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裏ひよこ日記。あっちのわたしとこっちのわたし。

フレッドは約束通り戻ってきてくれた。
でも一日まるきり消えちゃって、待っていられなくてみーちゃんにお願いしてその場所まで連れていってもらった。

もう一人のわたしはわたしとうり二つだったけど話し方や佇まいや雰囲気とか空気感とかそういうのは全然違っていた。もう一人のフレッドもやっぱりフレッドにうり二つだったけど
フレッドよりも目線が鋭くて生真面目な感じで話し方も淡々としていた。

もう一人のわたしはわたしのことをべた褒めしてた。なんって可愛いの!本当に愛らしくてそりゃあの2人ガチボレするわよねっっ!!って

あれから戻ってきてからものすごく眠たいのだけど寝る前にほんのちょっとだけだけどあっちのわたしとお話ができるようになっていた。

ひよこちゃんはわたしがこうだったらいいなあを全部詰め込んだの。
うんと幸せになってほしいなーってたくさんの可愛いをぎゅうぎゅう詰めにしたの。とか言ってた。

ふふって笑うと。やばい。萌えしかないとか言って遠い場所から頭ナデナデしてくれる。遠隔ナデナデ。なんかおねえちゃんみたい。お姉さんがいたらあんな感じなのかな?
優しくてユーモアに溢れていてほんわかあったかい人。

本当に好きな人ってそんな簡単にできないんだからね?だから目一杯その気持ちを大事にしてねて言ってた。

もう一人のわたしの横にはもう一人のフレッドがぴったり寄り添っている。こっちのフレッドより全然口数が少なくてずっと黙ってるけど
もう一人のわたしを見る目線は柔らかい。あっちのフレッドはあっちのわたしをものすごく大好き何だとおもう。大好きていうかあれはもう愛でしょ。とか思ったからあっちにわたしにそれを言うと、ふふって笑ってあっちのフレッドを見た。
あっちのフレッドもあっちのわたしをチラッっ見てふっと口角を上げた。なにー。すってきー!やばーい!言わないしそんなの周りに見せないだけでお互いわかってるんだー。きゃー素敵すぎる。きっと二人きりになったらまたあっちのフレッドも雰囲気変わるんだろうな。ひゃー。もうあのカプ推せるしかないし!

あっちのわたしはわたし可愛げがないのよとか自分で言ってたけどあっちのわたしはオトナで素敵な美人さんにしかみえなかった。そうなんかミラ部長みたいな雰囲気ていうのかな。わたしもあんな感じになれたらいいなあ

そんなやり取りをしてるから眠たくてたまらない。頭の中の配線と回線の工事してるみたいなそんな感覚がする。

戻ってきてからアルベルトがわたしを見たときアルベルトの目は驚いていた。そして何だか少し悲しそうだった。わたしが統合されたってアルベルトを大事に思う気持ちに変わりはないのに。アルベルトには包み隠さず話した。もしかしたら残酷な話だったかもしれない。それでもわたしはちゃんと話した。なぜってアルベルトがそうして欲しいといったから。

僕から僕のひよこちゃんを取り上げないで。

わたしが統合されたってあなたを大事に思う気持ちは変わらない。

フレッドの事は決まっていた事だよ。いつかはそうしないといけない時期がくるってあなたも言っていたでしょう?少し早まっただけよ?

僕だけのひよこちゃんでいてほしかった。。
わかってる。横入りしたのは僕だ。はじめから決まっていた。それはわかってた。僕はね、彼は君を一人の女性として愛さないって勝手に決めていたんだ。そうしてほしかった。
でもそうなるよね。だってこんなに僕が欲しいと思ってる女性なんだから

アルベルト…

でもね、ひよこちゃん。それでも僕はあなたを放せない。僕の生きるすべてなんだ。

もう。勝手に何でも結論つけないで。わたしを何だと思っているの?

…だから僕が勝手に先回りして君を嵌めたみたいにしたから

嵌めたって思うならまたちゃんとわたしにプロポーズして1からやり直したらいいでしょ?
そんでわたしにイエスっていわせなさいよ
気がすむまでやり直しなさいよっ!!
それで正々堂々と僕はあなたの夫です!て胸張ればいいでしょっ!

アルベルトは目を見開いてわたしをみた。
そこにいるのは誰?みたいな目で。

…ひよこちゃん。キミ…
アルベルトは何故か目線が遠くにいってる

しばらく黙ったあとに

あなたじゃなきゃ嫌だ。あなたじゃないとダメなんだ。だからそうさせてもらう。

それでその晩はアルベルトと一緒に寝た。
アルベルトはずっとわたしを離さなかった。

それで夢を見た。

あっちのひよこちゃんがふふって笑ってフレッドにみた?て言ってる。モテる女の子は大変よねえ。いいわあ、わたしも取り合いされる世界線に生まれたかったわ。

あっちのフレッドは苦笑いしている。

アルベルトが聞いたらお前怒られるぞ。こっちのアルベルトはあっちより寛大だけどな。でもな。…ヒソヒソと後の言葉をあっちのわたしに耳打ちしてた。

もう一人のわたしは堅物フレッドに
ありがと。ていって隣に立ってる彼の手をそっとさわった。そしたらあっちのフレッドは何にも言わずに手を繋いだ。それで2人目があって
ニコって笑いあった。

うーわーキュンキュンするんだけど!!

わたしもあんな感じなふたりになりたい。

そんでわたしはイギリスにきている。雪で真っ白な銀世界。ロンドンとは違ってすごく趣きある世界が広がっている。
マギーさんがわたしにメイプルシロップを煮詰めたものを用意してくれていた。わたしはウキウキで外にでかけた。
フレッドがどこかから見つけたコドモ用のプラスチックのソリを見つけて持ってきた。丘を滑り降りるらしい。あのひとはウィンタースポーツが得意でスノボバカだからソリなんてらくらくだ。わたしは何回滑っても途中で転がり落ちてソリがどっかに飛んでいく。そのたびにボーダー・コリーとリトリバーのワンコ2頭が走って無事を確かめにくる。なんてお利口さんワンちゃん。わたしは2頭に後からたっぷりおやつをあげた。

フレッドは雪にダイブして人形とっているわたしをまたバカなことしてんなって感じで持ってきたコーヒーを飲みながらぼーっとしている。

面白い?それ?
うん。

こっちのが雪深いしふかふかだぞ?

まじ?

わたしは迷わずダイブした。うんふかふかでいい感じ。

オレもやってみようかな。てボスっと横にフレッドがダイブしてきた。
雪に沈んだまま空を見上げるとマジックタイムな紫とオレンジの空にキラキラとダイアモンドダストみたいな雪が舞っていた。

あー、きれい。すごくステキ、ほんとにステキ

フレッドが咳払いをはじめた。

なんか大事な話するっぽい。
2人とも正面を見たまま空を見たまま静かに話ヲはじめた。

それはそうなれたらいいな。って密かに憧れていた話。わたしたちにはありえない起きないと何回も諦めて、ずっと胸にしまっていたおとぎ話。

初恋は実らない。てみんなが言うから信じていたけど

ずっと胸に秘めてたわたしの淡い初恋がみのった。誰にもいったことないけど。

嬉しくて泣きそう。代わりにくしゃみが止まらなくなったけど。

ないていいよね?だってマジックタイムだし。
ぐすっと言ったの聞こえたのか手を繋いでくれた。
















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