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裏ひよこ日記。最高のお手紙を書きたい。

わたしは机にいろんな本をぶちまけて気が利くセリフを探している。なんかいい引用ない?

手紙の出だしにつまづくとフレッドが愚痴をこぼしていたがあれは真実そうだったみたいだ。
現に今わたしが唸っているのだから。

もう寝ないとヤバい。明日起きられなくなる。サクサクかけると思っていたわたしがおバカだった。書けるが書けない。

そう、書けるんだけど。なんかいい足りないのだった。八割できてる。

そうよ。続きものにしたらいいじゃん!
連作。連作にしよう。五年頑張って書いてくれたんだから連作で話を繋げていこう。そしたら
うちらの軌跡がわかるじゃん。おお、名案だ。
びっくりさせてやろう。最後の手紙で目頭を熱くさせてやるんだ。感動1代巨編。全米が泣いた。そうだそうしよう。

そうと決まれば話は早い。続きはウェブで!みたいな続編あります。で締めよう。きっとすごい変な顔するだろう。ああ楽しい。

アルベルトにはサクサク書けたのに
フレッドにはなかなか思うようにいかない。笑いを取りたいがどうしたって先行するのだ。感動巨編を書くつもりがどうしても笑いを取りたいに寄り道していくのだった。

昔はいつもムスッとした冷たい感じで小言ばっかり言われてとってもとっつきにくかったのに、少しずつ距離を詰めていって話せるようになり、そしたら時折フッと笑ってくれるようになり、少し自分の話をしてくれるようになり、また少し距離が縮まって、ちょっとずつちょっとずつ仲良くなっていったのだ。
パリに来るくらいにだいぶん仲良くなってそれからいろんな出来事が起こって二人で解決しないといけないいくつかがあって、解決1個するたびにわたしに心開いてくれるようになり、そしたらフレッドが一気に快活になっていった。
それがわたしは嬉しくてもっと心を開いてくれたら嬉しいなって、そうやって今に至るのだ。
はじめから仲良しだったわけじゃない。
あんなに笑う人じゃなかった。絶対に謝らなくて逆にやり込めてくるような頭の回転の速さにイライラさせられ、かなりの神経質で皮肉屋でイギリスの曇り空と貴族階級を体現しているようなそんな人だった。

今は私と一緒に遊んでくれて、たくさん小競り合いして喧嘩してもすぐに仲直りして、ずーっと話をしてもちっとも飽きなくて、たくさんの軽口を叩いてフットワークも軽く自分の趣味を満喫してる。美味しいものが大好きで、料理も覚えてすぐに上達した。星が大好きで天文物理学の話になるとヲタクが止まらない。


このわたしたちの10年のあゆみを紙一枚で述べられるわけがなくコミカルでウィットに富んでなおかつほろりとさせて、これからもずーっと一緒にいられるようにわたしも頑張るから末永くよろしくお願いします。ってことが言いたいのだ。

やっぱり紙一枚、いや2から3枚じゃむりだ。

わたしだってこれをなんと呼んでいいのかわからない。

いつも幸せでいてほしい。笑っていてほしい。
それはわたしの大事ななすべきことの一つ。

あ、これをこのまま書いたらいいのね。

やっぱり連作しかないじゃん。

わたしはありのままを書き出して明日着ていくジャケットのポッケにいれた。

次の日フレッドはボスのみーちゃんと話をしにいくと少しだけ緊張していた。

お昼休みの少し前
お使いにカフェに来ていたわたしはなんかちょっと様子がおかしいフレッドをみつけた。
声をかけたらちょっと顔が赤かった。
ほんの少し立ち話をして用事を済ませたわたしが部署に戻るとき書いた手紙のことを思い出した。

いまだ!と思ってフレッドの胸ポケットの内側の方のポケットに手紙を突っ込んできた。

なるたけ元気よくまったねーっ!!と笑顔で去ってみた。

後からメッセきた

爆笑の絵文字がダダダーと羅列されてた。
笑いを取りたいは取れたらしい。良かった。

また少ししてメッセがきた。

エントランスホール

エントランスホールに降りた。エントランスホールはごった返している。

どこにいる?とキョロキョロしてたら向こうが気がついてスタスタと歩いてきていきなりガバっと抱きつかれた。

な、なにごと?

ありがとうめちゃくちゃ嬉しい!!

う、うん。

会社なんだけど。

問題ないだろ?

ありまくりなんだけど。

なぜだ。ギューが強くなる

離れろ。

無理だね。嬉しくてしょうがないから。
続きはいつ読める?早く読みたい。































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