたりしていかないといけなくもなるが売上上がれば何でも良いという会社でなければ、誰に便益をどのようにして感じてもらって売上を立てるかまで考えて、細かいKPIまで落としていきたいですね!(自戒)


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